6 / 6
西方旅情1
しおりを挟む
「執務の心配なら大丈夫よ、それより凛のことお願いね?」
「えっ?でも彼女占いのエキスパートですよ?」
「凛は恋多き乙女と言うか、騙されやすいと言うか、占いで「良き出会い」が出るたびにあっちへいったりこっちへ行ったり、確かに良き出会いではあるのです、高貴な方、セレブ、情報通と多種多様な人種と繋がりが出来るのは、でも凛の求めているのは玉の輿・・・」
「でもそれだけ多種多様な人種と繋がりがあるのにまだ探しているんですか?」
「そうね、その多種多様な人物がただの高貴な方ならいいのだけれど、高貴なロリコン親父とか、皇族のマザコン青年とか、トップクラスのセレブなのにSだったりMだったり、一時期、そのセレブに拉致された時もありましたし、高貴な方のストーカー行為にも悩まされましたね、でも、一番まともだったのは情報通のコスプレマニアくらいかしら、会った時に彼の用意した物さえ着ていれば後は何も無かったから・・・」
「繋がりが持ててもそれは、ちょっと・・・」
「凛は確かに占いのエキスパートよ、自分の色恋事以外はね」
「「・・・・・・」」
「じゃぁ、行って来ます」
こうして、自分の色恋事以外は占いエキスパートの凛を引きつれ西方へ遊びに行くことになった泉子、久々の休暇に心を躍らせながらも、何か一騒動、起こりそうな一抹の不安を抱えながら、凛と共に休暇をとり西方へ向かうのだった
「とうちゃーく」
「着きましたね、詠香先輩が案内役を頼んでおいたと言われていましたが・・・」
「うーん、誰だろう、見知った人は見当たらないね?」
西方へ、到着した泉子と凛、詠香が頼んだという案内役を探すも見知った者は見当たらず、少し転移管理センター内を歩き回ってみることにした、しばらくすると
「あの?東方よりいらっしゃいました、泉子さんと凛さんでしょうか?」
泉子も凛も見知らぬ者だったが、来ている文装を見て、詠香の頼んでいたという案内役と分かる
「西方を案内してくださるのは貴方ですか?」
「はい、東方、副文官長・仙流様より承りました、私、西方、武官長・白麟様の身の回りのお世話をさせていただいている狩真 子緑(かりま しろく)と申します。」
「私は東方、副文官長・詠香様にお仕えしています、朱野 泉子と申します」
「同じく、東真 凛と申します、子緑さん、案内の方よろしくお願いいたします」
「はい、ところでお二方は、十二星座の方ですか?」
何やら、二人の腕章を見ながらどこか寂しそうな顔をしている子緑
「ええ、見ての通り、私は乙女座を、泉子は牡羊座を頂いています」
「・・・どうかなさったのですか?」
子緑の表情に心配そうに話しかける泉子、よく見てみると、子緑の文装には紋章が入っておらず、あまつさえAからZまでの班振りもされていない、文武装を着用するものには必ず紋章、もしくは班振りがされているのに、子緑には紋章どころか、班振りすらされていない、まずありえない事
そのことに触れていいのやら、悪いのやら迷う泉子に気付いているのか、いないのか直球で質問する凛
「子緑様?あなたの文装、紋章どころか班振りすらされてないんだけど?どういうこと?」
(紋章も班振りもされていないということは、どこかの貴族の下働きやメイド、もしくは候補生、それに詠香先輩が連絡付けるとしたら、西王・白椰様か武官長・白麟様、白麟様なら私たちが、わかりやすいように文装を着せたってことはありうるけど・・・)
「はい、私は本来、文装など着用できる立場ではありません、私は白麟様の身の回りのお世話をいたしていますメイドに過ぎないのですが、仙流様よりご連絡を頂きました、白麟様が白椰様にご相談されまして、「たまには羽を伸ばして来い」と、それから泉子様方が分かりやすいように「これ着ていきなさい」と白椰様に言われ、目印代わりに着ているしだいです」
(あれ?そう言ったノリは白麟様じゃ無いの?白椰様もそう言うノリの人なの?・・・え~)
そう、泉子の予想を裏切り、子緑に文装を着せたのはなんと西王・白椰だった、本来、文武装はその資格を有する者にのみ許された服、もし資格を有していない者が着ていれば罪に問われても文句は言えないのだが・・・
「では参りましょう」
「ちょ、ちょっと待ちなさい」
「はい?」
「子緑様、分かってるの?資格を有していない貴方が文装着ていたら罪に問われても文句言えないのよ?ここの警備に見つかったら即効で牢屋行きよ?下手したら亜空間追放よ?分かってる?」
「ああ、そのことでしたら・・・」
「ああ、子緑様」
凛が子緑を注意している最中に、心配していた転移管理センターの警備員が現れた、これじゃ~子緑が亜空間に追放になってしまうと泉子、凛の心配をよそに、子緑と警備員による通常ありえない会話が始まる。
「東方よりのお客様と合流されましたか、無事合流されましてよかったですな」
「ええ、一緒に探していただきまして有難うございました」
(ちょっと待った、そこの警備員、子緑様は紋無しの文装を着てるのよ、そこはスルーかい)通常なら警備員が子緑を押さえそのまま転移装置にて亜空間追放されるはず、しかし・・・どういうわけか紋無し文装を着ている子緑に警備員が丁寧口調しかも、ふかぶかとお辞儀をしている。
「いえいえ、子緑様のお役に立てて光栄です」
「あはははは、で、お願いしていました車の方は手配できましたか?」
「はい、向こうに待たせてございます、子緑様、東方よりのお客様、どうぞこちらへ」
「はい、泉子様、凛様、参りましょう」
「「は、はい・・・」」
一メイドでしかないはずの子緑に転移管理センターの警備主任が、頭を下げていることに不思議に思う泉子と凛、通常ありえない光景なのだがどういうことなのか・・・不思議がる二人に気付いたのか警備主任が二人に説明する
「東方よりの方、あまり見られない、光景かと思いますが、こちらでは当たり前の光景です」
「ええ、そうなんですか?」
「はい、ここ西方では、西王様、武官長様、文官長様、このお三方にお仕えするメイドと執事には、副文武官長補佐直下(十二宮の紋を与えらる者)と同等の地位を与えられます、ですから文武官に志願し登録を漏れてしまった者達でもお三方のお目に留まりメイドや執事に着くことが出来れば、鼻高々ですよ、その代わりその地位に見合わないとお三方に判断されたら一生日の目を見ることは無いでしょうけどね・・・かく言う私も文官長様の執事をと志願したのですが駄目でしたね、その代わり文官長様より、ここ管理センターの警備の職を与えていただいたのですから、今ではこの職にやりがいと、誇りを持っていますよ」
「すごいですね?東方でも、やはり東王様や武官長様、文官長様のメイドとなればそれなりの待遇はありますが副文武官長補佐直下と同等の地位と言うのは、さすがにないですね」
