短き者達

雨彩 色時

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会いに行きます

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 僕は死にたいと毎日思っている。でも、そう簡単に死ねないのが現実だ。生物の本能である死の恐怖がどうしても邪魔をする。そして、自殺は天国に行けないなんて情報もあるではないか。
 僕は自分の感情矛盾と頭の片隅に居座る迷信が歯痒くて生きることが毎日、毎分、毎秒、苦しかった。俗に言う生き地獄と言うやつと思っている。

 一度、僕は歩きスマホをしており、注意が疎かになって車に轢かれそうになった時があった。当然、僕は驚いて心臓の鼓動は早く動くが、数分後に思うのだ。あのまま轢かれていれば僕は事故死で死ねたと。苦しみから解放されたはずだったのだ。



 大人になっても死にたいと言う感情は変わらなかった。どれだけ楽しいことがあっても、なぜか抱き続ける感情みたいだ。少し変わった事と言えばカッコよく死にたいと思うようになった。
 こんな安い命で誰かが救われるのではあれば僕は身をていして他者の命を護りたいと感じた。この命で役に立ちたいと感じたのだ。


 そんな僕に一人の女性から告白された。もちろん僕は断った。彼女と釣り合うと思わないし、逆に不幸にさせてしまうと思ってだ。しかし、彼女は諦めなかった。数年後、また告白をされる。甘い考えがぎって、どうせすぐ別れると思って彼女と付き合う。
 彼女は涙を流して喜ぶ。抱きしめられた。僕のどこがいいのか分からないまま交際を始める。

 交際を続けるとは、すかっりと何処かへ行ってしまった。分相応以上の幸せが僕を満たしていく。それはいつ溢れてもおかしくない程に新鮮なモノだった。
 彼女の笑顔を、泣き顔を、怒った顔を見て最後に僕は抱き締めた。彼女がそれ程までに愛おしい。


 僕は神様なんて信じたことがなかったけど、あの日から信じると同時に恨んだ。恐れていた事が起こる。溢れてしまったのだ。

「君の行きたい所に、食べたい所に、欲しい物を…僕はどうすればいいのかな? なぁ…教えてくれよ。連れて行ってあげるからさ。買ってあげるから…」


 彼女は答えない。閉じた目は開かず、目すら合わせてくれやしない。こんな事になるなら、僕は君と付き合わなければ良かった。だって、そうだろ?こんなにも君と生きたいなんて願う事は無かったじゃないか。
 君のいない世界で、君を護れない世界で…君を抱き締められない世界は僕にとっては残酷すぎる。
 ある意味で僕はもう死んでいる。答えを教えてくれるのなら喜んで君の元へ行こう。簡単に出来なった、恐怖が邪魔した死を僕は受け入れよう。
 天国や地獄なんて関係ない。生きている事が遠回りなら、近道して這い上がるし、ドン底まで落ちて会いに行くよ。

 身を挺して、僕は君に会いに行くよ
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