24 / 25
第二十四話 俺を呼んだのは女神さまじゃない
しおりを挟む
夕方まで四人で水族館で遊び、その後早川に付き添って蓮水のバイト先へと向かった。
早川の告白に蓮水は絶句していたが、泣きながら謝る女子高生を罵るようなことはしなかった。
「俺、馬鹿みてぇ……。全然相手にされてなかったんだ……。格好悪くて泣ける……」
「ご、ごめんなさい! 全部私が悪いんです! 蓮水さんはもっと怒っていい! 殴っていいです!」
「そんなことしたら、もっと情けなくなるよ……。すぐには許せないけど、君の気持ちもわかるし」
「ごめんなさい! ごめんなさい!」
「もういいよ……。イチさん……でしたっけ? その子、送ってあげて。ちょっと一人になりたい。そんで……俺、ここで待ってるから、飲みに連れてって下さいよ。飲まなきゃやってられねぇ……」
「わかった……。二十分で戻る」
蓮水の肩を叩いて、早川を連れてタクシーを拾う。泣きじゃくる女子高生を連れてタクシーって、ちょっとアレだよな。
早川を自宅まで送り、ちょっと心配なので、必ず今日中に何度か連絡を入れるように言い聞かせて、アドレスを交換した。
「蓮水くんさ、『飲みに連れて行け』って言ってただろう? あれは『気分転換がしたい』ってことだ。そういうやつは案外大丈夫なんだ。だから、あんまり気にし過ぎるなよ」
早川の背中を強めに叩いて、ニカッと笑って見せた。こういう時って、なんて言ってあげれば正解なんだろうな。子供たち相手に大人ぶってはみても、俺もまだまだ未熟者だ。
すぐにトンボ返りで公園まで戻る。早川も心配だが、蓮水くんも一人にはしておけない。あー、俺がもう一人いるといいのに! ふとそう考えて、克哉のことを思い出した。いるじゃんおれ、もう一人!
まあ……。さすがに今回は、克哉に手伝わせる訳にはいかないな。保護者役も楽じゃない。
蓮水くんは公園のひとつきりのベンチに、俯いてポケットに手を入れて座っていた。俺が近寄っても顔を上げない。
「ここんとこ俺、散々なんすよ。バイクは悪戯されて壊れるし、酒を飲めば具合悪くなるし、自転車でコケて怪我するし……。今度は女子高生に騙されるって、どんだけっすかねぇ……」
うん、それほとんどが俺の仕業だ。
「まあまあ! 酔っ払い運転で女子高生二人巻き添えにして死ぬよりマシじゃないか! さ、美味いもん食いに行こうぜ! おじさん、ご馳走しちゃうからさ!」
「それ、イチさんの話っすか? 恋人が死んだって言ってましたよね」
そういえば昨夜、自転車でコケた蓮水くんにそんな話をした。
「昔の話だよ。もう二十年も前だ」
俺はボタンを掛け違えた君と早川が、飲み込まれてしまった闇の向こう側から来た。そこでの君は俺にとって、はた迷惑な流れ弾みたいな存在だった。
「俺、今酔うと、たぶん面倒くさくなる……」
「そういう日もあるさ。今日はつき合うよ」
酔っ払った蓮水くんは本人の申告通り、この上もなく面倒くさかった。
* * * *
翌日は祭りの最終日。この日は祭りのフィナーレとして、毎年河川敷で花火が上がる。一応、克哉と美咲に一緒に行こうと誘われている。
あとは……姉貴に借りていた卒業アルバムを返さないといけないな。何とかそれなりに方がついた報告もしたい。俺は姉貴にだけは、事の顛末を全て説明しておきたいと思っている。
それとは別に、そろそろ本気で心配になって来たことがある。どうやって元の時間軸に戻るかってことだ。
俺は別に、誰かに呼ばれた覚えも、問題解決の依頼を受けたわけでも、次元の穴に落ちた覚えもない。
気がついたら二十年前にいて、目の前に生きている美咲がいたから、何とかしたいと思っただけだ。
問題の真っ只中に、突然放り込まれた。何しろ、ここで初めて出会ったのは美咲で、次にやって来たのが克哉だ。何かしら意図的なものを感じずにはいられない。
だとしたら問題が解決した今、そろそろ戻る準備をはじめた方がいい。
このまま戻れないとか、あるんだろうか?
まあその時はその時だな。二十年分の知識チートを使えば、それなりに生きて行けそうだ。仕事関係の株価の動きくらいは頭に入っている。
どっちにしても、今日は『この時間軸じゃないと出来ないこと』をしてみたい。この数日間は、美咲のことで頭がいっぱいだったからな!
まずはチャー介と思い切り戯れたい。死んだ婆ちゃん(まだ死んでない)にも会いたいし、店じまいしてしまった、もんじゃ焼きも食べに行きたいな! 店じまいといえば馴染みのプラモデル屋、この時間軸ならまだ営業してるんじゃないか? プレミア物のアレとかコレとか、手に入るかも知れないな!