「ええ、そうでしょう、ただ武官長様の子緑様に対する溺愛ぶりに、西王様がこの地位付けをされたともっぱらの噂です、ねぇ、子緑様?」
噂好きなのか、この警備主任は、「噂の真相はどうなのですか?」と言わんばかりに子緑に話を振るが、顔を真っ赤にし、恥ずかしそうにモジモジする子緑、(うわ~、耳まで真っ赤にしてかわいい~)泉子のいたずら心に火がついたのか、警備主任と共に子緑を煽る
「本当のところはどうなんですか?子緑様?」
さらに顔を真っ赤にする子緑
「そ、そそそそそそそそ、そんなことは、けけけけけけけけけ、決して無いででででででででですよ~、もう、からかわないでください、泉子様」
「あはははは、だって、耳まで真っ赤にして、子緑様が可愛くてツイ、くくくく、御免なさい」
「東方の方、子緑様の立場は、あくまで西方の中だけの話ですから貴方がたから見たら、子緑様はただのメイドです、「様」を付ける必要はありませんよ」
「そうですよ、私は副武官長補佐直下と言っても、西方内だけで、西方を出たら、ただのメイドです、だから「様」を付けるのは、やめていただけますか?」
「うん、分かりました、じゃぁ、「子緑さん」でいい?」
「はい」
和やかな、話をしていると、どこぞの、皇族をお迎えするかのような豪華リムジン(運転手、カクテルやおつまみ付き)、まるで自分を何処かの貴族、皇族のセレブな姫君と勘違いしそうなほどの豪華さに見とれていると、不意に声をかけられびっくりする、泉子と凛
「「「どうぞ、本日の姫君方」」」
不意に声をかけられたものの「姫君」と言う言葉に(あっ、私じゃないな)と我に帰る泉子、声の方を見てみると三人のイケメンが泉子たちにお辞儀をしている
「本日エスコートを任されましたクラブ・アリエスの翔(ショウ)と申します」
「同じくエスコートを任されましたクラブ・レオの志穏(シオン)」
「同じく、お美しい、姫君方の光栄にもエスコートを仰せつかりました、クラブ・スコーピオの欧魅(オウミ)と申します、お美しい姫君たちよ、本日は我々、ホストクラブ界トップ3が、姫君たちの一時を華麗に演出させていただきます」
ホストの中でもNO.1なのだろうと思われる、白スーツに身を包み、屈託のない、ひょうきんそうなクラブ・アリエスの翔、見るからに我体はいいが、目つきの少しキツイ、怖い感じのする、クラブ・レオの志穏、優雅な立ち居振る舞い、その甘いマスクと言葉で何人の女性を骨抜きにしたか分からないと言った感じの、クラブ・スコーピオの欧魅、(ただの観光に豪華リムジンにエスコート付きってここまでしなくてもいいのに、がんばったな~、この人)と、つっこみを入れる泉子
「今回はただの観光なのに、ここまでしなくても」
「いえいえ、子緑様と子緑様がお迎えするほどの方々をご案内するのですから、最低でもこれぐらいは当然ですよ」
「子緑様?我々では子緑様のエスコートとして、役不足でしょうか?」
「いっいいいいいいいいえ、おおお欧魅さんたちならもう、こここここちらから、おおおおおお願いしたいくらいでよっよよよろしくお願いします」
子緑の困ったような表情に、やさしく声をかける欧魅、そして何時打合せしたとも感じさせずに、凛の手を取り、少し照れくさそうにエスコートする、レオの志穏、そして、
「今回の旅行のエスコートをさせてもらう、クラブ・アリエスの翔、よろかったら名前、教えてもらえるかな?」
(この人たちが凛さんの言っていた「良き出会い」の人たち?)と、少し疑問を持ちつつ、(まだ着いたばかりだし、まだ様子を見ていたほうがよさそうね)と、とりあえず翔に挨拶を交わす、泉子
「私は、東方の文子官、泉子と申します、失礼ですが、翔さんたちは、どういった方たちなのですか?それとクラブって?」
「クラブって言ったら分かるでしょ?ホストクラブだよ?」
「えっ、ポスト?」
当然、黒流国にホストクラブがあるわけも無く、黒流国から一切出たことの無い泉子、ホストクラブと聞いて、いきなり「ポスト」と言ってしまうあたり、白麟ほどでは無いにしろ泉子も素は天然である(そこ、余計な説明要らないから)
「東方には、ホストクラブは無いの?」
「はい、人材が少なくて娯楽を作ったり、管理できる機関が無いんです」
「あれ?東方の文官長、劉鳳院様が、うちの白麟の所によく遊びにきてるから、てっきり、あると思っていたけど違ったか、まぁホストクラブなんて、ここ西方だけか」
(何ですと?まぁ~、紫翠様と白麟さんは姉妹みたいなものですからまあいいですけど、紫翠様って結構、遊んでたりするんだ~・・・情報収集は欠かしてなさそう、あれ?翔さん今白麟様のこと呼び捨てにしていなかった?)
「翔さん?白麟様・・・」
「さぁ、参りましょう、本日はどこへでもエスコートさせていただきます」
泉子の質問を「聞くな」と言わんばかりに、皆をリムジンへと誘う翔、その手際のよさと、立ち居振る舞いに、流されるようにリムジン内へと入っていく泉子達(さっきのは聞いちゃいけなかったかな?でも、やっぱり武官長でもある白麟さんを呼び捨てにするのはどうかと思うんだけどな?西方はよく分からない)
「子緑さん、案内コースとかってありますか?」
ご用意してありますよと、にっこり微笑む子緑、
「ええ、お荷物はホテルへ、運んでおきますので、まずはお食事に行きましょう」
朝もそれほど早く出てきたわけではない為、すでにお昼、食事をするには、いい時間である
「分かりました」
「では警備主任の方、泉子様、凛様のお荷物よろしくお願いいたします」
「はい、お任せください、また何かあったときは、いつでもお申し付けください、東方よりの方々、西方を楽しんでいらしてくださいませ」
「「はい」」
「では、いってらっしゃいませ」
警備主任に見送られ目的のレストランへと向かう、事となったが・・・
「その前に、泉子様、凛様、その格好のまま観光を?」
そう、二人は西方に着いたばかり、文装のままである。
等の子緑は文装をすでに外しており、ライトグリーンのドレスにラメ入りホワイトのスカーフといういでたちに、ブルーのポーチを持って座っている。
「それもそうですね。」
と、泉子、凛も文装を解く、凛は白いシャツに赤紫のベスト、ピンクのネクタイに薄紅のタイトスカートにポーチ、そして泉子は、漆黒のドレスにライトブルーのラメ入りスカーフにポーチといったいでたち、三人を見、その美しさに満足げな欧魅、少し照れくさそうにそっぽ向いている志穏、そして歓喜の声を上げる翔。
「いい目の保養ですね~。」
泉子達のドレスアップも終わり旅行を始める一行である。
車にのり揺られながらあたりを見渡す泉子。
(でも、道は整備されているけど、西方は森林が多くよく獣道を皆利用していると聞いていたけど・・・その様子がまったく無いな、車も沢山走ってるし、人も多いし、私勘違いしてた?)
