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婚約破棄編
第九話
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婚約破棄宣言の舞踏会翌日、ローズデール侯爵邸の執務室の椅子に座り渋い顔をする嫡男ライアン・ローズデールと彼の前に直立する妹アリシア・ローズデール
誰が見ても兄妹の和やかな会話とはとても言えない物々しい空気
「アリシア、お前自分が何をしたのか分かっているのだろうな?」
最初に口を開いたのは兄のライアンだった
「はい、権力を持ったピエロと、その男を利用して邪魔者を排除する為なら手段を選ばない詐欺師に陥れられそうになったので、非力ながらも抵抗させて頂きました」
私もか弱い娘の身、ただただ自分の身を守る為に必死だったのですと態とらしく悲しげな顔をする
「なるほど、では正当防衛だったと言いたいのだな?」
『か弱い』 の単語に一瞬口元が歪んだライアンだが話を続ける
「はい、何をお話しても信じて下さらず、ああでもしないと私の無実が証明出来なかったので…」
「そうか、ならクロエ・カーター男爵令嬢に一時的に言霊の力を付与したのは、自らの潔白を証明する為に止む無くだったのだな?」
「はい」
そこでライアンが大きく息を吸う
「なら胸を垂れ下がらせる事も、毛深くする事も、唇の薄い、シミだらけの顔にする事も全て無実を証明する為に必要だったと言いたいのか!?」
耳の奥でキーンと音が鳴ったがこちらにも言い分はある
「己の美貌に絶対の自信を持っている…と言いますかそれ位しか取り柄が無いの?と言いたくなるような令嬢ですよ?ああして脅しをかけるのが一番効果的ではありませんか」
事実ムチムチはすぐに白状した
「手段と言うものがあるだろう!?だいたい吐かせるだけなら後半の言葉はいらなかったよな?完全に最後は面白がって色々オプションを追加しただろう!」
「お兄様、訂正させて頂くなら唇の薄いシミだらけの顔は言霊は関係無しに元からですわ」
まあ他にも色々あるが、流石メイクに3時間もかけているだけはある
「ああ、それはクロエ嬢の侍女からも証言は取れている、状況的に考えてシャンパンタワーが崩れて化粧が落ちたのも偶然だろう」
しかしそう言う事を問題視しているのでは無い!と声を荒らげる
「そうですねお兄様、私少し後悔していますの…」
「そうなのか?」
少しクールダウンしたのか先程より落ち着いた口調で妹に問い質す
「ジジイかババアか分からない姿はどのようなものか興味ありましたのに、何故一番最初に言わせなかったのか…」
「やはり面白がっていたのではないか!!」
ライアンお兄様、明日には声が枯れていそうだわ
誰が見ても兄妹の和やかな会話とはとても言えない物々しい空気
「アリシア、お前自分が何をしたのか分かっているのだろうな?」
最初に口を開いたのは兄のライアンだった
「はい、権力を持ったピエロと、その男を利用して邪魔者を排除する為なら手段を選ばない詐欺師に陥れられそうになったので、非力ながらも抵抗させて頂きました」
私もか弱い娘の身、ただただ自分の身を守る為に必死だったのですと態とらしく悲しげな顔をする
「なるほど、では正当防衛だったと言いたいのだな?」
『か弱い』 の単語に一瞬口元が歪んだライアンだが話を続ける
「はい、何をお話しても信じて下さらず、ああでもしないと私の無実が証明出来なかったので…」
「そうか、ならクロエ・カーター男爵令嬢に一時的に言霊の力を付与したのは、自らの潔白を証明する為に止む無くだったのだな?」
「はい」
そこでライアンが大きく息を吸う
「なら胸を垂れ下がらせる事も、毛深くする事も、唇の薄い、シミだらけの顔にする事も全て無実を証明する為に必要だったと言いたいのか!?」
耳の奥でキーンと音が鳴ったがこちらにも言い分はある
「己の美貌に絶対の自信を持っている…と言いますかそれ位しか取り柄が無いの?と言いたくなるような令嬢ですよ?ああして脅しをかけるのが一番効果的ではありませんか」
事実ムチムチはすぐに白状した
「手段と言うものがあるだろう!?だいたい吐かせるだけなら後半の言葉はいらなかったよな?完全に最後は面白がって色々オプションを追加しただろう!」
「お兄様、訂正させて頂くなら唇の薄いシミだらけの顔は言霊は関係無しに元からですわ」
まあ他にも色々あるが、流石メイクに3時間もかけているだけはある
「ああ、それはクロエ嬢の侍女からも証言は取れている、状況的に考えてシャンパンタワーが崩れて化粧が落ちたのも偶然だろう」
しかしそう言う事を問題視しているのでは無い!と声を荒らげる
「そうですねお兄様、私少し後悔していますの…」
「そうなのか?」
少しクールダウンしたのか先程より落ち着いた口調で妹に問い質す
「ジジイかババアか分からない姿はどのようなものか興味ありましたのに、何故一番最初に言わせなかったのか…」
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