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第3章 ホワイトライスケーキと疫病の話
第2回公式イベント 鬼ごっこ10
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10.9.8.7.6.……………
スイの頭上にはカウントダウンが表示されていた。
この表示が0になったらスイは動くことが出来る。
そう、 目の前にいるフォレストウルフから逃げる必要があるのだ。
冷汗を浮かびながらカタカタと震える手を握り締めて、 出来るかぎりのバフを掛けた。
そのバフには、 このイベント前に特訓した物も含まれる。
そう、 あの楽器が重くて持てくなったのをスイは自力で修正したのだ。
カウントダウンが終わる瞬間にそのバフが掛けられた。
一気にハープを持ち上げる。
「っ!!」
カウントダウンが0になったその瞬間、フォレストウルフは咆哮を上げながら噴水に突進した。
それを避けるように高く飛び、 そのままフォレストウルフに向かってカカト落としをする。
頭に直撃を受けたフォレストウルフは叫びながらもしっかりとした足取りで後ろに下がった。
フォレストウルフの突進とスイのカカト落としによって噴水は粉々に砕け散ったが、 その次の瞬間には元の姿に戻っている。
死に戻りしたプレイヤーの為にこの噴水はすぐに戻るようになっているのだ。
スイは地面を陥没させながらもフォレストウルフへと視線は外さない。
すぐに走り出してハープを横なぎにすると、 水の刃も一緒に飛び出した。
人魚がカッ!と目を見開いてイルカを鷲掴み投げたのだ。
それが水の刃となってフォレストウルフの顔に深い傷を負わせた。
「!?イルカさぁぁぁん!?」
これ、 スイも知らないクリティカルヒットである。
まだ楽器を変えたばかりでクリティカルヒットが出ていなく、 スイも今回初めて見た。
綺麗に微笑む人魚が急に殺人鬼みたいな目をしてイルカをぶん投げた。
今もふーふーと息遣いがあらい。
イルカはフォレストウルフを攻撃したあとちゃんと楽器に戻ってきたが、 目をクルクルと回している。
人魚はまだふーふーと鼻息荒くしながらもワシワシと指を動かしイルカを握る準備をしている。
「っ………このゲーム人魚の扱いおかしくない!?」
カタカタと震えながらも無理やり笑う。
そんなスイの頭の中には
『ほらぁ!新しい武器ー!!』
とガンダムよろしく飛びながら敵を殲滅するクリスティーナがいた。
貝殻に入ってうっふん!しているクリスティーナも隣にいる。
フォレストウルフはグルグルと喉を鳴らしながらスイに飛び掛った。
それをハープで抑えると、 人魚は攻撃じゃないんかい!と舌打ちする。
眠ってろ!人魚!!
なんでこんなにバトル向きな性格してるのよ!!
フォレストウルフは更に怒りを募らせてスイを見るのを確認してスイはすぐにハープを弾く。
フォレストウルフをロックして奏でると、 フォレストウルフは地面に沈みこんだ。
なぜ自分が地面にのめり込んでいってるのか理解出来ないフォレストウルフはただただ暴れた。
そう、 スイが作曲したのは重力を司る曲。
自身の体重や、 大気の重力を操る。
今、 フォレストウルフはスイが奏でた曲により体に圧がかかり地面に全体を叩きつけられている。
息を切らしながらもその様子を見るスイは既に曲を弾き切っていた。
この曲の弱点は一度に複数の重力を操れない事。
つまり、 今フォレストウルフを重力で抑えている以上スイは楽器を両手で持つ事が出来ないのだ。
片腕1本でハープを持ったスイは動けないフォレストウルフからカタカタと震えながら逃げ出した。
今押さえつけていてもギラギラとスイを見るフォレストウルフ。
その力の差は圧倒的でこの重力のバフ、 デバフが使えなければスイは2度目の死に戻りをしただろう。
フォレストウルフは確かに強い。
スイのクリティカルで顔を傷つけても、 ダメージはほぼ無かった。
勝てないと分かっていてもいつものスイならそれでも立ち向かおうとするだろう。
しかし、 スイは初めてフォレストウルフを見た時に聞いた咆哮に恐怖を感じた。
地響きを感じながら腹の底から出される咆哮に一気に死のイメージを浮かべたのだ。
笑われたっていい、 惨めに思われたっていい。
こいつに勝てる気がしない。
スイは緊張で体が上手く動かない……と思いながらも必死に足を動かし噴水広場から逃げていく。