そんな疑問を持っている泉子に気付いた翔は、西方の簡単な説明を始める
「俺たち西方の者は、森林の獣道を使ってるって聞いてた?」
「えっ、ええ、そう聞いていたのですが、街も道もきちんと整備されてるし、周りを見渡しても森林は見えないし、私たち東方の者が勘違いしていたのかなと」
「いやいや、その通り、俺たちは主に、森林内の獣道を使って移動してるんだ、ただこういった街の発展した都会だと、三方からの高貴な方々をお迎えしないといけないし、だから車を用意したのさ、それに車の走っているところなんて、この転移管理センターのある都会と、西王様たちのいる宮殿がある都と、こことは別の都会2箇所の街の中だけ、あとはお客様の要望によっては街の外に出るときもあるけど、要望等無い限り車で街の外を走るなんて事は無いな、それに街の外は、盗賊とかのはぐれ者や魔物も出るときもあるからね、そう滅多には街の外は出ないよ」
「魔物ですか?」
「ああ、でも俺たち西の者は獣道を魔物達より熟知してるから、そうそう、魔物にやられると言う事は無い、むしろ俺たちより獣道を熟知している盗賊たちの方に、襲われる確立の方が高いぐらいだよ」
「盗賊たちの討伐などはされているのですか?」
「ああ、大丈夫だよ、どっかの馬鹿が暇つぶしに外の盗賊や魔物を討伐してるから、ただ定期的にして欲しいけど、その馬鹿は気が向かないとやらないもんだから、俺も逃げ足には自信あるけど、多いときは隣町に行く間に盗賊8回、魔物4回も、襲われて、あれはさすがにやばいと思ったね」
「武官長の白麟様は討伐対などを編成しないんですか?」
「あの人にそんな頭なんて無いっしょ、だから暇つぶしに討伐しに行くんだよ」
(あれ?翔さんの言っている「馬鹿」って白麟さんのこと?じゃぁ、白麟さんもホストクラブで遊んだりしてるのかな?あっ、さっき紫翠様と一緒に来てるって言ってたな、じゃぁそこで仲良くなって・・・にしても言いすぎよね、触れちゃいけないみたいだし、とりあえず聞かないでおこっと)
などと考えていると、今度は翔から質問が来る
「泉子様?その紋様、副文官長、直下、しかもアリエスのマークが入っているとは奇遇だね?」
「そうですね、私は、副文官長・詠香様とは、候補生当時、先輩、後輩のなかでしたから、詠香様に文武の指導を受けていました、こんなことを言うと何ですが、詠香先輩のしごきは、半端ではなかったので、他の文子官や文官の方たちよりは優秀・・・って、聞いてます?」
「ああ、ごめん、ちょっと聞いていい、その詠香様は、「仙流 詠香様」のこと?」
「はい、よくご存知ですね?西方守護官・羅風 エリス様とは血の繋がりは無いのですが、姉妹同然に育ったと、伺っています」
「そっ、そうなんだ、あはははは」
(何だろう?この隠そうとしているんだろうけど、まったく隠し切れていないこの動揺は?さっきの白麟さんのこともあるし、ここは、あえて聞かないで、置いておこう)
泉子、翔ペアが一番奥に座り、泉子の右手側に凛、志穏ペア、左手側に子緑、欧魅ペアと座っている、ある程度話をしていると、
「では、お姫様方、そろそろお食事を楽しむレストランが見えてまいりました、前方のビル、最上階を御覧ください」
と前方に見えるこの一帯で一番高いであろうビルを指差しているスコーピオの欧魅、そしてビルの、最上階を見る面々、すると最上階の窓と言うより、泉子達側の壁ごと開いたのである、その光景に唖然とする、泉子と凛さらには、車を引いている馬の背からバサっと翼が生え飛び立とうとしている
「いや、無理だからいくら、実は馬がペガサスだったからって7m 近くあるこれを抱えては無理だから、あまつさえこの辺の飲み物全部ひっくり返ってこの辺大変なことになるから、無理むりムリMURI、飲み物ひっくり返って一番えらい目を見るの、私なのよ~」
「だーい、じょーぶ」
そう言って、自分にしがみつく泉子に言う翔、(何が大丈夫だ、こん畜生、どうあがいても私えらい目みるじゃん)と恐怖のあまり声を出せず、心の中で突っ込みを入れる泉子、すると車を泡のような物包み揺れがなくなる、さらに、今度は自分の足元の下の方から音がしている
(って、ジェット噴射かい)さすがは、泉子、どんな状況でも突っ込みを入れる(そんなとこ、褒めなくていいから)・・・それはさておき、ペガサスの飛ぶスピードに合わせジェット噴射で空を飛ぶ、泉子達一行を乗せたリムジンはそのまま、その高層ビルの最上階へと入っていく(突っ込まれたからって、ふて腐れて、ごく普通のナレーションするな、何時も余計な一言つけてるだろうが)ふーんだ(いじけるなナレーション)
「どうした?震えてるぞ」
「ええ、さすがに驚きと恐怖のあまり、あははは」
「立てる?」
「ええ」
泉子をエスコートする翔、驚きと恐怖のあまり、腰を抜かしやっとの思いで立って入るものの、足の振るえを隠しながら(そういう報復に出るか、足は震えてたけど、腰までは抜かしてないぞ)、レストランの用意された席に着く、泉子と凛は普段これほどの超高級レストランなど訪れたことも無い為、軽く挙動不審、だが子緑の説明、クラブトップ3のエスコートで、緊張もとけ寛ぐ泉子と凛(無視か~)
「どうした?泉子様」
「いえ、大丈夫です、しかし、先ほどのは、驚きました、先に言ってくださいよ」
「あはは、驚いてもらわないと、せっかくの演出が台無しだしね」
「あれ?でもペガサスって翼を出したり、引っ込めたりできたっけ?」
「あれは、私たちの術式ですよ、かわいいお嬢様」
「主に、欧魅の術だがな」
「では、ジェット噴射も欧魅さんの術ですか?」
「いいえ、麗しき姫君、私は主に幻術、補助系をもっとも得意としていまして、火炎系の術は主に志穏さんの得意とする術ですよ」
「すごいですね」
と幻術、補助系を得意とする欧魅さん、火炎系を得意とする志穏さんに関心しながら翔に目を送る泉子と凛その視線に気付いた翔は、自分の得意とする術を説明しようとするが・・・
「こいつは、オールマイティに術をこなすよ」
「ええ、この人と、その双子の兄、眞(シン)は人の苦労を軽々飛び越える二人で、武術、柔術、呪術と私たちホストクラブの中では、まず勝てる者はいないでしょう」
「えっ、と言うことは私たちの護衛役も担っているのですか?」
ご名答、何かのためにと詠香が旅行中のエスコートと護衛両方出来る者はいないかと、紫翠に相談したところ紫翠から連絡を受けたトップ3が、今回泉子たちのエスコートと護衛役に抜擢されたのである
「ええ、まぁ、あの人に下手に逆らえないしね、俺たち」
「あの人?」
「ああ、ごめん、ごめん聞かなかったことにしといて、お願い」
この三人の言う「あの人」と言うのは、誰のことかわからないがとりあえず自分には関係ないことと聞くのをやめ、旅行を満喫しようと、頭を切り替える泉子、そしてあることを思い出し凛の様子を伺う
「凛様が、どうかしたの?」
「あっいいえ、凛さん、志穏さんと仲良く話してるな~と、思って」
「そうだね、志穏と結婚したら、玉の輿確定だけど、やめといたほうがいいんじゃないかな」
「えっ?まあ顔は怖そうだけど、悪い人には見えないですよ?」
「うん、まーね、志穏さん家は、この辺一帯と言うか西方全域の悪い人たちをまとめる総元締めだからね、志穏さん、とこにいる連中はいい人ばかりだけど、簡単に言うとヤクザの本締め、志穏さんと結婚したら例外なくヤクザの姉さんとして慕われる、ただし一度抗争が始まったら、自分のみは自分で守んないとね・・・悪いけど凛様は、入ったところで真っ先に潰されるだろうね、あそこの女たちほんと、容赦ねーもん」
(えっ、いきなり?また高貴と言えば、高貴だけど、今度はヤクザ?ロリコン、マザコンと来て今度はヤクザ?悪いとは言わないけど、この3連コンボはかなり痛いと思うな、ヤクザさんとは・・・抗争何かに巻き込まれたくないな、凛さんはそういった星の下に生まれちゃったのかな?)