あとは……。そうだなぁ。
あと先考えないでいいなら、美咲と手をつないで歩きたい……。
二十歳も年下の女子高生相手に……。
困ったもんだよ、ほんと。
* * * *
夕方までの時間で、この時間軸を堪能した。婆ちゃんに会いに行って味噌を塗った懐かしい焼きおにぎりを作ってもらったり、昔馴染みのプラモデル屋へ行ってプレミア物のプラモを大人買いしたり、もんじゃ焼きを食べに行ったり。もちろんチャー介とも心ゆくまで戯れた。構いすぎて迷惑そうにされたが、そんな様子すら愛おしい。
途中で何度か早川と蓮水くんからメールが来たので、アフターフォローもしっかりしておいた。そしてしばらくしたら、仕事で外国へ行くかも知れないとほのめかしておいた。ここから先は、自分で立ち上がって歩いて行って欲しい。君たちには、その義務がある。
そうして花火大会へ行くための、待ち合わせ場所へと向かった。もちろんいつもの河川敷だ。大きな夕陽が川向こうの山へと沈んでゆく。
土手へ上がり、眩しさに目を細めて河川敷に目をやると、先に来ていた美咲と克哉が手をつないで歩いているのが見えた。何を話しているのか、時折りかすかに笑い声が風に乗って聞こえて来る。
夕陽に照らされて、オレンジ色に染まる景色の中で、やがて二人がシルエットになる。俺に気づいて、大きく手を振っている。可愛いもんだな。
俺はなぜだかそれを見て、とても満たされた気持ちになった。自分が美咲と手をつないで歩くよりも、ずっと深く満足したのだ。
俺が望んでいた風景だ。俺がこの場面へと、美咲と克哉を連れて来た。
二人に手を振る。二人が揃って『イチさーん!』と声をかけて来る。その声と重なるように、女の子の笑い声が聞こえた。ほとんど吐息のような、柔らかな声だ。
『ありがとう、克哉くん……』
それは……早川の声だった。俺の知っている早川よりも、少し低い大人の女性の声。
「やっぱり、君だったんだな。満足したか?」
『ええ、ありがとう。……さようなら……』
その声が風に溶けると、俺の身体が透き通るように薄れてゆく。それに気づいた克哉と美咲が、慌てた様子で走って来る。
美咲が転び、克哉が助け起こす。
『仲良くやれよ! 元気でな!』
俺の声が、最後に二人に届いただろうか。
早川の告白に蓮水は絶句していたが、泣きながら謝る女子高生を罵るようなことはしなかった。
「俺、馬鹿みてぇ……。全然相手にされてなかったんだ……。格好悪くて泣ける……」
「ご、ごめんなさい! 全部私が悪いんです! 蓮水さんはもっと怒っていい! 殴っていいです!」
「そんなことしたら、もっと情けなくなるよ……。すぐには許せないけど、君の気持ちもわかるし」
「ごめんなさい! ごめんなさい!」
「もういいよ……。イチさん……でしたっけ? その子、送ってあげて。ちょっと一人になりたい。そんで……俺、ここで待ってるから、飲みに連れてって下さいよ。飲まなきゃやってられねぇ……」
「わかった……。二十分で戻る」
蓮水の肩を叩いて、早川を連れてタクシーを拾う。泣きじゃくる女子高生を連れてタクシーって、ちょっとアレだよな。
早川を自宅まで送り、ちょっと心配なので、必ず今日中に何度か連絡を入れるように言い聞かせて、アドレスを交換した。
「蓮水くんさ、『飲みに連れて行け』って言ってただろう? あれは『気分転換がしたい』ってことだ。そういうやつは案外大丈夫なんだ。だから、あんまり気にし過ぎるなよ」
早川の背中を強めに叩いて、ニカッと笑って見せた。こういう時って、なんて言ってあげれば正解なんだろうな。子供たち相手に大人ぶってはみても、俺もまだまだ未熟者だ。
すぐにトンボ返りで公園まで戻る。早川も心配だが、蓮水くんも一人にはしておけない。あー、俺がもう一人いるといいのに! ふとそう考えて、克哉のことを思い出した。いるじゃんおれ、もう一人!
