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逆光の兄と三度目の夜明け
第七章 兄の影
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列車は二:〇九を指す非常灯の明滅と共に、最後の湾曲を描いて星雲の裾へ滑り込んだ。銀河の川床は光の粘度を高め、車輪の摩擦を音も無く飲み込む。照人は窓に映る自分の顔を見て、そこに兄の面影が重なっていることに気づく。頬の輪郭、黒目に落ちる虚像のひかり、幼い頃はしばしば「双子みたいだ」と笑われた――いまその遺伝の証明が、運命のほつれ目として浮かび上がっていた。
茅乃は通路側の手すりを握り、青い耳飾りを指先で確かめている。「回数は残りゼロ。でも感覚は戻ってきた。わたしの欠片、君の写真で賄えたらしい」
「兄さんはもう少しだけ遠くにいるみたいだ。影だけが先に走っている」
「だから章題が“兄の影”なんだね」と茅乃は冗談めかし、しかし瞳は真剣だ。「影を掴むには光を強く当てる。核心写真がレンズのフラッシュになるはず」
■ ■ ■
非常灯が一斉に滅び、車内は刹那の闇へ沈む。続いて天井が開き、夜空そのものが天幕のように展開された。星ぼしは投影ではなく実在の座標を帯び、座席一列ごとにパララックスの違いを刻む。
「幻灯レンズの導入……二回目の巻戻しは演出が派手だ」茅乃が呟く。
列車は動きを止めることなく壁を失い、乗客二人を含む先頭車両は露天の展望デッキへ変貌した。足元の鉄板は透過率を上げ、下方のレールが光学的に浮かび上がる。そこに一本の影が走っている。兄だ。腰を低くし、闇を切り裂きながら疾走する残像。
「兄さ――」呼びかけようとすると、声は宇宙空間へ吸い取られた。気圧ではなく時圧が語音を砕く。
茅乃がカメラを取り、照人の眼前へ差し出す。「ミラーアップして。ライブビューではなくダイレクトな光をフィルムへ落とす」
照人は頷き、メカニカルレバーを上げた。シャッターチャージ、バルブモード二秒保持。ファインダーに兄の影が入射する。振り子の壊れたメトロノームが骨董のチューニングフォークのように共鳴し、遠くで「カチ」と一拍。
兄の影が速度を落とし、列車と並走を始めた。肩で息をし、左手首の時計を握り直す仕草が見える。しかし顔は依然として闇へ融け、目鼻の線が銀塩の粒子になりかけている。
「影が実体化しきれていない。照度不足よ!」茅乃が叫び、メトロノームの殻を高々と掲げた。割れ目からあふれる青光がストロボのように瞬く。それが兄の輪郭を際立たせた。
照人は息を止め、レリーズを押した。長秒露光。走る影の軌跡が光跡になり、兄の表情が一瞬だけディテールを獲得する。――泣いていた。
フィルムが巻き取られ、像が焼き付く。液晶は使えない。確認は出来ないが確信の手応えがあった。
「もう一枚、真正面から!」茅乃が指さす。兄は列車の先端へ跳び移り、鉄魚の嘴に立った。重力が兄を引き止めず、代わりに時の磁力が足裏をレールへ貼りつける。
列車は速度を上げ、星雲の出口で急制動。兄は慣性に抗って振り向き、右手を挙げた。カメラを持たない素手。その掌の上に、銀色のネガフィルムが一枚、浮かんでいる。
――父の最後のフィルム。
照人は絶叫し、影踏みの要領でシャッターを切った。掛け値無しの最大絞り、最短露光。フィルムが硬く巻かれ、メカニカルシャッターが悲鳴を上げて閉じた。
兄の影はその瞬間、列車の上から宙へ投げ出され、銀色のフィルムだけが弧を描いて照人の胸元へ飛び込んだ。手袋を通じた獣の体温――確かに兄の手の熱だった。
列車が減速を終え、壁と天井が元に戻る。展望デッキは閉ざされ、再び蛍光灯が灯る。床に散った星屑は映写装置の残滓のように淡く光って消えた。
■ ■ ■
フィルムケースを握る指が震える。茅乃がそっと覆いを被せ、胸のポケットへしまった。「これで素材は揃った。兄君の涙が写っているなら、線路守も帳簿を書き換えざるを得ない」
涙、という単語が耳で反響する。兄は泣いていた――何故。清算の負債か、家族写真の欠落か、それとも未来を託す安堵の涙か。答えはまだ像の中。
