26 / 35
第26話 上空からの監視者
しおりを挟む
――カキーンッ!
暗闇の中、火花が舞い散る室内で、セドリックは急襲者の攻撃を一振りの長剣で受け止めた。
「て、てめぇ寝てたんじゃねぇのか!?」
「貴様らの気配に気付かぬ俺ではないわ!」
セドリックはベッド脇に置いた長剣を手にし、悪党たちと対峙した。
「あのオス、予想以上に行為が早く終わってしまったため、狸寝入りをしていたと思われます」
「……そうなんだ」
クローが真面目な口調で説明するが、この状況でその話はどうでもいい。
「勝負あり、ですね」
「そうだな」
セドリックは腐っても帝国の聖騎士だ。街のゴロツキが敵うような相手ではない。悪党たちは一瞬で床に倒れ伏せ、女はシーツを捨て、全裸で逃げ出した。
「まったく、ろくでもない連中だな」
お前がいうなと思ってしまう。
翌朝、セドリックは列車に乗り込んだ。行き先はおそらく帝都だろう。帰りたくないと言っていたけれど、主君に報告しなければならない。どうやらそれが彼にとっては嫌なことのようで、朝からずっと胃を押さえていた。
「くそっ、なぜ俺がこんな目に遭わなければいけないんだ」
セドリックは不満を漏らしながらも、前方の貴族車両から後方の一般車両へと移動した。
俺は時速60キロで走る列車に並んで飛んだ。
帝国が運営する帝国鉄道の列車は、通常は10両編成だ。1両目から4両目までが貴族車両で、5両目は食堂車だ。6両目と7両目は一般車両で、質素な作りとなっていた。8両目から10両目は貨物列車で、ここには荷物だけでなく、僅かながら人も乗っている。車掌などを買収し、商売目的で乗り込んだ娼婦たちが積荷に紛れて列車に乗っているのだ。別名、売春車両とも呼ばれている。長い列車の旅は退屈だ。貴族相手に娼婦が商売する上で、列車ほど適した場所はない。
食堂を抜けて一般車両を歩くセドリックの目的は、どうやら売春車両のようだ。昨夜の出来事からは何も学んでいないようだ。
「――――」
そのとき、もう一匹の使い魔、ブランキーからソウルテレパシーによる連絡が入った。
「何か問題か?」
『不自然に屋敷の上空を旋回している鳥がいるにゃ』
「鳥……?」
『あまり見たことのない鳥にゃ』
「その鳥の特徴は?」
『頭のはげた鳥にゃ』
「もっと詳しく」
『白くはげた頭部と、白い尾を持つ大きな鳥にゃ』
「主、それは恐らくハクトウワシだと思われます」
とは、同じ鳥科のクローだ。
「珍しいのか?」
「あの辺りを縄張りにしているのはイヌワシです。ハクトウワシがいるのは確かに不自然だと思われます」
クラーク公爵、あるいはシュナイゼル殿下が偵察用の使い魔を送り込んできた可能性が高いな。
「セドリックの監視はお前に任せる」
「御意」
俺はクローとの精神融合を解除し、そのままブランキーとの精神融合を開始する。
「にゃー」
テレサの花壇周辺で、蝶を追いかけるフリをしながら上空を確認する。
「(あいつだにゃ)」
ブランキーの言う通り、確かに不自然な鳥が屋敷の上空を旋回している。
「(あれは黒だな)」
「(魔法で撃ち落とすかにゃ?)」
「(いや、地上からでは仕留め損ねる可能性がある。殺るなら確実に、だ。お前は引き続きレーヴェンたちの護衛を頼む)」
「(了解にゃ!)」
俺は精神融合から自分の肉体に帰還し、ベッドから飛び起きた。
「よっと」
慎重に穴蔵から抜け出す。
一般的に鷹や鷲は人よりも8倍から10倍ほど目が優れていると言われている。遠くの獲物を見つける能力が非常に高いため、偵察用の使い魔として使役する者が多い。俺のように偵察には向かない鴉を使い魔にする者は稀だ。
しかし、それにも利点がある。
一般的に偵察用に使われる鷹や鷲とは異なり、偵察用には向かない鴉は使い魔だと疑念を抱かれにくいという利点がある。それに、鴉はどこにでも生息しており、敵に怪しまれずに偵察ができる点で非常に優れた使い魔だ。加えて鴉は賢く、頭のいい使い魔は情報収集において頼りになる。
