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しおりを挟むシレーネと王太子とは、イヴはそもそもクラスが違うのに王太子の側に何かと近づこうとしてつけ狙っては、イヴのせいで授業が妨げられるのだ。
その執念は凄いと思うが、それを毎回、追い出すのは一苦労なのだ。それなのにシレーネが、追い出して、自分の邪魔をさせていると言うのだからたまったものではない。
(邪魔している自覚すらないのね。それにどうして、私がそんなことをわざわざさせてると思うのかしら? みんな、率先して動いてくれているだけなのに)
どんなに周りや両親から言われても、イヴは奇行を止めなかったことから、男爵は娘に愛想を尽かしてしまったようだ。
何を言っても娘は、王太子と婚約するのは自分だと息巻いているようで、これ以上は庇い立て出来ないと思って、見放すことにしたようだ。勘当されることになっても、それすらイヴはシレーネが圧力をかけたと煩く言って来て、ついには捕まることになって、シレーネだけでなく周りもみんなホッとしたくらいだ。
(どうして、そこまで私を悪者にしたいのかしら?)
「あなたは、悪役令嬢じゃない! なんで、ヒロインの私のイベントが何にも始まらないのよ!!」
「え……?」
「ちゃんとやってよ!」
(何を言ってるの?)
全くわけがわからないことを言いながらイヴは牢屋に入ることになり、その後も話が通じることなく、病院に入れられることになったようだ。
そんなことがあったが、その後も王太子とシレーネが卒業してからも、おかしな令嬢は毎年のように現れ続けて、学園生たちは迷惑しているようだった。
その令嬢たちは決まって、シレーネを悪役令嬢だとか、ゲームがどうのと言っているらしいが、その意味がわかることはなかった。
シレーネは王太子に溺愛され続けて、至るところで仲睦まじくしているのを目撃されることになりながらも、幸せいっぱいの生涯を送ることが出来たのだった。
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