まあ……。さすがに今回は、克哉に手伝わせる訳にはいかないな。保護者役も楽じゃない。
蓮水くんは公園のひとつきりのベンチに、俯いてポケットに手を入れて座っていた。俺が近寄っても顔を上げない。
「ここんとこ俺、散々なんすよ。バイクは悪戯されて壊れるし、酒を飲めば具合悪くなるし、自転車でコケて怪我するし……。今度は女子高生に騙されるって、どんだけっすかねぇ……」
うん、それほとんどが俺の仕業だ。
「まあまあ! 酔っ払い運転で女子高生二人巻き添えにして死ぬよりマシじゃないか! さ、美味いもん食いに行こうぜ! おじさん、ご馳走しちゃうからさ!」
「それ、イチさんの話っすか? 恋人が死んだって言ってましたよね」
そういえば昨夜、自転車でコケた蓮水くんにそんな話をした。
「昔の話だよ。もう二十年も前だ」
俺はボタンを掛け違えた君と早川が、飲み込まれてしまった闇の向こう側から来た。そこでの君は俺にとって、はた迷惑な流れ弾みたいな存在だった。
「俺、今酔うと、たぶん面倒くさくなる……」
「そういう日もあるさ。今日はつき合うよ」
酔っ払った蓮水くんは本人の申告通り、この上もなく面倒くさかった。
* * * *
翌日は祭りの最終日。この日は祭りのフィナーレとして、毎年河川敷で花火が上がる。一応、克哉と美咲に一緒に行こうと誘われている。
あとは……姉貴に借りていた卒業アルバムを返さないといけないな。何とかそれなりに方がついた報告もしたい。俺は姉貴にだけは、事の顛末を全て説明しておきたいと思っている。
それとは別に、そろそろ本気で心配になって来たことがある。どうやって元の時間軸に戻るかってことだ。
俺は別に、誰かに呼ばれた覚えも、問題解決の依頼を受けたわけでも、次元の穴に落ちた覚えもない。
気がついたら二十年前にいて、目の前に生きている美咲がいたから、何とかしたいと思っただけだ。
問題の真っ只中に、突然放り込まれた。何しろ、ここで初めて出会ったのは美咲で、次にやって来たのが克哉だ。何かしら意図的なものを感じずにはいられない。
だとしたら問題が解決した今、そろそろ戻る準備をはじめた方がいい。
このまま戻れないとか、あるんだろうか?
まあその時はその時だな。二十年分の知識チートを使えば、それなりに生きて行けそうだ。仕事関係の株価の動きくらいは頭に入っている。
どっちにしても、今日は『この時間軸じゃないと出来ないこと』をしてみたい。この数日間は、美咲のことで頭がいっぱいだったからな!
まずはチャー介と思い切り戯れたい。死んだ婆ちゃん(まだ死んでない)にも会いたいし、店じまいしてしまった、もんじゃ焼きも食べに行きたいな! 店じまいといえば馴染みのプラモデル屋、この時間軸ならまだ営業してるんじゃないか? プレミア物のアレとかコレとか、手に入るかも知れないな!
あとは……。そうだなぁ。
あと先考えないでいいなら、美咲と手をつないで歩きたい……。
二十歳も年下の女子高生相手に……。
困ったもんだよ、ほんと。
* * * *
夕方までの時間で、この時間軸を堪能した。婆ちゃんに会いに行って味噌を塗った懐かしい焼きおにぎりを作ってもらったり、昔馴染みのプラモデル屋へ行ってプレミア物のプラモを大人買いしたり、もんじゃ焼きを食べに行ったり。もちろんチャー介とも心ゆくまで戯れた。構いすぎて迷惑そうにされたが、そんな様子すら愛おしい。
途中で何度か早川と蓮水くんからメールが来たので、アフターフォローもしっかりしておいた。そしてしばらくしたら、仕事で外国へ行くかも知れないとほのめかしておいた。ここから先は、自分で立ち上がって歩いて行って欲しい。君たちには、その義務がある。
そうして花火大会へ行くための、待ち合わせ場所へと向かった。もちろんいつもの河川敷だ。大きな夕陽が川向こうの山へと沈んでゆく。
土手へ上がり、眩しさに目を細めて河川敷に目をやると、先に来ていた美咲と克哉が手をつないで歩いているのが見えた。何を話しているのか、時折りかすかに笑い声が風に乗って聞こえて来る。
夕陽に照らされて、オレンジ色に染まる景色の中で、やがて二人がシルエットになる。俺に気づいて、大きく手を振っている。可愛いもんだな。
俺はなぜだかそれを見て、とても満たされた気持ちになった。自分が美咲と手をつないで歩くよりも、ずっと深く満足したのだ。
俺が望んでいた風景だ。俺がこの場面へと、美咲と克哉を連れて来た。
二人に手を振る。二人が揃って『イチさーん!』と声をかけて来る。その声と重なるように、女の子の笑い声が聞こえた。ほとんど吐息のような、柔らかな声だ。
『ありがとう、克哉くん……』
それは……早川の声だった。俺の知っている早川よりも、少し低い大人の女性の声。
「やっぱり、君だったんだな。満足したか?」
『ええ、ありがとう。……さようなら……』
その声が風に溶けると、俺の身体が透き通るように薄れてゆく。それに気づいた克哉と美咲が、慌てた様子で走って来る。
美咲が転び、克哉が助け起こす。
『仲良くやれよ! 元気でな!』
俺の声が、最後に二人に届いただろうか。
0
あなたにおすすめの小説
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる