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番外編 獣人学者は運命の番を許さない
23 残されていた選択肢(カリス視点)
しおりを挟む運命の女性と仲良く語らう夫の姿が脳裏に焼き付いて離れない。
ところどころ耳にした話の内容は難しすぎてカリスにはよく分からなかったが、女性の方は夫の話を全て理解していたようだ。自分とは違い、夫と知的な議論もできる同僚の獣人女性。夫の方も何やら楽しそうに話していた。
相手が運命の番だからなのか、夫にとって特別な女性だからなのか……
獣人にとっては特別な存在だと言われている運命の番。夫は妻がいるから愛することはできないと女性に対して告げていたけれど、夫はカリスがいるせいで愛する番の手を取れないのだろうか。自分の存在が、二人の障害になっているのだろうか。
カリスは夫に対して大きな恩義を感じている。だからこそ、夫の邪魔にだけはなりたくない。もしも、自分の存在が夫の足枷になっているのだとしたら――
ズシリ。
それ以上の思考を邪魔するように、お腹に重みを感じてカリスはそっと手を添える。
検査結果を聞いた時にはそれまで感じていたすべての憂いが晴れた気がした。カリスがずっと待ち望んでいた幸せな知らせ。けれど、それが夫にとって新たな足枷にしかならないとしたら……
気付けばカリスは母親の部屋に来ていた。事故で母が亡くなってからはそのままになっていたが、几帳面な母親らしく、机の上はキレイに整えられている。
そして、その引き出しの奥には……
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