「さて、仕留めるなら気づかれず、確実に排除しないとな」
姿を見られれば、敵の魔導師に情報を与えてしまうことになる。帝国のライフル銃が手に入れば理想的だが、そんな贅沢は無理だろう。
錬金術で作るにしても、今から材料を集めるのは困難だ。
「ならば」
ここでは手っ取り早く作れる弓が最適だ。必要な材料はすべて森で手に入る。弓は木、弦は麻、それに苧から作れる。
「あとはこれを錬金術で錬成すれば、大弓が完成する」
鏃には鉄を使いたかったが、木でも十分貫けるだろう。
俺はハクトウワシに見つからないよう、慎重かつ迅速に森を進む。
「ここまで離れたなら、見つかる心配はないだろう」
俺は飛空魔法を発動し、高度2000メートルからハクトウワシを捉えるため、千里眼を使用する。
「一発で、確実に仕留めてやる」
俺は目を細めて的を絞り、流れるような動きで大弓を構え、矢をつがえた。引き絞る弦が音を立てる。
「……」
屋敷上空を旋回するハクトウワシのリズムに呼吸を合わせ、風魔法をまとわせた矢を一気に放つ。音もなく放たれた矢は音速を超え、ハクトウワシの体に突き刺さると同時に爆発。ハクトウワシの体は空中で木っ端微塵に吹き飛ばされた。
「ん……?」
まずい、非常にまずい。
ハクトウワシに夢中になりすぎて、真下にいるメイド長の存在に気付かなかった。
「血……?」
晴れ渡る青空から突然鮮血の雨が降ってきたことに、メイド長が疑念を抱いている。
俺はやってしまったと、しばらくその場で右往左往していた。
暗闇の中、火花が舞い散る室内で、セドリックは急襲者の攻撃を一振りの長剣で受け止めた。
「て、てめぇ寝てたんじゃねぇのか!?」
「貴様らの気配に気付かぬ俺ではないわ!」
セドリックはベッド脇に置いた長剣を手にし、悪党たちと対峙した。
「あのオス、予想以上に行為が早く終わってしまったため、狸寝入りをしていたと思われます」
「……そうなんだ」
クローが真面目な口調で説明するが、この状況でその話はどうでもいい。
「勝負あり、ですね」
「そうだな」
セドリックは腐っても帝国の聖騎士だ。街のゴロツキが敵うような相手ではない。悪党たちは一瞬で床に倒れ伏せ、女はシーツを捨て、全裸で逃げ出した。
「まったく、ろくでもない連中だな」
お前がいうなと思ってしまう。
翌朝、セドリックは列車に乗り込んだ。行き先はおそらく帝都だろう。帰りたくないと言っていたけれど、主君に報告しなければならない。どうやらそれが彼にとっては嫌なことのようで、朝からずっと胃を押さえていた。
「くそっ、なぜ俺がこんな目に遭わなければいけないんだ」
セドリックは不満を漏らしながらも、前方の貴族車両から後方の一般車両へと移動した。
俺は時速60キロで走る列車に並んで飛んだ。
帝国が運営する帝国鉄道の列車は、通常は10両編成だ。1両目から4両目までが貴族車両で、5両目は食堂車だ。6両目と7両目は一般車両で、質素な作りとなっていた。8両目から10両目は貨物列車で、ここには荷物だけでなく、僅かながら人も乗っている。車掌などを買収し、商売目的で乗り込んだ娼婦たちが積荷に紛れて列車に乗っているのだ。別名、売春車両とも呼ばれている。長い列車の旅は退屈だ。貴族相手に娼婦が商売する上で、列車ほど適した場所はない。
食堂を抜けて一般車両を歩くセドリックの目的は、どうやら売春車両のようだ。昨夜の出来事からは何も学んでいないようだ。
「――――」
そのとき、もう一匹の使い魔、ブランキーからソウルテレパシーによる連絡が入った。
「何か問題か?」
『不自然に屋敷の上空を旋回している鳥がいるにゃ』
「鳥……?」
『あまり見たことのない鳥にゃ』
「その鳥の特徴は?」
『頭のはげた鳥にゃ』
「もっと詳しく」
『白くはげた頭部と、白い尾を持つ大きな鳥にゃ』
