母の中で私の価値はゼロのまま、家の恥にしかならないと養子に出され、それを鵜呑みにした父に縁を切られたおかげで幸せになれました

珠宮さくら

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伯爵家の長男であるカーティスは、アリッサのやらかしたことを知って、婚約破棄することになったのは、すぐのことだった。

そうなってから、カーティスはアリッサを怒鳴りつけた。それまで、アリッサがやらかしたことなど自分に関係ないとカーティスは他人事のようにしていたが、破棄となった途端……。


「お前のせいだぞ!」
「っ、そんなの言いがかりよ。お兄様の魅力がなかったってことじゃない」
「何だと!?」
「私のやらかしたことを挽回できたら、親がどう言おうと婚約破棄になんてならないでしょ」


アリッサにしては、中々のことを兄に言っていた。それを思いついたのは、アリッサではなく、伯爵家の使用人がそんな話をしていたから、真似ただけだった。

そう、全ては兄にそれほどまでの魅力がなかったせいで、アリッサは自分は何も悪くないと思っていた。


「お前、わかってるのか? 王女を激怒させたんだ。お前の方は、今後は婚約者なんてできないぞ」 


そんなことを言われて、アリッサはきょとんとした。


「何で、そうなるのよ?」
「王女を激怒させたとわかってるのを嫁にもらうわけないだろ。そんなことしたら、婚約した子息の将来の出世が見込めなくなるのは、目に見えている。そもそも、王女の顔も知らない。礼儀も知らないと知れ渡ったんだ。貴族との婚姻は絶望的だぞ」
「っ、そ、そんなわけないわ!」


カーティスの言葉にアリッサは、そんなわけないと思っていた。

あれだけ怒っていても、母に似ている自分が婚約できないなんてことがあるわけないと思っていた。その後、兄と妹は喧嘩をして口も聞かなくなった。

父から修道院に入れと言われてもアリッサは嫌だと騒ぎ立てるのをやめることはなかった。


「お母様!」
「お前なんて知らないわ」
「え……?」
「似ていると思っていたけど、こんなに役立たずとは思わなかった」


突然、そんなことを言われたアリッサは固まってしまった。母にそんなことを言われたことが、それまでなかったせいで頭の中がアリッサは真っ白になっていた。


「っ、」
「いや、そっくりだ。お前とは、離婚する」
「な、なぜ、ですか!?」


これには、伯爵夫人が大慌てとなった。アリッサは、それに目をパチクリさせた。


「お前が、区別して育てたことで、こうなったんだ。大体、学生時代のできの悪さから見たら、いい勝負じゃないか」
「っ、」


それにアリッサは驚いた。母親は、顔を真っ赤にしていた。


「アリッサ。修道院が嫌なら、勘当する。好きな方を選べ」
「どっちも嫌よ!」
「2つしか、選択肢がないくらい理解しろ。それくらいのことをしたんだ」
「っ、」


だが、アリッサはどちらも嫌だと言うばかりで、離婚した母と一緒に母の実家に行くしかなくなったが、そこでも2人が何をしたかがバレていて、針の筵だった。

それを脱したくて、ケイトリンのところにアリッサはまたも赴いた。全くこりてはいなかった。そのせいで、貴族ですらいられなくなるのも、すぐだった。


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