九条の外套が突如通路の影で揺れた。彼は現れるなり「残り一停車。戻るぞ」と告げ、三歩で消えた。もはや彼自身も時計の部品のように時刻と同化しつつある。
列車は終着へ向け、忌々しき減速を開始する。車内放送は無い。ただ二:一二を示す見えないチャイムが脈打ち、カウントダウンを指折り数える。
照人は最後のロールをカメラへ装填しながら言った。「兄さんの影は、もう実体と交差している。次に写るのは本物の兄だ」
茅乃は青光の粒を光らせ、「フィナーレを撮る準備を」と小さく笑った。
車窓の外で、日永町の夜景がゆっくりと組み上がる。廃線予定の幽光線ホーム、九条時計店の歯車看板、そして帳簿を抱えた線路守が改札で待つ影。
兄の影は先に到着し、時計塔の下で立ち竦んでいる。その背中に本物の兄が重なり合い、やがて分離する――まさにトランジションの瞬間。光が一閃し、影が質量を得る音が聞こえた。
「今だ!」
照人はファインダーを通さず、直感でシャッターを押した。閃光は無い。代わりに列車全体がカメラとなり、レールが被写体を包む蛇腹となって兄を写した。
■ ■ ■
停車。扉が開く。日永町――最初の夜と似て、だが確かに違う。兄がホームへ立ち、割れていないG―SHOCKが秒針を刻む。線路守が帳簿を閉じ、名札へ初めて名前が浮かんだ。真白な「空」の一字。
九条が兄の腕を取り、時計のネジを巻く。音叉のような鈍音。二:一三へ進む針。
茅乃は照人の肩へ寄り添い、囁く。「影はもう、ただの過去だね」
「これからは写真になる。未来を閉じ込める宝箱だ」照人はカメラを高く掲げ、兄と茅乃と九条と、そして影を脱ぎ捨てた線路守までもフレームへ入れた。
最後のシャッターが、夜空の虹を横切り、幽光線の物語に終止符を打った――しかしそれは新しい現像液へ浸けられたフィルムの第一声でしかなかった。
■ ■ ■
時計店までの坂道を兄と並んで歩く。石畳は湿っておらず、ガス灯は琥珀よりも柔らかな夕映えを纏う。時刻は二十六時――旧来の暦には存在しないが、担保を清算した列車だけが辿り着ける余白の一時間。
「照人、あの時の虹を覚えてるか?」兄が問い掛ける。
「今日写したよ。月と星と一緒に」
兄は満足げに頷き、割れていないG―SHOCKを見て小さく笑う。秒針は進み続ける。
九条時計店の扉は開いていた。九条は作業台で銀粉を払っており、線路守の影――いまは名前を得た“空”が帳簿を静かに閉じる音が店内に響く。
「清算完了。未来は繰り越し。残高は写真枚数と等価」と空は呟き、名札を外して九条へ手渡した。
九条はそれを懐中時計の裏蓋へ収め、「必要があれば、また開ければいい。だが今日の分は締め切った」と宣言した。
茅乃はカウンターにフィルムを並べ、破損の無いことを示す。青光の粒がひとつひとつ像へ沈み、ネガの端で小さく瞬いた。
「これが君の回数の代わり」九条が告げる。「記録係は写真を失うたびに時間を得る。だから忘れるな。今後は自分のフレームも撮り続けるんだ」
茅乃は頷き、照人へスマホを差し出す。「三日分の未来、返すタイムスタンプを設定しなきゃ。約束だから」
スマホのカレンダーは「七月四日」に自動でチェックマークを打つ。そこに『家族写真 現像』と入力した。
「帰ろう」と兄が静かに言う。「母さんが待ってる」
時計店を出ると、坂道の上に早朝の靄が揺れている。星は薄れ、代わりに鳥の声が谷を上る。時間が現実へ収束し、二十六時の余白が薄くなる兆候だ。
列車の姿は無い。レールはあるが、もう青白い光を放たず、ただ旧線の鉄匂を運ぶだけ。
照人はカメラのシャッターを一度空押しし、内部の幕が滑らかに駆動するのを確かめた。撮影予定は、新しい一日に組み込まれた。
茅乃が笑って手を振る。「また学校で。写真部に資料を持っていくね」
兄が目配せし、照人の背を押す。「先に行け。俺は九条に礼を言ってくる」
照人は頷き、坂を下った。薄靄の向こうに日永町の朝市のテントが立ち始め、夏近い匂いがそこかしこで湯気を上げる。
風がレールを鳴らす。振り返ると、兄と九条と空が石畳の上で手短に言葉を交わし、やがてそれぞれの道へ散っていった。
幽光線の夜は終わった。けれどフィルムの中で、二十六時の光は褪せずに回り続ける。
