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天使と妖精
しおりを挟む初めて君を見た時、天使様だと思った。
透き通るように白い肌、両目に掛かった栗色の髪。泥で汚れた水色のシャツとジーンズの短パン
一人、砂場で泥団子を作る天使様。
「いっしょにあそんでもいい?」
「いいよ」
前に立って声を掛けると、君は私を見ることもなく『いいよ』と言ってくれた。
嬉しいような、寂しいような、でもそんな気持ちより、私はどうしても、泥団子で遊んでいる君の隣に居たくてその隣にしゃがんだ。
どうにか君の気を引こうと思って今度は自分の名前を教え、ついでに君の名前も訊ねた。
「ぼくのなまえははやと!きみは?」
その時君は手を止めた、私はやっと泥団子に勝ったのだ。
ゆっくりと顔を私にむけ、君のはちみつ色に見つめられる。やっぱり天使様だったんだ....と、確信を得た時。
そのはちみつは揺れ、大きな瞳からこぼれそうになりながら、君はたどたどしく答えてくれた。
「わた、う....ぼ、ぼく、ちふゆ....」
ちふゆ、可愛い名前。私の天使様は千冬と言うんだ。
「ちーくんだね!よろしく!」
「うん....よろしく」
名前が知れて嬉しい私とは逆に、千冬はどこか落ち込んだように泥団子に視線を戻す。
数日後の入園式で、公園で会った天使様が妖精の末裔だと知ることになる。
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