「主、それは恐らくハクトウワシだと思われます」
とは、同じ鳥科のクローだ。
「珍しいのか?」
「あの辺りを縄張りにしているのはイヌワシです。ハクトウワシがいるのは確かに不自然だと思われます」
クラーク公爵、あるいはシュナイゼル殿下が偵察用の使い魔を送り込んできた可能性が高いな。
「セドリックの監視はお前に任せる」
「御意」
俺はクローとの精神融合を解除し、そのままブランキーとの精神融合を開始する。
「にゃー」
テレサの花壇周辺で、蝶を追いかけるフリをしながら上空を確認する。
「(あいつだにゃ)」
ブランキーの言う通り、確かに不自然な鳥が屋敷の上空を旋回している。
「(あれは黒だな)」
「(魔法で撃ち落とすかにゃ?)」
「(いや、地上からでは仕留め損ねる可能性がある。殺るなら確実に、だ。お前は引き続きレーヴェンたちの護衛を頼む)」
「(了解にゃ!)」
俺は精神融合から自分の肉体に帰還し、ベッドから飛び起きた。
「よっと」
慎重に穴蔵から抜け出す。
一般的に鷹や鷲は人よりも8倍から10倍ほど目が優れていると言われている。遠くの獲物を見つける能力が非常に高いため、偵察用の使い魔として使役する者が多い。俺のように偵察には向かない鴉を使い魔にする者は稀だ。
しかし、それにも利点がある。
一般的に偵察用に使われる鷹や鷲とは異なり、偵察用には向かない鴉は使い魔だと疑念を抱かれにくいという利点がある。それに、鴉はどこにでも生息しており、敵に怪しまれずに偵察ができる点で非常に優れた使い魔だ。加えて鴉は賢く、頭のいい使い魔は情報収集において頼りになる。
「さて、仕留めるなら気づかれず、確実に排除しないとな」
姿を見られれば、敵の魔導師に情報を与えてしまうことになる。帝国のライフル銃が手に入れば理想的だが、そんな贅沢は無理だろう。
錬金術で作るにしても、今から材料を集めるのは困難だ。
「ならば」
ここでは手っ取り早く作れる弓が最適だ。必要な材料はすべて森で手に入る。弓は木、弦は麻、それに苧から作れる。
「あとはこれを錬金術で錬成すれば、大弓が完成する」
鏃には鉄を使いたかったが、木でも十分貫けるだろう。
俺はハクトウワシに見つからないよう、慎重かつ迅速に森を進む。
「ここまで離れたなら、見つかる心配はないだろう」
俺は飛空魔法を発動し、高度2000メートルからハクトウワシを捉えるため、千里眼を使用する。
「一発で、確実に仕留めてやる」
俺は目を細めて的を絞り、流れるような動きで大弓を構え、矢をつがえた。引き絞る弦が音を立てる。
「……」
屋敷上空を旋回するハクトウワシのリズムに呼吸を合わせ、風魔法をまとわせた矢を一気に放つ。音もなく放たれた矢は音速を超え、ハクトウワシの体に突き刺さると同時に爆発。ハクトウワシの体は空中で木っ端微塵に吹き飛ばされた。
「ん……?」
まずい、非常にまずい。
ハクトウワシに夢中になりすぎて、真下にいるメイド長の存在に気付かなかった。
「血……?」
晴れ渡る青空から突然鮮血の雨が降ってきたことに、メイド長が疑念を抱いている。
俺はやってしまったと、しばらくその場で右往左往していた。
0
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
悪霊令嬢~死した聖女憎悪に染まりて呪いを成す~
女譜香あいす
ファンタジー
数え切れない人々をその身に宿す奇跡の力で救ってきた少女、サヤ・パメラ・カグラバ。
聖女と称えられた彼女であったが陰謀の末に愛した者から婚約破棄を言い渡され、友人達からも裏切られ、最後には命を奪われてしまう。
だがそのとき感じた怒りと悲しみ、そして絶望によって彼女の心は黒く歪み、果てにサヤは悪霊として蘇った。
そして、そんな彼女と世を憎みながらもただ生きる事しかできていなかった一人の少女が巡り合う事で、世界に呪いが拡がり始める事となる。