「じゃぁ、今回の目的って、凛様の男探し?」
「まぁ、そんな所ですね」
「だったら、この3人は外さないとね、玉の輿の為にヤクザの総元締めの姉御となるか、家元に嫁いで朝から晩までお稽古三昧か、俺らのホストたち全員を束ねるサポーターになってもらわないとだからね」
「大変そうですね、家元って欧魅さんのところですか?」
「そうそう、欧魅さんとこは、茶道、華道から始まり柔術や心霊関係まで幅広くやってるからね、ほんと、お稽古三昧だと思うよ」
「翔さん?家の事情をさらっと、しゃべってしまうの、やめてもらえます?これでも裏家業なのですから」
「・・・わりぃ、わりぃ」
「何ですか?その今の今まで忘れていましたと言わんばかりの間は?」
「気にすんなって」
「まったく」
「欧魅の術は、あんなもんじゃないからな」
そんな話の「心霊」と言う言葉に反応する凛、(誰も気付いていないよな)と思っていても、大事なお客様の微妙な反応を見逃すようなホストではない、特にトップ3と呼ばれているこの3人が見落とすことなど有り得ない、翔と泉子が話をしているさなか、その話に入っていた欧魅、志穏のアイコンタクト、話を中断させず、志穏が自然に、やさしく声をかける
「どうした?少し震えているが?心霊関係は怖かったか、お嬢さん?」
そんな、志穏のやさしさに、別の意味で目を輝かせて欧魅に問う凛
「あの、欧魅さんは心霊関係の仕事をしているのでしたら、その?占術関係にも詳しいですか?」
「ええ、占術も私の仕事の一環ですからね」
「あっ、凛さんの占いマニアスイッチが・・・」
「どんな占いですか?易占ですか?風水?占星術?得意分野は、何ですか?苦手な占術は?欧魅さんにとって、占いって何ですか?心霊って何ですか?心霊呪術も出来るんですか?交霊術は?精霊術や召還術は?白、黒どっちが得意?」
目を輝かせながら欧魅を質問攻めに迫る凛、いつもならば自分が女性に迫って行く立場のはずなのにいきなりの質問攻めにあう欧魅、突然のことに少し動揺するも、さすがはトップ3、スコーピオNo.1の欧魅、決して動揺を表に出すことなく凛の質問攻めに対応する
「私は易占から風水、占星術、心霊関係、召還まで全て網羅していますので、得意分野のようなものはありません、ですが宿曜占星術は見れるのですが・・・、あえて言うならば苦手な分類に入りますね、占いとは「道標」霊とは「迷える子羊」と言ったところです、交霊はやった後が大変なので、あまり好んではやりません、精霊術に関していえば、我が家が代々、使役している12の精霊がいます、契約している者たちは召還できますが、まだ全てとまでは、行かないですね、私は白の方が得意ですが、裏家業としては黒を主に生業としています、もっとも私以上の白、黒魔術に秀でているのが、そこで白スーツを着てソファーにふんぞり返っていますけどね、ふぅ。」
一通り凛の質問に答え「私は疲れましたので後お願いします」と言わんばかりに翔を巻き込む欧魅、「そこで何でふるかな、区切って別の話に持って移行と思ってたのに」と画策していた翔の思惑を欧魅の読み通りぶち壊す凛、今まさに「次の生贄は翔、貴方よ」と断言するかのような、目を輝かせ、翔をロックオンする凛だったが・・・
欧魅、志穏
(さあ、どうする業界No.1の翔さん?さぁ、切り返せるなら切替してみせてください、業界No.1の翔さん?)
翔
(てめえら、後で覚えとけ今畜生)
と言う、アイコンタクトを交わすトップ3、そこに
(心霊関係はちょっと簡便して欲しいな、よく分からないし、正直怖いし、でも凛さんが心霊の話でここまで食いついてくるとは思わなかったな、さすが東方随一、占い専門の乙女座を頂いている占いマニア、いやいや占いオタク、あれ?トップ占い師、食いつき方が違う、それに、翔さん何か困っているみたいだし、話を変えて欲しいし、助け舟、出しとくか、適当に言えば、何か拾ってくれるでしょ)
「凛さんは、東方にて十二宮の乙女座を頂いているので、占い得意なんですよ、ねぇ凛さん?」
その時、翔は思ったであろう(すぐ隣に女神がいた)と(マジで助かった)と泉子に軽くウィンクする翔、そして話し出す
「凛様はヴァルゴ、泉子様はアリエス、東方、副文官長の十二星座はあと誰がいるの?」
「十二星座ですか?さっきも言いましたが、うちは万年人材不足で、天秤座と蠍座の二人、計4人だけなんです、私たちの文官長・紫翠様が仕えないと判断した時点で次々と辞めさせていくものですから人が足りず、十二宮と言っているのに三分の一しかいないんですよ」
「まぁ、あの人にかかれば秀才でも役立たずだからね、うちもあの人に睨まれたやつらが次々辞めて実は人材不足だったりするんだよね」
「私もアリエスにいなくて、本当によかったですよ」
「俺なんか、アリエスにいたら間違いなく、斬られてるぞ」
翔、欧魅、志穏
「「「はぁ~、怖い、怖い」」」
(紫翠様、よその国まで来て何首切りやってるんですか、そりゃ下手に逆らえないよ、って言うか紫翠様本当に気に食わなかったんだろうな、でなければよその国でも、首切りなんて出来ないだろうし、まさか気に食わないからってそうなるよう仕向けたとか・・・はぁ~、こんな恐ろしいこと普通にありえると思ってしまう自分がいや)
西方まで来て、紫翠の恐怖を再確認し、普通ありえないことをあっさりとありえると認めることの出来る自分に軽く落ち込む泉子だった
食事も終えた一行が次に向かった先は、西方で随一のカジノ、ここは西王・白椰の経営しているカジノである
「えっ?でも彼女占いのエキスパートですよ?」
「凛は恋多き乙女と言うか、騙されやすいと言うか、占いで「良き出会い」が出るたびにあっちへいったりこっちへ行ったり、確かに良き出会いではあるのです、高貴な方、セレブ、情報通と多種多様な人種と繋がりが出来るのは、でも凛の求めているのは玉の輿・・・」
「でもそれだけ多種多様な人種と繋がりがあるのにまだ探しているんですか?」
「そうね、その多種多様な人物がただの高貴な方ならいいのだけれど、高貴なロリコン親父とか、皇族のマザコン青年とか、トップクラスのセレブなのにSだったりMだったり、一時期、そのセレブに拉致された時もありましたし、高貴な方のストーカー行為にも悩まされましたね、でも、一番まともだったのは情報通のコスプレマニアくらいかしら、会った時に彼の用意した物さえ着ていれば後は何も無かったから・・・」
