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第16章 美少女達の駆け引き編
第97話 長曾我部千夏
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【昼休みの中庭】
久しぶりに中庭に来たよなぁ……
あの静香さんとケイトさんの『腕相撲対決』以来だな。
しかし、茂香さんは一体誰を生徒会長に推すんだろうか?
それにしても今回、伊緒奈達は付いてきていないみたいだな。
伊緒奈曰くだいたい見当はついているから後で教えてくれればいいって言っていたけど、本当に誰なんだろう……?
ん? 茂香さんの姿が見えたぞ。
茂香さんの両横にいるのは……ああ、やはり吉川さんと小早川さんだな。
でも小早川さんの隣にもう一人いるけども……金髪?
あーっ!! あ、あの金髪ギャルの顔は知っているぞ!!
中等部の頃、同じクラスだった様な気が……でも名前は覚えていないけど……
「も、茂香さん……お待たせしました……」
「いえいえ、私の方こそ急に呼び出しちゃってゴメンね~?」
「いや、そんな事は……」
それにしても茂香さん以外はめちゃくちゃ不機嫌そうな表情をしているけど大丈夫なのか? 俺、殴られるんじゃないだろうな?
「茂香ねぇ? せっかくの昼休みなんだから早くこの子に千夏を紹介してよ? ってか、別に私達まで一緒にいる必要無いじゃない!?」
うわっ、やっぱり吉川さんは怒っているぞ。
余程、茂香さんが俺の事を好きだと言う事が気に入らないんだろうなぁ……
一応、この間の『コスプレ大会』で優勝した事を褒めた方が良いかもしれないな?
「あ、あのぉ……吉川さん?」
「何よ!?」
こ、怖っ!!
「こ、この間の『魔法少女ローラちゃん』のコスプレ凄く良かったです!! あんな完璧なコスプレ見た事が無いですよ……」
「えっ? ああ、ありがとう……あんた、あのキャラ知っているのね?」
「勿論ですよ!! 俺はあのアニメの大ファンですから」
「ふーん、そうなんだぁ……」
おっ? これは良い感触じゃないのか?
「ちょっと君!? 私のピュアちゃんのコスプレの感想も聞かせてよ~?」
「えっ? ああ、小早川さんの『魔法少女ピュアちゃん』のコスプレも本物同然に可愛らしかったですよ。俺、久しぶりに興奮しましたから……」
「あら~そうなのぉ? 君って『分かる人』なのね~?」
「もう何よ、二人共~? あれだけ毛嫌いしていた颯君にコスプレを褒められたら手のひらを返す様な態度になっちゃって~これであなた達も颯君がとても素敵な人だと分かってくれたのかな~? あっ、でも颯君は私だけのものだから絶対に手を出しちゃダメよ~?」
「わ、分かってるよ、茂香ねぇ!!」
「うん、茂香お姉ちゃんの邪魔はしないわよ~」
はぁ、良かったぁ……俺もこの二人に嫌われたままってのは嫌だからなぁ……
「フンッ、相変わらずアンタは『陰キャオタク』だねぇ!? 最近、学園の人気者達に好かれまくってるって聞いていたから少しは変わったのかなぁって思ってたけどさ、中等部の頃と全然変わってないじゃん!!」
「えっ?」
も、もしかしてこの金髪ギャルは俺の事を覚えているのか?
「あら、千夏ちゃん? 颯君の事を知っているの? それじゃぁ話が早いわね~」
「ええ、知ってるっすよ。この『陰キャオタク』とは中等部一年の時に同じクラスだったんっすよ。ずっとボッチで何をするのも同じボッチだった魔冬とコンビで動いていたよねぇ?」
「ま、まぁ……そうだね……」
な、何だこの女は!?
いきなり口を開いたかと思えば失礼な事を言いやがって!!
でも、この金髪ギャルは全然目立たなかった俺の事を覚えていたのか?
「魔冬は二年になってからも性格は変わらないっすけど行動や容姿が変わってきていつの間にか『陽キャ』の仲間入りをしたし、ついにこの間の中間テストでは学年一位になりましたからねぇ……今ではあーしの最大のライバルっすよ!!」
「へぇ、そうだったんだぁ……でも颯君にそんなヒドイ言い方は止めてよね~将来、私の旦那様になる可能性だってあるんだからね~」
だ、旦那様って……
「茂香ねぇ、マジかっ!? で、いつ式を挙げるんだ!?」
吉川さん、あんたバカなのか!?
「うーん、いつにしようかなぁ……」
オイオイオイッ、茂香さん!?
