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飯まず設定なんてなかったよねぇえ!?②

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そして、気になるルックス、つまり、容姿...

ベットから永遠に出たくない気持ちを抑え、立ち上がる。

「お嬢様...?」

案内してくれた執事がヒヤリと冷たい目でこちらを見る。

私は構わずにそこら辺にあった鏡に...って、この部屋、なんか鏡が多くない!?

「ねえ、こんなに鏡多かったかしら」

お嬢様っぽい言葉で話しかける、が、私の内心はドキドキだ。

それは執事がめちゃくちゃイケメンだからという理由もあるが、言葉遣いが変ではないか心配なのだ。

べ、別に、イケメンにドギマギなんてしてな.....いはず。

「何を仰って...いえ、すみません。私が口を出すことではありませんでしたね。鏡の数はここ数週間変わっていません。」

「そ、そうね」

「...?」

執事が不思議そうな目でこちらを見る。

その目は、不思議そうでもあるが、何より冷たい。

以前の私はこの人に何かしたのだろうか....それとも、ただ向こうが嫌っているだけか。

出来れば後者であって欲しいのだが。



そんな私の疑問はあっけなく解消されることになった。

「!!!」

鏡に移った私のその姿は...

「社交界の華リリアンナ?」

見間違えるはずのない、私の大好きなアニメの大嫌いな悪役。

「...それがどうかされましたか?」

執事はさも当然のように呆れた視線を送る。

「...。」

「こいつもいい加減自分の可愛さに見惚れるのを辞めたら少しは可愛げが出るのに」

ボソッと呟かれた執事の言葉は私の耳にしっかり入っている。

「聞こえているわよ」

「っ、申し訳ございません!お叱りは受けます」

お叱り...?

...

...

アニメのリリアンナが執事に直接『お仕置き』をするシーンはない。

それは、アニメ的にヤバイものであるから抹消されたうつされることのない、原作をすべて読んだ人のみぞ知るおぞましい仕打ち...

私は一気に青ざめる。

「ばっ、馬鹿!そんな汚らわしいものを私に見せる気!?」

つい口調が元の私に戻ってしまった。

どうやら私は前世の、私だけの意識だけではないようだ、今世の私の意思も入っている...?

「っ...!くs...」

今明らかにくそと言いかけたような...いや、それくらいは私に言ってもいい。

私は謝って、罵倒されて、殴られて、それでも許されないような事をしてきたのだ。

(あわわわわ、どうしよう。どうしよう。謝らなきゃ、だけどどうやって謝ったら...!)

私はリアルに涙目である。

そういえば、前世の私もよく泣く、泣き虫だったよな...。

ってそんな呑気なことを言っている場合じゃなあい!

「し、しないわ!今日はそんな気分じゃないのよ」

「...は、いや、でも」

はっ、しまった、これでは次があるような言い方になってしまった!

「い、いや、今後も無しに...」

「っ!待ってください!」

「...え?」

どこに待つ要素があるのだろうか。

「お、お嬢様知っているでしょう...?」

「何が?」

「...辛いんですよっ、我慢...出来そうにない」

「は...?え?ん?へ?」

私は思いつく限り、疑問を並べたのだった。

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