――シャッター音が、胸の奥で再生される。次に写すのは、失われない現在だ。
茅乃は通路側の手すりを握り、青い耳飾りを指先で確かめている。「回数は残りゼロ。でも感覚は戻ってきた。わたしの欠片、君の写真で賄えたらしい」
「兄さんはもう少しだけ遠くにいるみたいだ。影だけが先に走っている」
「だから章題が“兄の影”なんだね」と茅乃は冗談めかし、しかし瞳は真剣だ。「影を掴むには光を強く当てる。核心写真がレンズのフラッシュになるはず」
■ ■ ■
非常灯が一斉に滅び、車内は刹那の闇へ沈む。続いて天井が開き、夜空そのものが天幕のように展開された。星ぼしは投影ではなく実在の座標を帯び、座席一列ごとにパララックスの違いを刻む。
「幻灯レンズの導入……二回目の巻戻しは演出が派手だ」茅乃が呟く。
列車は動きを止めることなく壁を失い、乗客二人を含む先頭車両は露天の展望デッキへ変貌した。足元の鉄板は透過率を上げ、下方のレールが光学的に浮かび上がる。そこに一本の影が走っている。兄だ。腰を低くし、闇を切り裂きながら疾走する残像。
「兄さ――」呼びかけようとすると、声は宇宙空間へ吸い取られた。気圧ではなく時圧が語音を砕く。
茅乃がカメラを取り、照人の眼前へ差し出す。「ミラーアップして。ライブビューではなくダイレクトな光をフィルムへ落とす」
照人は頷き、メカニカルレバーを上げた。シャッターチャージ、バルブモード二秒保持。ファインダーに兄の影が入射する。振り子の壊れたメトロノームが骨董のチューニングフォークのように共鳴し、遠くで「カチ」と一拍。
兄の影が速度を落とし、列車と並走を始めた。肩で息をし、左手首の時計を握り直す仕草が見える。しかし顔は依然として闇へ融け、目鼻の線が銀塩の粒子になりかけている。
「影が実体化しきれていない。照度不足よ!」茅乃が叫び、メトロノームの殻を高々と掲げた。割れ目からあふれる青光がストロボのように瞬く。それが兄の輪郭を際立たせた。
照人は息を止め、レリーズを押した。長秒露光。走る影の軌跡が光跡になり、兄の表情が一瞬だけディテールを獲得する。――泣いていた。
フィルムが巻き取られ、像が焼き付く。液晶は使えない。確認は出来ないが確信の手応えがあった。
「もう一枚、真正面から!」茅乃が指さす。兄は列車の先端へ跳び移り、鉄魚の嘴に立った。重力が兄を引き止めず、代わりに時の磁力が足裏をレールへ貼りつける。
列車は速度を上げ、星雲の出口で急制動。兄は慣性に抗って振り向き、右手を挙げた。カメラを持たない素手。その掌の上に、銀色のネガフィルムが一枚、浮かんでいる。
――父の最後のフィルム。
照人は絶叫し、影踏みの要領でシャッターを切った。掛け値無しの最大絞り、最短露光。フィルムが硬く巻かれ、メカニカルシャッターが悲鳴を上げて閉じた。
兄の影はその瞬間、列車の上から宙へ投げ出され、銀色のフィルムだけが弧を描いて照人の胸元へ飛び込んだ。手袋を通じた獣の体温――確かに兄の手の熱だった。
列車が減速を終え、壁と天井が元に戻る。展望デッキは閉ざされ、再び蛍光灯が灯る。床に散った星屑は映写装置の残滓のように淡く光って消えた。
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フィルムケースを握る指が震える。茅乃がそっと覆いを被せ、胸のポケットへしまった。「これで素材は揃った。兄君の涙が写っているなら、線路守も帳簿を書き換えざるを得ない」
涙、という単語が耳で反響する。兄は泣いていた――何故。清算の負債か、家族写真の欠落か、それとも未来を託す安堵の涙か。答えはまだ像の中。
九条の外套が突如通路の影で揺れた。彼は現れるなり「残り一停車。戻るぞ」と告げ、三歩で消えた。もはや彼自身も時計の部品のように時刻と同化しつつある。
列車は終着へ向け、忌々しき減速を開始する。車内放送は無い。ただ二:一二を示す見えないチャイムが脈打ち、カウントダウンを指折り数える。
照人は最後のロールをカメラへ装填しながら言った。「兄さんの影は、もう実体と交差している。次に写るのは本物の兄だ」