「毛利先輩? そんな事はどうでもいいっすから早く話を終わらせてくださいよ!? あーし、弁当だけじゃ足らなくて購買でパンを買おうと思ってるんすよ」
この金髪ギャルはスタイル抜群だけど大食いの気があるのか!?
「ゴメンゴメン千夏ちゃん。早く話を進めないといけないわね? でね、颯君? 昨日ラインに書いた通りで今度の生徒会長選挙にこの子に立候補してもらおうと思っているのよ~」
「そ、そうなんですね……」
「颯君は千夏ちゃんの名前は知っているのかな~?」
「す、すみません……名前は覚えていないんです……」
「な、何だとーっ!? アンタ、あーしの名前を覚えてないのかよ!? あーしでさえ、あんたみたいな『陰キャオタク』の名前を覚えているのにさ!! たしかアンタの名前は竹山だろっ!?」
「た、竹中だよ!!」
「えっ、嘘を言うなっつうの!!」
何で俺が嘘を言わなくちゃいけねぇんだよ!?
「まぁ、どっちでもいいっつうの!!」
いいことねぇし……
「でさ、あーしの名前は長曾我部千夏だ!! 絶対に忘れるなよ!? ちなみにクラスは一年二組であんたとは隣のクラスだからな!!」
「二組の長曾我部……あっ!?」
「フンッ、やっとあーしの事を思い出したのかい? でも今更遅いけどな!!」
「いや、違う事を思い出して……」
「違う事って何だよ!?」
長曾我部と言えば前に八雲が言っていた二組で一番人気の女子じゃないか。
それに……
こ、この金髪ギャルが一番人気だったとは……
まぁ、顔は悪く無いとは思うけど……いや、よーく見れば可愛いかも……っていうかもう少し化粧を薄めにすれば結構な美少女なのかもしれないけども……
「あんた、何あーしの顔をジロジロ見てるんだ!? キモイんだよ!!」
く、くそぉぉ……
俺はこの長曾我部を見て非常に悔しい気持ちになってしまった。
何故なら、この長曾我部千夏はこんな見た目なのに中間テストでは学年四位だからだ。
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
新キャラ登場!!
そして茂香は彼女を生徒会長に推す考えらしい。
今後、長曾我部千夏は颯とどんな絡み方をしてくるのか?
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆
久しぶりに中庭に来たよなぁ……
あの静香さんとケイトさんの『腕相撲対決』以来だな。
しかし、茂香さんは一体誰を生徒会長に推すんだろうか?
それにしても今回、伊緒奈達は付いてきていないみたいだな。
伊緒奈曰くだいたい見当はついているから後で教えてくれればいいって言っていたけど、本当に誰なんだろう……?
ん? 茂香さんの姿が見えたぞ。
茂香さんの両横にいるのは……ああ、やはり吉川さんと小早川さんだな。
でも小早川さんの隣にもう一人いるけども……金髪?
あーっ!! あ、あの金髪ギャルの顔は知っているぞ!!
中等部の頃、同じクラスだった様な気が……でも名前は覚えていないけど……
「も、茂香さん……お待たせしました……」
「いえいえ、私の方こそ急に呼び出しちゃってゴメンね~?」
「いや、そんな事は……」
それにしても茂香さん以外はめちゃくちゃ不機嫌そうな表情をしているけど大丈夫なのか? 俺、殴られるんじゃないだろうな?
「茂香ねぇ? せっかくの昼休みなんだから早くこの子に千夏を紹介してよ? ってか、別に私達まで一緒にいる必要無いじゃない!?」
うわっ、やっぱり吉川さんは怒っているぞ。
余程、茂香さんが俺の事を好きだと言う事が気に入らないんだろうなぁ……
一応、この間の『コスプレ大会』で優勝した事を褒めた方が良いかもしれないな?
「あ、あのぉ……吉川さん?」
「何よ!?」
こ、怖っ!!
「こ、この間の『魔法少女ローラちゃん』のコスプレ凄く良かったです!! あんな完璧なコスプレ見た事が無いですよ……」
「えっ? ああ、ありがとう……あんた、あのキャラ知っているのね?」
「勿論ですよ!! 俺はあのアニメの大ファンですから」
「ふーん、そうなんだぁ……」
おっ? これは良い感触じゃないのか?
「ちょっと君!? 私のピュアちゃんのコスプレの感想も聞かせてよ~?」
「えっ? ああ、小早川さんの『魔法少女ピュアちゃん』のコスプレも本物同然に可愛らしかったですよ。俺、久しぶりに興奮しましたから……」
「あら~そうなのぉ? 君って『分かる人』なのね~?」
「もう何よ、二人共~? あれだけ毛嫌いしていた颯君にコスプレを褒められたら手のひらを返す様な態度になっちゃって~これであなた達も颯君がとても素敵な人だと分かってくれたのかな~? あっ、でも颯君は私だけのものだから絶対に手を出しちゃダメよ~?」
「わ、分かってるよ、茂香ねぇ!!」
「うん、茂香お姉ちゃんの邪魔はしないわよ~」
はぁ、良かったぁ……俺もこの二人に嫌われたままってのは嫌だからなぁ……
「フンッ、相変わらずアンタは『陰キャオタク』だねぇ!? 最近、学園の人気者達に好かれまくってるって聞いていたから少しは変わったのかなぁって思ってたけどさ、中等部の頃と全然変わってないじゃん!!」
「えっ?」
も、もしかしてこの金髪ギャルは俺の事を覚えているのか?
「あら、千夏ちゃん? 颯君の事を知っているの? それじゃぁ話が早いわね~」
「ええ、知ってるっすよ。この『陰キャオタク』とは中等部一年の時に同じクラスだったんっすよ。ずっとボッチで何をするのも同じボッチだった魔冬とコンビで動いていたよねぇ?」
「ま、まぁ……そうだね……」
な、何だこの女は!?
いきなり口を開いたかと思えば失礼な事を言いやがって!!
でも、この金髪ギャルは全然目立たなかった俺の事を覚えていたのか?
「魔冬は二年になってからも性格は変わらないっすけど行動や容姿が変わってきていつの間にか『陽キャ』の仲間入りをしたし、ついにこの間の中間テストでは学年一位になりましたからねぇ……今ではあーしの最大のライバルっすよ!!」
「へぇ、そうだったんだぁ……でも颯君にそんなヒドイ言い方は止めてよね~将来、私の旦那様になる可能性だってあるんだからね~」
だ、旦那様って……
「茂香ねぇ、マジかっ!? で、いつ式を挙げるんだ!?」
吉川さん、あんたバカなのか!?
「うーん、いつにしようかなぁ……」
オイオイオイッ、茂香さん!?
「毛利先輩? そんな事はどうでもいいっすから早く話を終わらせてくださいよ!? あーし、弁当だけじゃ足らなくて購買でパンを買おうと思ってるんすよ」
この金髪ギャルはスタイル抜群だけど大食いの気があるのか!?
「ゴメンゴメン千夏ちゃん。早く話を進めないといけないわね? でね、颯君? 昨日ラインに書いた通りで今度の生徒会長選挙にこの子に立候補してもらおうと思っているのよ~」
「そ、そうなんですね……」
「颯君は千夏ちゃんの名前は知っているのかな~?」
「す、すみません……名前は覚えていないんです……」
「な、何だとーっ!? アンタ、あーしの名前を覚えてないのかよ!? あーしでさえ、あんたみたいな『陰キャオタク』の名前を覚えているのにさ!! たしかアンタの名前は竹山だろっ!?」
「た、竹中だよ!!」
「えっ、嘘を言うなっつうの!!」
何で俺が嘘を言わなくちゃいけねぇんだよ!?
「まぁ、どっちでもいいっつうの!!」
いいことねぇし……
「でさ、あーしの名前は長曾我部千夏だ!! 絶対に忘れるなよ!? ちなみにクラスは一年二組であんたとは隣のクラスだからな!!」
「二組の長曾我部……あっ!?」
「フンッ、やっとあーしの事を思い出したのかい? でも今更遅いけどな!!」
「いや、違う事を思い出して……」
「違う事って何だよ!?」
長曾我部と言えば前に八雲が言っていた二組で一番人気の女子じゃないか。
それに……
こ、この金髪ギャルが一番人気だったとは……
まぁ、顔は悪く無いとは思うけど……いや、よーく見れば可愛いかも……っていうかもう少し化粧を薄めにすれば結構な美少女なのかもしれないけども……
「あんた、何あーしの顔をジロジロ見てるんだ!? キモイんだよ!!」
く、くそぉぉ……
俺はこの長曾我部を見て非常に悔しい気持ちになってしまった。
何故なら、この長曾我部千夏はこんな見た目なのに中間テストでは学年四位だからだ。
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
新キャラ登場!!
そして茂香は彼女を生徒会長に推す考えらしい。
今後、長曾我部千夏は颯とどんな絡み方をしてくるのか?
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