これは誰よりも清らかだった乙女が、憎悪の化身となりすべての人間に復讐を果たす物語。
※この作品は小説家になろうにも掲載しています。
追放された悪役令嬢、前世のスマホ知識で通信革命を起こしたら、王国に必須の存在になっていました
黒崎隼人
ファンタジー
公爵令嬢エリザは、婚約者の第二王子アルフォンスに身に覚えのない罪を着せられ、満座の中で婚約破棄と勘当を言い渡される。全てを奪われ、たった一人で追放されたのは、魔物が跋扈する寂れた辺境の地。
絶望の淵で、彼女の脳裏に蘇ったのは、現代日本で生きていた前世の記憶――人々がガラスの板で遠くの誰かと話す、魔法のような光景だった。
「これなら、私にも作れるかもしれない」
それは、この世界にはまだ存在しない「通信」という概念。魔石と魔術理論を応用し、彼女はたった一人で世界のあり方を変える事業を興すことを決意する。
頑固なドワーフ、陽気な情報屋、そして彼女の可能性を信じた若き辺境伯。新たな仲間と共に、エリザが作り上げた魔導通信端末『エル・ネット』は、辺境の地に革命をもたらし、やがてその評判は王都を、そして国全体を揺るがしていく。
一方、エリザを捨てた王子と異母妹は、彼女の輝かしい成功を耳にし、嫉妬と焦燥に駆られるが……時すでに遅し。
これは、偽りの断罪によって全てを失った令嬢が、その類まれなる知性と不屈の魂で自らの運命を切り拓き、やがて国を救う英雄、そして新時代の女王へと駆け上がっていく、痛快にして感動の逆転譚。
精霊に愛される(呪いにもにた愛)少女~全属性の加護を貰う~
如月花恋
ファンタジー
今この世界にはたくさんの精霊がいる
その精霊達から生まれた瞬間に加護を貰う
稀に2つ以上の属性の2体の精霊から加護を貰うことがある
まぁ大体は親の属性を受け継ぐのだが…
だが…全属性の加護を貰うなど不可能とされてきた…
そんな時に生まれたシャルロッテ
全属性の加護を持つ少女
いったいこれからどうなるのか…
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。
辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~
リーフレット
ファンタジー
「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」
帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。
アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。
帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。
死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。
「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」
「クビにされた俺、幸運スキルでスローライフ満喫中」
チャチャ
ファンタジー
突然、蒼牙の刃から追放された冒険者・ハルト。
だが、彼にはS級スキル【幸運】があった――。
魔物がレアアイテムを落とすのも、偶然宝箱が見つかるのも、すべて彼のスキルのおかげ。
だが、仲間は誰一人そのことに気づかず、無能呼ばわりしていた。
追放されたハルトは、肩の荷が下りたとばかりに、自分のためだけの旅を始める。
訪れる村で出会う人々。偶然拾う伝説級の装備。
そして助けた少女は、実は王国の姫!?
「もう面倒ごとはごめんだ」
そう思っていたハルトだったが、幸運のスキルが運命を引き寄せていく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる