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しおりを挟むお兄様とグレン様はその後、3日ほどこの別荘に滞在し、王都へ帰って行きました。
グレン様とは毎日、湖を散歩しました。
最終日には、まるで引退し歳を重ねた老夫婦の日課みたいだね、と言ってお互い笑い合いました。
1人でここへ来て、安らいだ気持ちでいましたが、違っていました。
どこか、まだ肩に力が入っていたんですね。
グレン様がそれを溶かしてくれた事に感謝しております。
お兄様たちが帰って、グレン様との日課のような散歩も無くなり、少々暇をもてあましている私です。
お兄様たちが来る前は毎日いったい何をしていたのか?
このごろは、日当たりの良いテラスで本を読んでおります。
婚約していた時のように、教養が身に付く内容の硬い物ではなく、市井で女の子たちに人気があるという詩集を読んでおります。
侍女のシーマの薦めです。
目にしたことも、手に取ったこともありませんでしたが、それを読んでいるとドキドキしてきて、歳相応の女の子にやっとなれた気がします。
シーマ、ありがとう。
今日も静かにテラスで本を読んでいると、急に玄関ホールが騒がしく、少々大きな声が聞こえてきました。
シーマと執事見習いのスタニック、それに加えて男性の声も聞こえます。
ここではフォンテーナ家の者は私だけ、私がここの女主人ですから、出ないわけにはいけないでしょう。
争いなんて怖いけど…。
ホールに近ずき声をかけます。
「どうしたのです?……!!」
驚きすぎて喉が絞まったように感じます。
そこにはいないはずの方が血相を変えてこの屋敷の入ろうとしているところでした。
シーマとスタニックに肩などを押し戻され、屋敷に入るのを止められているところです。
その方はもう二度と会う事はないと思っていた方。
私の元婚約者のティーシル様でした…。
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