茅乃は青光の粒を光らせ、「フィナーレを撮る準備を」と小さく笑った。
車窓の外で、日永町の夜景がゆっくりと組み上がる。廃線予定の幽光線ホーム、九条時計店の歯車看板、そして帳簿を抱えた線路守が改札で待つ影。
兄の影は先に到着し、時計塔の下で立ち竦んでいる。その背中に本物の兄が重なり合い、やがて分離する――まさにトランジションの瞬間。光が一閃し、影が質量を得る音が聞こえた。
「今だ!」
照人はファインダーを通さず、直感でシャッターを押した。閃光は無い。代わりに列車全体がカメラとなり、レールが被写体を包む蛇腹となって兄を写した。
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停車。扉が開く。日永町――最初の夜と似て、だが確かに違う。兄がホームへ立ち、割れていないG―SHOCKが秒針を刻む。線路守が帳簿を閉じ、名札へ初めて名前が浮かんだ。真白な「空」の一字。
九条が兄の腕を取り、時計のネジを巻く。音叉のような鈍音。二:一三へ進む針。
茅乃は照人の肩へ寄り添い、囁く。「影はもう、ただの過去だね」
「これからは写真になる。未来を閉じ込める宝箱だ」照人はカメラを高く掲げ、兄と茅乃と九条と、そして影を脱ぎ捨てた線路守までもフレームへ入れた。
最後のシャッターが、夜空の虹を横切り、幽光線の物語に終止符を打った――しかしそれは新しい現像液へ浸けられたフィルムの第一声でしかなかった。
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時計店までの坂道を兄と並んで歩く。石畳は湿っておらず、ガス灯は琥珀よりも柔らかな夕映えを纏う。時刻は二十六時――旧来の暦には存在しないが、担保を清算した列車だけが辿り着ける余白の一時間。
「照人、あの時の虹を覚えてるか?」兄が問い掛ける。
「今日写したよ。月と星と一緒に」
兄は満足げに頷き、割れていないG―SHOCKを見て小さく笑う。秒針は進み続ける。
九条時計店の扉は開いていた。九条は作業台で銀粉を払っており、線路守の影――いまは名前を得た“空”が帳簿を静かに閉じる音が店内に響く。
「清算完了。未来は繰り越し。残高は写真枚数と等価」と空は呟き、名札を外して九条へ手渡した。
九条はそれを懐中時計の裏蓋へ収め、「必要があれば、また開ければいい。だが今日の分は締め切った」と宣言した。
茅乃はカウンターにフィルムを並べ、破損の無いことを示す。青光の粒がひとつひとつ像へ沈み、ネガの端で小さく瞬いた。
「これが君の回数の代わり」九条が告げる。「記録係は写真を失うたびに時間を得る。だから忘れるな。今後は自分のフレームも撮り続けるんだ」
茅乃は頷き、照人へスマホを差し出す。「三日分の未来、返すタイムスタンプを設定しなきゃ。約束だから」
スマホのカレンダーは「七月四日」に自動でチェックマークを打つ。そこに『家族写真 現像』と入力した。
「帰ろう」と兄が静かに言う。「母さんが待ってる」
時計店を出ると、坂道の上に早朝の靄が揺れている。星は薄れ、代わりに鳥の声が谷を上る。時間が現実へ収束し、二十六時の余白が薄くなる兆候だ。
列車の姿は無い。レールはあるが、もう青白い光を放たず、ただ旧線の鉄匂を運ぶだけ。
照人はカメラのシャッターを一度空押しし、内部の幕が滑らかに駆動するのを確かめた。撮影予定は、新しい一日に組み込まれた。
茅乃が笑って手を振る。「また学校で。写真部に資料を持っていくね」
兄が目配せし、照人の背を押す。「先に行け。俺は九条に礼を言ってくる」
照人は頷き、坂を下った。薄靄の向こうに日永町の朝市のテントが立ち始め、夏近い匂いがそこかしこで湯気を上げる。
風がレールを鳴らす。振り返ると、兄と九条と空が石畳の上で手短に言葉を交わし、やがてそれぞれの道へ散っていった。
幽光線の夜は終わった。けれどフィルムの中で、二十六時の光は褪せずに回り続ける。
――シャッター音が、胸の奥で再生される。次に写すのは、失われない現在だ。
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