妖精の君を愛してやまない

髙橋 ななし

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ネクタイとリボン

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 周りを気にせず「帰ろっか」と君が言う。

 なれない廊下を歩いて下駄箱へ向かう。

「あー、金髪は失敗かなぁ。見たぁ? 周りの警戒するような視線」

「派手派手だからな」

 唇に指を当てながら千冬が答える、口に開けたピアスが気になるのだろうか。

「本当は茶髪ぐらいが良かったんだよ、でもアルミホイル被せた方が良いってネットで読んでさ。そしたらこうなった」

「つーか、バスケ部はそんな頭でも良いのかよ?」

「うん、割と校則緩くてね。大会の時に茶髪ぐらいにしとけば良いんだって、ほら君達が元々色素薄いじゃん?それに合わせてるのだと思う」

 妖精の末裔は皆、肌が異様に白かったり髪の毛も明るめだったりする。

「ふーん、そんなもんか」

 納得してから唇を撫でていた指をやっとおろす。やっぱりピアスが気になるんだ。

 その時君の首元に気が行った。

「あれ、ネクタイじゃないんだ」

 ブレザーもズボンも私と同じなのに、首には青いリボン。

「あぁ、無性だから。ズボンを履けばリボン、スカートを履けばネクタイ。生徒の希望に合わせた服装の代わりに見分けが出来るようにだって」

「そうなんだ」

 ちゃんと見ないと気付かない違い。分かる人にだけ分かるように。

「ついでにこの学年に俺含め無性別は3人居る」

「じゃあ今年は仲間が居るんだね」

「そうだな」

 小さい頃ははっきりと区別されていたが、歳を重ねるにつれ、その区別も曖昧になってくる。

 妖精の末裔が人間に溶け込んでいくように。
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