「繋がりが持ててもそれは、ちょっと・・・」
「凛は確かに占いのエキスパートよ、自分の色恋事以外はね」
「「・・・・・・」」
「じゃぁ、行って来ます」
こうして、自分の色恋事以外は占いエキスパートの凛を引きつれ西方へ遊びに行くことになった泉子、久々の休暇に心を躍らせながらも、何か一騒動、起こりそうな一抹の不安を抱えながら、凛と共に休暇をとり西方へ向かうのだった
「とうちゃーく」
「着きましたね、詠香先輩が案内役を頼んでおいたと言われていましたが・・・」
「うーん、誰だろう、見知った人は見当たらないね?」
西方へ、到着した泉子と凛、詠香が頼んだという案内役を探すも見知った者は見当たらず、少し転移管理センター内を歩き回ってみることにした、しばらくすると
「あの?東方よりいらっしゃいました、泉子さんと凛さんでしょうか?」
泉子も凛も見知らぬ者だったが、来ている文装を見て、詠香の頼んでいたという案内役と分かる
「西方を案内してくださるのは貴方ですか?」
「はい、東方、副文官長・仙流様より承りました、私、西方、武官長・白麟様の身の回りのお世話をさせていただいている狩真 子緑(かりま しろく)と申します。」
「私は東方、副文官長・詠香様にお仕えしています、朱野 泉子と申します」
「同じく、東真 凛と申します、子緑さん、案内の方よろしくお願いいたします」
「はい、ところでお二方は、十二星座の方ですか?」
何やら、二人の腕章を見ながらどこか寂しそうな顔をしている子緑
「ええ、見ての通り、私は乙女座を、泉子は牡羊座を頂いています」
「・・・どうかなさったのですか?」
子緑の表情に心配そうに話しかける泉子、よく見てみると、子緑の文装には紋章が入っておらず、あまつさえAからZまでの班振りもされていない、文武装を着用するものには必ず紋章、もしくは班振りがされているのに、子緑には紋章どころか、班振りすらされていない、まずありえない事
そのことに触れていいのやら、悪いのやら迷う泉子に気付いているのか、いないのか直球で質問する凛
「子緑様?あなたの文装、紋章どころか班振りすらされてないんだけど?どういうこと?」
(紋章も班振りもされていないということは、どこかの貴族の下働きやメイド、もしくは候補生、それに詠香先輩が連絡付けるとしたら、西王・白椰様か武官長・白麟様、白麟様なら私たちが、わかりやすいように文装を着せたってことはありうるけど・・・)
「はい、私は本来、文装など着用できる立場ではありません、私は白麟様の身の回りのお世話をいたしていますメイドに過ぎないのですが、仙流様よりご連絡を頂きました、白麟様が白椰様にご相談されまして、「たまには羽を伸ばして来い」と、それから泉子様方が分かりやすいように「これ着ていきなさい」と白椰様に言われ、目印代わりに着ているしだいです」
(あれ?そう言ったノリは白麟様じゃ無いの?白椰様もそう言うノリの人なの?・・・え~)
そう、泉子の予想を裏切り、子緑に文装を着せたのはなんと西王・白椰だった、本来、文武装はその資格を有する者にのみ許された服、もし資格を有していない者が着ていれば罪に問われても文句は言えないのだが・・・
「では参りましょう」
「ちょ、ちょっと待ちなさい」
「はい?」
「子緑様、分かってるの?資格を有していない貴方が文装着ていたら罪に問われても文句言えないのよ?ここの警備に見つかったら即効で牢屋行きよ?下手したら亜空間追放よ?分かってる?」
「ああ、そのことでしたら・・・」
「ああ、子緑様」
凛が子緑を注意している最中に、心配していた転移管理センターの警備員が現れた、これじゃ~子緑が亜空間に追放になってしまうと泉子、凛の心配をよそに、子緑と警備員による通常ありえない会話が始まる。
「東方よりのお客様と合流されましたか、無事合流されましてよかったですな」
「ええ、一緒に探していただきまして有難うございました」
(ちょっと待った、そこの警備員、子緑様は紋無しの文装を着てるのよ、そこはスルーかい)通常なら警備員が子緑を押さえそのまま転移装置にて亜空間追放されるはず、しかし・・・どういうわけか紋無し文装を着ている子緑に警備員が丁寧口調しかも、ふかぶかとお辞儀をしている。
「いえいえ、子緑様のお役に立てて光栄です」
「あはははは、で、お願いしていました車の方は手配できましたか?」
「はい、向こうに待たせてございます、子緑様、東方よりのお客様、どうぞこちらへ」
「はい、泉子様、凛様、参りましょう」
「「は、はい・・・」」
一メイドでしかないはずの子緑に転移管理センターの警備主任が、頭を下げていることに不思議に思う泉子と凛、通常ありえない光景なのだがどういうことなのか・・・不思議がる二人に気付いたのか警備主任が二人に説明する
「東方よりの方、あまり見られない、光景かと思いますが、こちらでは当たり前の光景です」
「ええ、そうなんですか?」
「はい、ここ西方では、西王様、武官長様、文官長様、このお三方にお仕えするメイドと執事には、副文武官長補佐直下(十二宮の紋を与えらる者)と同等の地位を与えられます、ですから文武官に志願し登録を漏れてしまった者達でもお三方のお目に留まりメイドや執事に着くことが出来れば、鼻高々ですよ、その代わりその地位に見合わないとお三方に判断されたら一生日の目を見ることは無いでしょうけどね・・・かく言う私も文官長様の執事をと志願したのですが駄目でしたね、その代わり文官長様より、ここ管理センターの警備の職を与えていただいたのですから、今ではこの職にやりがいと、誇りを持っていますよ」
「すごいですね?東方でも、やはり東王様や武官長様、文官長様のメイドとなればそれなりの待遇はありますが副文武官長補佐直下と同等の地位と言うのは、さすがにないですね」
「ええ、そうでしょう、ただ武官長様の子緑様に対する溺愛ぶりに、西王様がこの地位付けをされたともっぱらの噂です、ねぇ、子緑様?」
噂好きなのか、この警備主任は、「噂の真相はどうなのですか?」と言わんばかりに子緑に話を振るが、顔を真っ赤にし、恥ずかしそうにモジモジする子緑、(うわ~、耳まで真っ赤にしてかわいい~)泉子のいたずら心に火がついたのか、警備主任と共に子緑を煽る
「本当のところはどうなんですか?子緑様?」
