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第8章 中庭の合戦編
第41話 直江カノン
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『中堅戦』を戦うのは武田チームから三年の『内藤麻美子さん』……そして対する上杉チームからは上杉カイト……
俺としてはどちらのチームが勝っても地獄としか思えなけど、この上杉カイトだけは絶対に負けて欲しい気持ちになっちまうぜ。
べ、別に俺が『陰キャ』だから『陽キャ』の上杉を妬んで言っている訳じゃ無いからな!!
「内藤麻美子先輩でしたっけ~? 優しく手を握りますからご安心を~」
「あら、そうなの? 嬉しいわカイト君……お姉さんに優しくしてね?」
「ハハハハ、ハイハイ……優しくさせてもらいますよ~もう仕方ないなぁ……」
何だ、この嘘っぽい二人の会話は?
「 「麻美子ちゃん、頑張ってーっ!!」 」
「 「キャー!! カイト様~っ!! ファイト~ッ!!」 」
上杉の奴、入学してまだあまり日にちが経っていないのに、もうアレだけのファンがいるのかよ……
「それでは中堅戦を始めるわよ~? レディ~ゴ~ッ!!」
バシンッ!!
えっ?
それは一瞬の出来事だった……あまりにも早い決着……
そして俺の気分が唯一スッキリした場面……
「ウギャ―――――――――ッ!! いっ、痛て~よ―――――――――ッ!!!! お、俺の手首折れたかも――――――っ!?」
「カイト、大丈夫!?」
「あっ、姉貴~っ!! だ、大丈夫じゃ無いよ~っ!! ってか、何この人? めちゃくちゃ強いんですけどぉぉ??」
「ハッハッハッハ!! 上杉弟、お前は麻美子を舐めていただろう? まぁ、外部入学生だから仕方無いかもねぇ。他のメンバーなら麻美子の怪力を知っているから最初から真剣に命がけで麻美子に挑んでいたんだけどねぇ……」
「ちょっと待ってよ、静香!? 私の事を『怪力女』みたいな言い方しないでくれる!? たくさんのギャラリーもいるのに恥ずかしいじゃない!!」
「でも本当のことだし、そういう所が好きなあんたのファンも多いじゃない?」
「うぅぅ……姉貴、ゴメンよぉぉ……俺が油断したばっかりに……」
「いーえ、カイトが油断していなくても負けていたと思うわ。それだけ内藤麻美子は怪力の持ち主なのよ……」
「だからそこ!! 私の事を怪力って言わないでよ!!」
しかし驚いたな……あの『ギャル子』があんな怪力だったとは……
でもカイトも男のクセに情けないよなぁ……
ほんとあいつが良いのは顔だけなんだな?
俺は今年一番くらいの大声でお前を笑ってやったぞ!!
まぁ、心の中でだけどな……
これで武田チームが二勝かぁ……
「は~い、中堅戦があっけなく終わって~私しては全然、物足りないんだけど~次の『副将戦』は私を楽しませてよね~?」
やっぱ、この毛利さんは自分が楽しみたいだけなんじゃないのか!?
「は~い、続いて『副将戦』を行いますよ~!! さぁ、副将さんは早く前に出て来てくれるかな~?」
遂に『副将戦』かぁ……
で、武田チームがずっと怒り口調だった『野々花』っていう人だな?
そして上杉チームで残っているのは……
「やっと私の出番が来たわね……待ち疲れちゃったわ……」
「カノン、お願い! もう後が無いわ!! あなただけが頼りだから……」
「お任せください、ケイト先輩!! 私が今までケイト先輩の期待を裏切ったことがありましたかぁ?」
「そうね。あなたはいつも私の期待通りの働きをしてくれる子だわ。相手の副将、馬場野々花も強敵だから油断だけはしないでね?」
「はい、分かりました」
「ということで~『副将戦』は武田チームが『馬場野々花ちゃん』で~上杉チームが『直江カノンちゃん』で~す!!」
【徳川サイド】
「そういえば前田君?」
「何だい、伊緒奈ちゃん?」
「今、副将で出て来た二年生の『直江カノン』は前田君にとっても要注意人物かもしれないわよ」
「えっ、何で!?」
「あの直江さんは二年生……いえ、昨年の一年生の頃、一年間ずっと学年一位だった人なの」
「そっ、そうなのかい!? そ、それは凄いなぁ……」
「そのお陰で前田君の大好きな羽柴さんは毎回二位止りだったのよ……」
「なるほど、そういうことか……それで陽菜ちゃんは去年、ひたすら勉強をしていたんだな? それで俺と全然遊んでくれなかったんだ……でも俺がその直江さんを要注意人物だと思ったところで何の役にも立てないような……直江さんが生徒会長に立候補でもすれば分からないけど今年『上杉一派』は織田会長を支持するんだろ? ってことは直江さんが立候補するはずも無いし……」
「フフフ……それは分からないわよ……」
「えっ? どういうこと?」
「華ちゃんはもう戻っているのかなぁ?」
「はい、ここにいますよ……」
「 「うわっ!! ビックリしたーっ!!」 」
「は、華子……マジで心臓に悪いわよ!!」
「太鳳こそ、そろそろ私の登場の仕方に慣れてくれないかな?」
「ところで華ちゃん、生徒会室の様子はどうだったかしら?」
「はい、予想通り、食後に紅茶なんてオシャレなものを飲んでいましたので、伊緒奈さんの指示通りに目立つところに置手紙をしてきました」
「フフフ……さすがは華ちゃん、ご苦労様……」
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
予想以上にショボい上杉カイト
逆にギャル子の内藤麻美子は怪力の持ち主だった。
そして続いて登場したのは副将の馬場野々花対直江カノン
その直江カノンは昨年、学年一位の秀才らしいが、果たして腕相撲はどうなのか?
また伊緒奈が華子を使い何やら不穏な動きも?
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
俺としてはどちらのチームが勝っても地獄としか思えなけど、この上杉カイトだけは絶対に負けて欲しい気持ちになっちまうぜ。
べ、別に俺が『陰キャ』だから『陽キャ』の上杉を妬んで言っている訳じゃ無いからな!!
「内藤麻美子先輩でしたっけ~? 優しく手を握りますからご安心を~」
「あら、そうなの? 嬉しいわカイト君……お姉さんに優しくしてね?」
「ハハハハ、ハイハイ……優しくさせてもらいますよ~もう仕方ないなぁ……」
何だ、この嘘っぽい二人の会話は?
「 「麻美子ちゃん、頑張ってーっ!!」 」
「 「キャー!! カイト様~っ!! ファイト~ッ!!」 」
上杉の奴、入学してまだあまり日にちが経っていないのに、もうアレだけのファンがいるのかよ……
「それでは中堅戦を始めるわよ~? レディ~ゴ~ッ!!」
バシンッ!!
えっ?
それは一瞬の出来事だった……あまりにも早い決着……
そして俺の気分が唯一スッキリした場面……
「ウギャ―――――――――ッ!! いっ、痛て~よ―――――――――ッ!!!! お、俺の手首折れたかも――――――っ!?」
「カイト、大丈夫!?」
「あっ、姉貴~っ!! だ、大丈夫じゃ無いよ~っ!! ってか、何この人? めちゃくちゃ強いんですけどぉぉ??」
「ハッハッハッハ!! 上杉弟、お前は麻美子を舐めていただろう? まぁ、外部入学生だから仕方無いかもねぇ。他のメンバーなら麻美子の怪力を知っているから最初から真剣に命がけで麻美子に挑んでいたんだけどねぇ……」
「ちょっと待ってよ、静香!? 私の事を『怪力女』みたいな言い方しないでくれる!? たくさんのギャラリーもいるのに恥ずかしいじゃない!!」
「でも本当のことだし、そういう所が好きなあんたのファンも多いじゃない?」
「うぅぅ……姉貴、ゴメンよぉぉ……俺が油断したばっかりに……」
「いーえ、カイトが油断していなくても負けていたと思うわ。それだけ内藤麻美子は怪力の持ち主なのよ……」
「だからそこ!! 私の事を怪力って言わないでよ!!」
しかし驚いたな……あの『ギャル子』があんな怪力だったとは……
でもカイトも男のクセに情けないよなぁ……
ほんとあいつが良いのは顔だけなんだな?
俺は今年一番くらいの大声でお前を笑ってやったぞ!!
まぁ、心の中でだけどな……
これで武田チームが二勝かぁ……
「は~い、中堅戦があっけなく終わって~私しては全然、物足りないんだけど~次の『副将戦』は私を楽しませてよね~?」
やっぱ、この毛利さんは自分が楽しみたいだけなんじゃないのか!?
「は~い、続いて『副将戦』を行いますよ~!! さぁ、副将さんは早く前に出て来てくれるかな~?」
遂に『副将戦』かぁ……
で、武田チームがずっと怒り口調だった『野々花』っていう人だな?
そして上杉チームで残っているのは……
「やっと私の出番が来たわね……待ち疲れちゃったわ……」
「カノン、お願い! もう後が無いわ!! あなただけが頼りだから……」
「お任せください、ケイト先輩!! 私が今までケイト先輩の期待を裏切ったことがありましたかぁ?」
「そうね。あなたはいつも私の期待通りの働きをしてくれる子だわ。相手の副将、馬場野々花も強敵だから油断だけはしないでね?」
「はい、分かりました」
「ということで~『副将戦』は武田チームが『馬場野々花ちゃん』で~上杉チームが『直江カノンちゃん』で~す!!」
【徳川サイド】
「そういえば前田君?」
「何だい、伊緒奈ちゃん?」
「今、副将で出て来た二年生の『直江カノン』は前田君にとっても要注意人物かもしれないわよ」
「えっ、何で!?」
「あの直江さんは二年生……いえ、昨年の一年生の頃、一年間ずっと学年一位だった人なの」
「そっ、そうなのかい!? そ、それは凄いなぁ……」
「そのお陰で前田君の大好きな羽柴さんは毎回二位止りだったのよ……」
「なるほど、そういうことか……それで陽菜ちゃんは去年、ひたすら勉強をしていたんだな? それで俺と全然遊んでくれなかったんだ……でも俺がその直江さんを要注意人物だと思ったところで何の役にも立てないような……直江さんが生徒会長に立候補でもすれば分からないけど今年『上杉一派』は織田会長を支持するんだろ? ってことは直江さんが立候補するはずも無いし……」
「フフフ……それは分からないわよ……」
「えっ? どういうこと?」
「華ちゃんはもう戻っているのかなぁ?」
「はい、ここにいますよ……」
「 「うわっ!! ビックリしたーっ!!」 」
「は、華子……マジで心臓に悪いわよ!!」
「太鳳こそ、そろそろ私の登場の仕方に慣れてくれないかな?」
「ところで華ちゃん、生徒会室の様子はどうだったかしら?」
「はい、予想通り、食後に紅茶なんてオシャレなものを飲んでいましたので、伊緒奈さんの指示通りに目立つところに置手紙をしてきました」
「フフフ……さすがは華ちゃん、ご苦労様……」
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
予想以上にショボい上杉カイト
逆にギャル子の内藤麻美子は怪力の持ち主だった。
そして続いて登場したのは副将の馬場野々花対直江カノン
その直江カノンは昨年、学年一位の秀才らしいが、果たして腕相撲はどうなのか?
また伊緒奈が華子を使い何やら不穏な動きも?
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