『恋愛戦国』~陰キャオタクの俺が学園の美少女達にモテだしたのには何か理由があるはずだ~

NOV

文字の大きさ
40 / 111
第8章 中庭の合戦編

第40話 颯の違和感

しおりを挟む
 先鋒線の武田チーム、三年『高坂真樹たかさかまきさん』対上杉チーム、三年『柿崎加奈かきざきかなさん』は接戦の末、高坂真樹さんの勝利となった。

「 「はぁ……はぁ……はぁ……」 」

 さすがにアレだけの戦いをしたら息も切れるだろうなぁ……

 うん、良い戦いだった。って、俺は何を感心しているんだ。


「真樹、よくやってくれたわーっ!! 有難う、お疲れ様~!!」

「はぁ……はぁ……久しぶりに柿崎さんと腕相撲したけど、あの子前よりも強くなっていたわ。今度やる時は厳しいかもしれないわ……」

「今度なんてどうでもいいのよ。とりあえず今日勝つことに意味があるんだから。これで竹中君とのデートが一歩近づいて来たわ……イヒヒヒ……」

「し、静香、笑い方が怖いわ……」




「ご、ごめんケイト……最近、私鍛えていたから勝てると思ったんだけど……」

「いいのよ加奈、気にしないで。まだ勝負は始まったところよ。次の沙耶さやがなんとかしてくれるわ!! 沙耶、頼むわよ!?」

「ま、まぁ……一応頑張るけどさぁ……あまり期待はしないでほしいなぁ……」


「は~い!! それでは引き続き『次鋒戦』を行いますよ~!! 両チームの選手は前に出て来てくださいね~?」

 しかし、この毛利さんは『中庭の合戦』をノリノリで楽しんでいるよなぁ……

 ここから下にいる毛利さんを見ていると小学生の女の子が町の腕相撲大会を喜びながら観戦している様に見えてしまうのは俺だけだろうか……?


 チラッ……はっ!? またしても山本さんと目が合ってしまったぞ!!

「べ、別に私は今の茂香を見て竹中君と同じ事を思ってしまった訳じゃ無いからね!?」

 こ、この人はエスパーなのか!?

 それとも、ただの『ツンデレ女子』なのか!?

「もう~! さっきも言ったでしょ~? 私の頭の上で意味のない会話はしないでくれるかな~?」

「 「ご、ごめんなさい……」 」


 次鋒戦に登場したのは武田チームから三年の『山県真優やまがたまひろさん』、そして上杉チームからは三年の『宇佐美沙耶うさみさやさん』……

 二人とも身長が有り腕も長いのでこれは迫力のある戦いが期待できそうだ。

 ってか、何で俺が期待しなくちゃいけなんだ!?

 『バトルもの』のアニメも好きだから、こういう勝負事には少し興奮してしまう俺がいるんだよなぁ……

 で、でもこれはアニメじゃ無いし、この勝負で俺はどちらかとデートをしなくてはいけない状況に追い込まれているっていうのを忘れてはいけないよな……!?


「それでは~レディ~ゴ~ッ!!」

 ガシッ!!

「 「山県さん頑張れーっ!!」 」

「 「宇佐美さん負けるなーっ!!」 」


 中庭中が凄い声援になっているぞ!!

 ってか、このギャラリー達は今回の勝負の目的を分かっていて応援しているのか!?
 
 いや、あまり知って欲しくは無いのだが……


「うりゃーっ!!」

「あーっ!!」

 バシンッ!!

 ん? 今度は上杉チームの宇佐美さんが勝ったみたいだな?

「ウェーン、負けちゃったよ~!! 静香ゴメンね~!?」

「だ、大丈夫よ真優!! まだ一勝一敗なんだし……問題は無いわ……」

 そんなことを言いながら武田さんの顔色は悪いけど大丈夫なのか?


「よしっ!! 良くやったわ、沙耶~っ!! これで五分だわ。仕切り直しよ!!」

 上杉さんは凄いテンションだな……

 そんなに俺とデートがしたいのか?
 
 しかし俺の顔を見ただけで普通、好きになるものなのか?

 それも学園の人気者の美少女達が……

 でも織田会長も俺の事を……

 いや、織田会長は昔、俺に助けられたっていう恩から来ていて何年も俺に会っていなかったからいつの間にか過剰に美化し過ぎてあんなことになったはずなんだ。

 だから織田会長には凄く小さいけど理由がある。

 しかし、あの二人には何一つ俺を好きになる理由が無い!!

 ん? でも武田さんは今朝の俺の姿を見てとか言っていたよな?
 
 イヤイヤ、あんな数分の出来事で人の事が好きになんるんだったら世の中『カップル』だらけじゃねぇか!!

 俺を含む世の中の『陰キャ』達だってもっと日の目を見れているはずだ。

 だから絶対おかしい……何かあるはずだ……

 でも考えても今の俺では何も浮かんでこないけどな!!

 そ、そうだ!!

 この一件が落ち着いたら少し恥ずかしいけど、母さんに相談してみよう。

 俺の母さんは学生時代『ミスコン』で優勝したこともある『超陽キャ』な人だからな。

 何か良いアドバイスをしてくれるかもしれないぞ……


「は~い、現在の戦績は~一勝一敗の五分で~す!! それではあまり時間も無いので速やかに『中堅戦』を始めたいと思いますので両者、前に出て来てくださいね~?」


 さぁ、次は『中堅戦』か……

 ん? 上杉カイトが出て来たぞ。

 唯一の男子なのに奴は『副将』では無いんだな?


「さぁ、俺の相手は誰なのかな~? 俺の手を握れるなんてとても幸せだね~」

 相変わらずウザイ奴だ……

「私があなたの相手よ……」

 あれは見た目がギャルの麻美子って呼ばれている人だな。

「『中堅戦』を戦うのは~『内藤麻美子ないとうまみこちゃん』と上杉カイト君で~す!!」





―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。

お互い一勝一敗で前半は終了。
そんな中、颯は何故自分の事を学園の美少女達が急に好きになったのかが不思議で仕方が無かった。

そして色々と考えているうちに『中堅戦』が始まろうとしている。

どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。

NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。 中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。 しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。 助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。 無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。 だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。 この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。 この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった…… 7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか? NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。 ※この作品だけを読まれても普通に面白いです。 関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】     【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…

senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。 地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。 クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。 彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。 しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。 悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。 ――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。 謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。 ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。 この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。 陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!

処理中です...