さらに顔を真っ赤にする子緑
「そ、そそそそそそそそ、そんなことは、けけけけけけけけけ、決して無いででででででででですよ~、もう、からかわないでください、泉子様」
「あはははは、だって、耳まで真っ赤にして、子緑様が可愛くてツイ、くくくく、御免なさい」
「東方の方、子緑様の立場は、あくまで西方の中だけの話ですから貴方がたから見たら、子緑様はただのメイドです、「様」を付ける必要はありませんよ」
「そうですよ、私は副武官長補佐直下と言っても、西方内だけで、西方を出たら、ただのメイドです、だから「様」を付けるのは、やめていただけますか?」
「うん、分かりました、じゃぁ、「子緑さん」でいい?」
「はい」
和やかな、話をしていると、どこぞの、皇族をお迎えするかのような豪華リムジン(運転手、カクテルやおつまみ付き)、まるで自分を何処かの貴族、皇族のセレブな姫君と勘違いしそうなほどの豪華さに見とれていると、不意に声をかけられびっくりする、泉子と凛
「「「どうぞ、本日の姫君方」」」
不意に声をかけられたものの「姫君」と言う言葉に(あっ、私じゃないな)と我に帰る泉子、声の方を見てみると三人のイケメンが泉子たちにお辞儀をしている
「本日エスコートを任されましたクラブ・アリエスの翔(ショウ)と申します」
「同じくエスコートを任されましたクラブ・レオの志穏(シオン)」
「同じく、お美しい、姫君方の光栄にもエスコートを仰せつかりました、クラブ・スコーピオの欧魅(オウミ)と申します、お美しい姫君たちよ、本日は我々、ホストクラブ界トップ3が、姫君たちの一時を華麗に演出させていただきます」
ホストの中でもNO.1なのだろうと思われる、白スーツに身を包み、屈託のない、ひょうきんそうなクラブ・アリエスの翔、見るからに我体はいいが、目つきの少しキツイ、怖い感じのする、クラブ・レオの志穏、優雅な立ち居振る舞い、その甘いマスクと言葉で何人の女性を骨抜きにしたか分からないと言った感じの、クラブ・スコーピオの欧魅、(ただの観光に豪華リムジンにエスコート付きってここまでしなくてもいいのに、がんばったな~、この人)と、つっこみを入れる泉子
「今回はただの観光なのに、ここまでしなくても」
「いえいえ、子緑様と子緑様がお迎えするほどの方々をご案内するのですから、最低でもこれぐらいは当然ですよ」
「子緑様?我々では子緑様のエスコートとして、役不足でしょうか?」
「いっいいいいいいいいえ、おおお欧魅さんたちならもう、こここここちらから、おおおおおお願いしたいくらいでよっよよよろしくお願いします」
子緑の困ったような表情に、やさしく声をかける欧魅、そして何時打合せしたとも感じさせずに、凛の手を取り、少し照れくさそうにエスコートする、レオの志穏、そして、
「今回の旅行のエスコートをさせてもらう、クラブ・アリエスの翔、よろかったら名前、教えてもらえるかな?」
(この人たちが凛さんの言っていた「良き出会い」の人たち?)と、少し疑問を持ちつつ、(まだ着いたばかりだし、まだ様子を見ていたほうがよさそうね)と、とりあえず翔に挨拶を交わす、泉子
「私は、東方の文子官、泉子と申します、失礼ですが、翔さんたちは、どういった方たちなのですか?それとクラブって?」
「クラブって言ったら分かるでしょ?ホストクラブだよ?」
「えっ、ポスト?」
当然、黒流国にホストクラブがあるわけも無く、黒流国から一切出たことの無い泉子、ホストクラブと聞いて、いきなり「ポスト」と言ってしまうあたり、白麟ほどでは無いにしろ泉子も素は天然である(そこ、余計な説明要らないから)
「東方には、ホストクラブは無いの?」
「はい、人材が少なくて娯楽を作ったり、管理できる機関が無いんです」
「あれ?東方の文官長、劉鳳院様が、うちの白麟の所によく遊びにきてるから、てっきり、あると思っていたけど違ったか、まぁホストクラブなんて、ここ西方だけか」
(何ですと?まぁ~、紫翠様と白麟さんは姉妹みたいなものですからまあいいですけど、紫翠様って結構、遊んでたりするんだ~・・・情報収集は欠かしてなさそう、あれ?翔さん今白麟様のこと呼び捨てにしていなかった?)
「翔さん?白麟様・・・」
「さぁ、参りましょう、本日はどこへでもエスコートさせていただきます」
泉子の質問を「聞くな」と言わんばかりに、皆をリムジンへと誘う翔、その手際のよさと、立ち居振る舞いに、流されるようにリムジン内へと入っていく泉子達(さっきのは聞いちゃいけなかったかな?でも、やっぱり武官長でもある白麟さんを呼び捨てにするのはどうかと思うんだけどな?西方はよく分からない)
「子緑さん、案内コースとかってありますか?」
ご用意してありますよと、にっこり微笑む子緑、
「ええ、お荷物はホテルへ、運んでおきますので、まずはお食事に行きましょう」
朝もそれほど早く出てきたわけではない為、すでにお昼、食事をするには、いい時間である
「分かりました」
「では警備主任の方、泉子様、凛様のお荷物よろしくお願いいたします」
「はい、お任せください、また何かあったときは、いつでもお申し付けください、東方よりの方々、西方を楽しんでいらしてくださいませ」
「「はい」」
「では、いってらっしゃいませ」
警備主任に見送られ目的のレストランへと向かう、事となったが・・・
「その前に、泉子様、凛様、その格好のまま観光を?」
そう、二人は西方に着いたばかり、文装のままである。
等の子緑は文装をすでに外しており、ライトグリーンのドレスにラメ入りホワイトのスカーフといういでたちに、ブルーのポーチを持って座っている。
「それもそうですね。」
と、泉子、凛も文装を解く、凛は白いシャツに赤紫のベスト、ピンクのネクタイに薄紅のタイトスカートにポーチ、そして泉子は、漆黒のドレスにライトブルーのラメ入りスカーフにポーチといったいでたち、三人を見、その美しさに満足げな欧魅、少し照れくさそうにそっぽ向いている志穏、そして歓喜の声を上げる翔。
「いい目の保養ですね~。」
泉子達のドレスアップも終わり旅行を始める一行である。
車にのり揺られながらあたりを見渡す泉子。
(でも、道は整備されているけど、西方は森林が多くよく獣道を皆利用していると聞いていたけど・・・その様子がまったく無いな、車も沢山走ってるし、人も多いし、私勘違いしてた?)
