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しおりを挟む帰ってる途中に怒りがおさまるどころか。益々、煮えくり返りそうになりながら帰宅することになったスカーレット。
(本当にムカつく奴だわ)
「スカーレット? 怖い顔して、どうしたの?」
「っ、お姉様こそ、どうされたの?」
スカーレットは姉のジャネットを見てギョッとして駆け寄っていた。目を真っ赤にしていたからだ。明らかに泣いたあとだ。
そこで、姉が婚約破棄されたのだと知ってスカーレットは、更に怒りを爆発させることになった。
どうやら、レオニードが勘違いしていたのは、スカーレットの姉のことだったらしい。
(確かにお姉様が破棄されるなんてあり得ないと思うけど、だからって私だと決めつけた挙げ句、よくもまぁ婚約してやってもいいなんて言えたものよね)
ジャネットは浮気された挙げ句に酷い言いがかりをつけられて破棄されたのだと知って、スカーレットだけでなく両親も激怒していた。
元婚約者と浮気相手のその後は、二人が思い描いていたものとはかけ離れたものとなった。二人共、家から勘当されることになったのだ。あることないことをジャネットのせいにしたことがバレた結果だから、自業自得でしかない。
(いい気分だわ。でも、お姉様を泣かせた分をやり返せなかったことが残念だわ)
両親も、スカーレットと同じように思っていたようだ。
「お姉様には、もっと相応しい方がいますわ!」
「……ありがとう。スカーレット、あなたは本当に優しい子ね」
ジャネットにそんなことを言われて、スカーレットは内心で色々と暴言を元婚約者やその婚約者となった令嬢に吐き捨てていたが、言葉には絶対にしても姉にだけは聞かせないと心に誓って、姉の理想を壊さない優しい妹のままでいることにした。
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