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第5話 気になるけど
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やっぱり、何度見てもイケメンだった。そんな彼が奥手で根暗とは、どうにも考え難いのだが、でも、誰かと一緒にいるところを見たことはない。というか、図書館以外の場所で見たことがない。
ずっと、一日中ああやって本を読んでいるのだろう。どうして、そこから動かないのか。どうしていつも、一人で色んな本を読んでいるのか。考えれば考えるほど不思議だ。
寺本の親族なのだとすれば、家はこの近くなのだろうか。一体何時に図書館に来て、何時に帰るのだろうか。
思えば、あんなにイケメンなのに、噂にすらなっていないように思う。愛佳の友達ならば、すぐに食いつきそうなイケメンなのにだ。
ああ、もう、総ての原因はあのイケメンな顔だと、愛佳はそう思って勝手に腹を立てる。
もうちょっと不細工ならば、声を掛けやすかっただろうと思う。あの人を寄せ付けさせない顔立ちこそ、孤独な原因ではないだろうか。
「いや、それは勝手な想像か」
イケメンだから孤独なのだとすれば、もう少し違う解決法がありそうだ。わざわざ叔父さんを使って、自分に声を掛けさせるように仕向ける必要はない。あの顔だったら、女子ならば笑いかけただけでイチコロではなかろうか。友達でも遊び仲間でも、あの顔を活かしてゲット出来そうである。
「ううん」
だから、さっさと声を掛ければ済むのだと、愛佳も解っている。解っているが、難しい。とりつく島がないように思える。
しかし、チャンスは意外な形でやって来た。あまりに熱心に見つめていたせいか、静嵐が顔を上げたのだ。そしてこっちを見た。
「あっ」
正面からちゃんと見た静嵐の顔は、イケメンなのは変わらないが、不思議な感じがした。髪と同じく薄い茶色の瞳が、じっと愛佳を捉える。その目を見ていると、引き込まれそうだった。
おかげで、しばらく見つめ合ってしまった。
が、静嵐が先に視線を外し、また本を読み始めてしまった。あれは――会話を求めているようには見えない。
「やっぱり寺本先生のお節介なのか」
愛佳は声を掛ける千載一遇のチャンスを、こうして逃してしまった。仕方なく片付けを始める。すると、再び静嵐がこちらを見た。
お、やっぱり会話したいのかなと、愛佳は期待する。が、音が気になっただけらしい。
「もう」
これじゃあ、私がどうしても会話したいみたいじゃない。
愛佳はそれに気づき、恥ずかしくなって急いで図書館を出ていた。
「ふう」
図書館を出ると、昼間よりは涼しい風が吹いていてほっとしてしまう。出てすぐのところにあるベンチにカバンを置き、一度伸びをした。
静嵐のことが気になるが、当分の間は近くの席に座らない方がいいかもしれない。今日の自分の行動は明らかに不自然だった。
「ああ、もう」
とても快適な空間が、僅かに居づらい空間になってしまう。それもこれも寺本のせいだ。なんとなく気になる相手が、完全に気になる相手になっている。もちろん、恋愛感情とは別にだ。
ずっと、一日中ああやって本を読んでいるのだろう。どうして、そこから動かないのか。どうしていつも、一人で色んな本を読んでいるのか。考えれば考えるほど不思議だ。
寺本の親族なのだとすれば、家はこの近くなのだろうか。一体何時に図書館に来て、何時に帰るのだろうか。
思えば、あんなにイケメンなのに、噂にすらなっていないように思う。愛佳の友達ならば、すぐに食いつきそうなイケメンなのにだ。
ああ、もう、総ての原因はあのイケメンな顔だと、愛佳はそう思って勝手に腹を立てる。
もうちょっと不細工ならば、声を掛けやすかっただろうと思う。あの人を寄せ付けさせない顔立ちこそ、孤独な原因ではないだろうか。
「いや、それは勝手な想像か」
イケメンだから孤独なのだとすれば、もう少し違う解決法がありそうだ。わざわざ叔父さんを使って、自分に声を掛けさせるように仕向ける必要はない。あの顔だったら、女子ならば笑いかけただけでイチコロではなかろうか。友達でも遊び仲間でも、あの顔を活かしてゲット出来そうである。
「ううん」
だから、さっさと声を掛ければ済むのだと、愛佳も解っている。解っているが、難しい。とりつく島がないように思える。
しかし、チャンスは意外な形でやって来た。あまりに熱心に見つめていたせいか、静嵐が顔を上げたのだ。そしてこっちを見た。
「あっ」
正面からちゃんと見た静嵐の顔は、イケメンなのは変わらないが、不思議な感じがした。髪と同じく薄い茶色の瞳が、じっと愛佳を捉える。その目を見ていると、引き込まれそうだった。
おかげで、しばらく見つめ合ってしまった。
が、静嵐が先に視線を外し、また本を読み始めてしまった。あれは――会話を求めているようには見えない。
「やっぱり寺本先生のお節介なのか」
愛佳は声を掛ける千載一遇のチャンスを、こうして逃してしまった。仕方なく片付けを始める。すると、再び静嵐がこちらを見た。
お、やっぱり会話したいのかなと、愛佳は期待する。が、音が気になっただけらしい。
「もう」
これじゃあ、私がどうしても会話したいみたいじゃない。
愛佳はそれに気づき、恥ずかしくなって急いで図書館を出ていた。
「ふう」
図書館を出ると、昼間よりは涼しい風が吹いていてほっとしてしまう。出てすぐのところにあるベンチにカバンを置き、一度伸びをした。
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