そんな疑問を持っている泉子に気付いた翔は、西方の簡単な説明を始める
「俺たち西方の者は、森林の獣道を使ってるって聞いてた?」
「えっ、ええ、そう聞いていたのですが、街も道もきちんと整備されてるし、周りを見渡しても森林は見えないし、私たち東方の者が勘違いしていたのかなと」
「いやいや、その通り、俺たちは主に、森林内の獣道を使って移動してるんだ、ただこういった街の発展した都会だと、三方からの高貴な方々をお迎えしないといけないし、だから車を用意したのさ、それに車の走っているところなんて、この転移管理センターのある都会と、西王様たちのいる宮殿がある都と、こことは別の都会2箇所の街の中だけ、あとはお客様の要望によっては街の外に出るときもあるけど、要望等無い限り車で街の外を走るなんて事は無いな、それに街の外は、盗賊とかのはぐれ者や魔物も出るときもあるからね、そう滅多には街の外は出ないよ」
「魔物ですか?」
「ああ、でも俺たち西の者は獣道を魔物達より熟知してるから、そうそう、魔物にやられると言う事は無い、むしろ俺たちより獣道を熟知している盗賊たちの方に、襲われる確立の方が高いぐらいだよ」
「盗賊たちの討伐などはされているのですか?」
「ああ、大丈夫だよ、どっかの馬鹿が暇つぶしに外の盗賊や魔物を討伐してるから、ただ定期的にして欲しいけど、その馬鹿は気が向かないとやらないもんだから、俺も逃げ足には自信あるけど、多いときは隣町に行く間に盗賊8回、魔物4回も、襲われて、あれはさすがにやばいと思ったね」
「武官長の白麟様は討伐対などを編成しないんですか?」
「あの人にそんな頭なんて無いっしょ、だから暇つぶしに討伐しに行くんだよ」
(あれ?翔さんの言っている「馬鹿」って白麟さんのこと?じゃぁ、白麟さんもホストクラブで遊んだりしてるのかな?あっ、さっき紫翠様と一緒に来てるって言ってたな、じゃぁそこで仲良くなって・・・にしても言いすぎよね、触れちゃいけないみたいだし、とりあえず聞かないでおこっと)
などと考えていると、今度は翔から質問が来る
「泉子様?その紋様、副文官長、直下、しかもアリエスのマークが入っているとは奇遇だね?」
「そうですね、私は、副文官長・詠香様とは、候補生当時、先輩、後輩のなかでしたから、詠香様に文武の指導を受けていました、こんなことを言うと何ですが、詠香先輩のしごきは、半端ではなかったので、他の文子官や文官の方たちよりは優秀・・・って、聞いてます?」
「ああ、ごめん、ちょっと聞いていい、その詠香様は、「仙流 詠香様」のこと?」
「はい、よくご存知ですね?西方守護官・羅風 エリス様とは血の繋がりは無いのですが、姉妹同然に育ったと、伺っています」
「そっ、そうなんだ、あはははは」
(何だろう?この隠そうとしているんだろうけど、まったく隠し切れていないこの動揺は?さっきの白麟さんのこともあるし、ここは、あえて聞かないで、置いておこう)
泉子、翔ペアが一番奥に座り、泉子の右手側に凛、志穏ペア、左手側に子緑、欧魅ペアと座っている、ある程度話をしていると、
「では、お姫様方、そろそろお食事を楽しむレストランが見えてまいりました、前方のビル、最上階を御覧ください」
と前方に見えるこの一帯で一番高いであろうビルを指差しているスコーピオの欧魅、そしてビルの、最上階を見る面々、すると最上階の窓と言うより、泉子達側の壁ごと開いたのである、その光景に唖然とする、泉子と凛さらには、車を引いている馬の背からバサっと翼が生え飛び立とうとしている
「いや、無理だからいくら、実は馬がペガサスだったからって7m 近くあるこれを抱えては無理だから、あまつさえこの辺の飲み物全部ひっくり返ってこの辺大変なことになるから、無理むりムリMURI、飲み物ひっくり返って一番えらい目を見るの、私なのよ~」
「だーい、じょーぶ」
そう言って、自分にしがみつく泉子に言う翔、(何が大丈夫だ、こん畜生、どうあがいても私えらい目みるじゃん)と恐怖のあまり声を出せず、心の中で突っ込みを入れる泉子、すると車を泡のような物包み揺れがなくなる、さらに、今度は自分の足元の下の方から音がしている
(って、ジェット噴射かい)さすがは、泉子、どんな状況でも突っ込みを入れる(そんなとこ、褒めなくていいから)・・・それはさておき、ペガサスの飛ぶスピードに合わせジェット噴射で空を飛ぶ、泉子達一行を乗せたリムジンはそのまま、その高層ビルの最上階へと入っていく(突っ込まれたからって、ふて腐れて、ごく普通のナレーションするな、何時も余計な一言つけてるだろうが)ふーんだ(いじけるなナレーション)
「どうした?震えてるぞ」
「ええ、さすがに驚きと恐怖のあまり、あははは」
「立てる?」
「ええ」
泉子をエスコートする翔、驚きと恐怖のあまり、腰を抜かしやっとの思いで立って入るものの、足の振るえを隠しながら(そういう報復に出るか、足は震えてたけど、腰までは抜かしてないぞ)、レストランの用意された席に着く、泉子と凛は普段これほどの超高級レストランなど訪れたことも無い為、軽く挙動不審、だが子緑の説明、クラブトップ3のエスコートで、緊張もとけ寛ぐ泉子と凛(無視か~)
「どうした?泉子様」
「いえ、大丈夫です、しかし、先ほどのは、驚きました、先に言ってくださいよ」
「あはは、驚いてもらわないと、せっかくの演出が台無しだしね」
「あれ?でもペガサスって翼を出したり、引っ込めたりできたっけ?」
「あれは、私たちの術式ですよ、かわいいお嬢様」
「主に、欧魅の術だがな」
「では、ジェット噴射も欧魅さんの術ですか?」
「いいえ、麗しき姫君、私は主に幻術、補助系をもっとも得意としていまして、火炎系の術は主に志穏さんの得意とする術ですよ」
「すごいですね」
と幻術、補助系を得意とする欧魅さん、火炎系を得意とする志穏さんに関心しながら翔に目を送る泉子と凛その視線に気付いた翔は、自分の得意とする術を説明しようとするが・・・
「こいつは、オールマイティに術をこなすよ」
「ええ、この人と、その双子の兄、眞(シン)は人の苦労を軽々飛び越える二人で、武術、柔術、呪術と私たちホストクラブの中では、まず勝てる者はいないでしょう」
「えっ、と言うことは私たちの護衛役も担っているのですか?」
ご名答、何かのためにと詠香が旅行中のエスコートと護衛両方出来る者はいないかと、紫翠に相談したところ紫翠から連絡を受けたトップ3が、今回泉子たちのエスコートと護衛役に抜擢されたのである
「ええ、まぁ、あの人に下手に逆らえないしね、俺たち」
「あの人?」
「ああ、ごめん、ごめん聞かなかったことにしといて、お願い」
この三人の言う「あの人」と言うのは、誰のことかわからないがとりあえず自分には関係ないことと聞くのをやめ、旅行を満喫しようと、頭を切り替える泉子、そしてあることを思い出し凛の様子を伺う
「凛様が、どうかしたの?」
「あっいいえ、凛さん、志穏さんと仲良く話してるな~と、思って」
「そうだね、志穏と結婚したら、玉の輿確定だけど、やめといたほうがいいんじゃないかな」
「えっ?まあ顔は怖そうだけど、悪い人には見えないですよ?」
「うん、まーね、志穏さん家は、この辺一帯と言うか西方全域の悪い人たちをまとめる総元締めだからね、志穏さん、とこにいる連中はいい人ばかりだけど、簡単に言うとヤクザの本締め、志穏さんと結婚したら例外なくヤクザの姉さんとして慕われる、ただし一度抗争が始まったら、自分のみは自分で守んないとね・・・悪いけど凛様は、入ったところで真っ先に潰されるだろうね、あそこの女たちほんと、容赦ねーもん」
(えっ、いきなり?また高貴と言えば、高貴だけど、今度はヤクザ?ロリコン、マザコンと来て今度はヤクザ?悪いとは言わないけど、この3連コンボはかなり痛いと思うな、ヤクザさんとは・・・抗争何かに巻き込まれたくないな、凛さんはそういった星の下に生まれちゃったのかな?)
