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ジェネラスの元婚約者のことやその浮気相手が、次々といなくなったが、ルドゥーテたちがそれに一喜一憂することはなかった。

ただ、ルドゥーテは気になっていたことを聞いてみることにした。


「……ジェネラス。こうなるの知ってたの?」
「あー、情報は掴んでたが、こんな呆気なく終わるのは想定してなかったな」


(そうは見えないんだけど……)


ルドゥーテは、破棄となってから何一つ変わっていないジェネラスの態度に内心で苦笑していた。

頭のいいジェネラスが浮気をしてもいないのにそんなことを言われても大して反論しなかった理由は、これだったのかとルドゥーテは思い返してていたが、その場の空気なんて何のそので、ジェネラスから告白されて固まることになるとは思わなかった。



「ごめん。今、なんて……?」
「だから、破棄したかったのは、俺も同じだったから丁度良かったんだよ」
「それと、さっきのが、どう繋がるの?」


驚き過ぎて、わけがわからないと聞き返してしまった、ルドゥーテを見てジェネラスは……。


「結婚したいと思っていたのは、昔も今もルドゥーテだけだったから破棄になってくれるなら理由なんて、どうでも良かったんだ」
「……」


ルドゥーテは目の前で跪いて婚約をすっ飛ばして結婚しようと言うジェネラスに深いため息が出そうになってしまったが、同じく膝をついて同じ目線で、ルドゥーテはすんなりと了承していた。


(慌てることなく、すんなりと答えられたのだから、これが答えだったのよね)



こうして、幼なじみの婚約をブチ壊すことに利用されてルドゥーテは、数ヶ月後には彼の新しい婚約者となっていたのだ。

ジェネラスの頭の良さは凄まじく、出世街道まっしぐらだったが、仕事が終わると愛してやまない妻の元にすぐに帰宅することでも有名となるまで、そんなに時間はかからなかった。ルドゥーテは溺愛され、世の令嬢たちに羨ましがられながら、幸せで誰もが羨む家庭を築くことが出来たのだった。



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