そんなスイをフォレストウルフはグルグルと喉を鳴らしながら走り去る背中を思い出す様にその方向をじっと見ていた。
スイの頭上にはカウントダウンが表示されていた。
この表示が0になったらスイは動くことが出来る。
そう、 目の前にいるフォレストウルフから逃げる必要があるのだ。
冷汗を浮かびながらカタカタと震える手を握り締めて、 出来るかぎりのバフを掛けた。
そのバフには、 このイベント前に特訓した物も含まれる。
そう、 あの楽器が重くて持てくなったのをスイは自力で修正したのだ。
カウントダウンが終わる瞬間にそのバフが掛けられた。
一気にハープを持ち上げる。
「っ!!」
カウントダウンが0になったその瞬間、フォレストウルフは咆哮を上げながら噴水に突進した。
それを避けるように高く飛び、 そのままフォレストウルフに向かってカカト落としをする。
頭に直撃を受けたフォレストウルフは叫びながらもしっかりとした足取りで後ろに下がった。
フォレストウルフの突進とスイのカカト落としによって噴水は粉々に砕け散ったが、 その次の瞬間には元の姿に戻っている。
死に戻りしたプレイヤーの為にこの噴水はすぐに戻るようになっているのだ。
スイは地面を陥没させながらもフォレストウルフへと視線は外さない。
すぐに走り出してハープを横なぎにすると、 水の刃も一緒に飛び出した。
人魚がカッ!と目を見開いてイルカを鷲掴み投げたのだ。
それが水の刃となってフォレストウルフの顔に深い傷を負わせた。
「!?イルカさぁぁぁん!?」
これ、 スイも知らないクリティカルヒットである。
まだ楽器を変えたばかりでクリティカルヒットが出ていなく、 スイも今回初めて見た。
綺麗に微笑む人魚が急に殺人鬼みたいな目をしてイルカをぶん投げた。
今もふーふーと息遣いがあらい。
イルカはフォレストウルフを攻撃したあとちゃんと楽器に戻ってきたが、 目をクルクルと回している。
人魚はまだふーふーと鼻息荒くしながらもワシワシと指を動かしイルカを握る準備をしている。
「っ………このゲーム人魚の扱いおかしくない!?」
カタカタと震えながらも無理やり笑う。
そんなスイの頭の中には
『ほらぁ!新しい武器ー!!』
とガンダムよろしく飛びながら敵を殲滅するクリスティーナがいた。
貝殻に入ってうっふん!しているクリスティーナも隣にいる。
フォレストウルフはグルグルと喉を鳴らしながらスイに飛び掛った。
それをハープで抑えると、 人魚は攻撃じゃないんかい!と舌打ちする。
眠ってろ!人魚!!
なんでこんなにバトル向きな性格してるのよ!!
フォレストウルフは更に怒りを募らせてスイを見るのを確認してスイはすぐにハープを弾く。
フォレストウルフをロックして奏でると、 フォレストウルフは地面に沈みこんだ。
なぜ自分が地面にのめり込んでいってるのか理解出来ないフォレストウルフはただただ暴れた。
そう、 スイが作曲したのは重力を司る曲。
自身の体重や、 大気の重力を操る。
今、 フォレストウルフはスイが奏でた曲により体に圧がかかり地面に全体を叩きつけられている。
息を切らしながらもその様子を見るスイは既に曲を弾き切っていた。
この曲の弱点は一度に複数の重力を操れない事。
つまり、 今フォレストウルフを重力で抑えている以上スイは楽器を両手で持つ事が出来ないのだ。
片腕1本でハープを持ったスイは動けないフォレストウルフからカタカタと震えながら逃げ出した。
今押さえつけていてもギラギラとスイを見るフォレストウルフ。
その力の差は圧倒的でこの重力のバフ、 デバフが使えなければスイは2度目の死に戻りをしただろう。
フォレストウルフは確かに強い。
スイのクリティカルで顔を傷つけても、 ダメージはほぼ無かった。
勝てないと分かっていてもいつものスイならそれでも立ち向かおうとするだろう。
しかし、 スイは初めてフォレストウルフを見た時に聞いた咆哮に恐怖を感じた。
地響きを感じながら腹の底から出される咆哮に一気に死のイメージを浮かべたのだ。
笑われたっていい、 惨めに思われたっていい。
こいつに勝てる気がしない。
スイは緊張で体が上手く動かない……と思いながらも必死に足を動かし噴水広場から逃げていく。
そんなスイをフォレストウルフはグルグルと喉を鳴らしながら走り去る背中を思い出す様にその方向をじっと見ていた。
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