「じゃぁ、今回の目的って、凛様の男探し?」
「まぁ、そんな所ですね」
「だったら、この3人は外さないとね、玉の輿の為にヤクザの総元締めの姉御となるか、家元に嫁いで朝から晩までお稽古三昧か、俺らのホストたち全員を束ねるサポーターになってもらわないとだからね」
「大変そうですね、家元って欧魅さんのところですか?」
「そうそう、欧魅さんとこは、茶道、華道から始まり柔術や心霊関係まで幅広くやってるからね、ほんと、お稽古三昧だと思うよ」
「翔さん?家の事情をさらっと、しゃべってしまうの、やめてもらえます?これでも裏家業なのですから」
「・・・わりぃ、わりぃ」
「何ですか?その今の今まで忘れていましたと言わんばかりの間は?」
「気にすんなって」
「まったく」
「欧魅の術は、あんなもんじゃないからな」
そんな話の「心霊」と言う言葉に反応する凛、(誰も気付いていないよな)と思っていても、大事なお客様の微妙な反応を見逃すようなホストではない、特にトップ3と呼ばれているこの3人が見落とすことなど有り得ない、翔と泉子が話をしているさなか、その話に入っていた欧魅、志穏のアイコンタクト、話を中断させず、志穏が自然に、やさしく声をかける
「どうした?少し震えているが?心霊関係は怖かったか、お嬢さん?」
そんな、志穏のやさしさに、別の意味で目を輝かせて欧魅に問う凛
「あの、欧魅さんは心霊関係の仕事をしているのでしたら、その?占術関係にも詳しいですか?」
「ええ、占術も私の仕事の一環ですからね」
「あっ、凛さんの占いマニアスイッチが・・・」
「どんな占いですか?易占ですか?風水?占星術?得意分野は、何ですか?苦手な占術は?欧魅さんにとって、占いって何ですか?心霊って何ですか?心霊呪術も出来るんですか?交霊術は?精霊術や召還術は?白、黒どっちが得意?」
目を輝かせながら欧魅を質問攻めに迫る凛、いつもならば自分が女性に迫って行く立場のはずなのにいきなりの質問攻めにあう欧魅、突然のことに少し動揺するも、さすがはトップ3、スコーピオNo.1の欧魅、決して動揺を表に出すことなく凛の質問攻めに対応する
「私は易占から風水、占星術、心霊関係、召還まで全て網羅していますので、得意分野のようなものはありません、ですが宿曜占星術は見れるのですが・・・、あえて言うならば苦手な分類に入りますね、占いとは「道標」霊とは「迷える子羊」と言ったところです、交霊はやった後が大変なので、あまり好んではやりません、精霊術に関していえば、我が家が代々、使役している12の精霊がいます、契約している者たちは召還できますが、まだ全てとまでは、行かないですね、私は白の方が得意ですが、裏家業としては黒を主に生業としています、もっとも私以上の白、黒魔術に秀でているのが、そこで白スーツを着てソファーにふんぞり返っていますけどね、ふぅ。」
一通り凛の質問に答え「私は疲れましたので後お願いします」と言わんばかりに翔を巻き込む欧魅、「そこで何でふるかな、区切って別の話に持って移行と思ってたのに」と画策していた翔の思惑を欧魅の読み通りぶち壊す凛、今まさに「次の生贄は翔、貴方よ」と断言するかのような、目を輝かせ、翔をロックオンする凛だったが・・・
欧魅、志穏
(さあ、どうする業界No.1の翔さん?さぁ、切り返せるなら切替してみせてください、業界No.1の翔さん?)
翔
(てめえら、後で覚えとけ今畜生)
と言う、アイコンタクトを交わすトップ3、そこに
(心霊関係はちょっと簡便して欲しいな、よく分からないし、正直怖いし、でも凛さんが心霊の話でここまで食いついてくるとは思わなかったな、さすが東方随一、占い専門の乙女座を頂いている占いマニア、いやいや占いオタク、あれ?トップ占い師、食いつき方が違う、それに、翔さん何か困っているみたいだし、話を変えて欲しいし、助け舟、出しとくか、適当に言えば、何か拾ってくれるでしょ)
「凛さんは、東方にて十二宮の乙女座を頂いているので、占い得意なんですよ、ねぇ凛さん?」
その時、翔は思ったであろう(すぐ隣に女神がいた)と(マジで助かった)と泉子に軽くウィンクする翔、そして話し出す
「凛様はヴァルゴ、泉子様はアリエス、東方、副文官長の十二星座はあと誰がいるの?」
「十二星座ですか?さっきも言いましたが、うちは万年人材不足で、天秤座と蠍座の二人、計4人だけなんです、私たちの文官長・紫翠様が仕えないと判断した時点で次々と辞めさせていくものですから人が足りず、十二宮と言っているのに三分の一しかいないんですよ」
「まぁ、あの人にかかれば秀才でも役立たずだからね、うちもあの人に睨まれたやつらが次々辞めて実は人材不足だったりするんだよね」
「私もアリエスにいなくて、本当によかったですよ」
「俺なんか、アリエスにいたら間違いなく、斬られてるぞ」
翔、欧魅、志穏
「「「はぁ~、怖い、怖い」」」
(紫翠様、よその国まで来て何首切りやってるんですか、そりゃ下手に逆らえないよ、って言うか紫翠様本当に気に食わなかったんだろうな、でなければよその国でも、首切りなんて出来ないだろうし、まさか気に食わないからってそうなるよう仕向けたとか・・・はぁ~、こんな恐ろしいこと普通にありえると思ってしまう自分がいや)
西方まで来て、紫翠の恐怖を再確認し、普通ありえないことをあっさりとありえると認めることの出来る自分に軽く落ち込む泉子だった
食事も終えた一行が次に向かった先は、西方で随一のカジノ、ここは西王・白椰の経営しているカジノである
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる