もふもふすんすん

まめ

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※※フェンリルの番いが精霊姫な理由

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結婚の儀に国内は勿論、近隣の諸外国から要人や王族などが招かれやって来た

街も朝早くから二人を祝う祭りで賑わいを見せていた

チィの控え室がノックされた
「リア様、お支度は整いましたでしょうか?」
「ええ」
扉を開け宰相は固まった

そこには精霊姫の名に相応しく現の者とは思えない美しいチィが居た
「リア様…今日の主役らしく大変お美しい…。私は今夢の中に居るのでしょうか?」
「宰相さんたら、夢では困るわ」

そしてチィから漂うラルフの独占欲を表した匂い
「陛下は…本日の儀に備えてゆっくりお休みいただくようにお願い申し上げたのに…この匂い付け…。まあ、今のリア様のお姿を見れば納得もしようというところですが…」
「……そんなに、分かる?」
「城の敷地内に居る者全てが分かるでしょう…」
「…、恥ずかしくて部屋から出られない…」
「いえ、大丈夫ですよ。皆お二人の仲の良さは存じ上げておりますので。さあ、陛下もお待ちです。参りましょう」
正装をした宰相がエスコートの為に腕を差し出した
「お願いします」
腕に手を添え二人は歩き出した

扉の前に立ち宰相は涙声で言った
「こちらに来られてから、色々な事がございましたが、この日を迎えられ、本当に感無量です。末永く陛下とこの国の為に、幸せなお二人の姿を見続けさせて下さい。今日は私はリア様の爺代わりに立ち合わせていただきます」
「ありがとう、宰相さん」



ラルフと結婚の儀を終え、国の主要道を馬車でパレードに向かった

「チィ、このドレスの背中やっぱり空き過ぎ」
背中に手を添え、沿道で手を振る獣人達ににこやかに二人は手を振っていた
「トトったら、さっきからくすぐったい」
「…このドレスを着てるチィが悪い」
「気に入らない?」
「………、凄く気に入ってる」
「なら、良かった!トトをうっとりさせたくてこのデザインにしたもの!」
「うっとりどころか…知らないからね、チィ」
「何が?」
「トトの我慢にも限界があるってこと」
「我慢?」
「ほら、こっちじゃなくて向こう向いて手を振らなきゃ」

チィは何のことかよく分からなかったが、また手を振り出した

大勢の獣人達が集まる中、パレードのルートの中ほどで何処からか花弁が舞い始めた
色とりどりの花弁は二人を祝福するかのようにいつまでも舞っていた
「緑の精霊王の祝福かな?」
「ふふ、きっとそうね」

結婚の儀の際にチィが緑の精霊姫だと公にした
この国の始祖であるフェンリル王は精霊姫と結ばれた
始祖の再来として、国民達は盛大に祝福した
そしてこの花弁
皆、幸せを分かち合った


西の国境付近でも宴は催されていた
国王と精霊姫の結婚に皆浮かれていた
手配書に描かれた一人の男はニヤリと笑いながら悠々と国境を越えて行った






「チィ、やっぱりそのドレス姿、トト以外に見せて欲しくなかったな」
二人の居室でラルフはチィを後ろから抱きしめた
「トトをうっとりさせる為のドレスよ。他の人のことは考えてないわ」
「うん、うっとりするほど綺麗だ」
頬に唇にキスをしながらチィのドレスに手を掛けた
首筋からデコルテにかけてキスを落とし、ラルフはチィにこれからの初夜について説明した
「チィ、妃教育で閨について教えてもらっただろう?」
「…ええ。トトはフェンリルだから蜜月があるって…」
「そうだね」
会話の合間もラルフは肩に腕にキスをした
「昔は蜜月と言って、一ヶ月間二人で籠って交わり続けたみたいだけど、二人に取れたのは三日。だから三日間交わろうね」
「…うん」

少し緊張したチィを宥めるため半獣化して耳と尻尾を撫でさせた
スルリとドレスを脱がせ自らの服もさっと脱ぎ二人は裸で抱き合った

「チィ怖かったり、痛かったら背中を引っ掻いても良いからね」
「…うん」

ラルフは舌でチィの全身を味わうように舐めてはキスをした
チィの潤いを確認し指で優しく解し、少しずつチィの様子を確認しながら自身を充てがった

「チィ、一つになるよ」
優しく声を掛けながらラルフはチィの蜜路を進んだ
いくら解したとは言え、ラルフの男根はチィの身体に痛みを与えた
「ごめん、痛いよね。少しこのままで居るね」
繋がり始めた二人はお互いにキスをして労り合った
「トト、中に居るの、分かる…」
「うん、少しだけ挿入ったよ」
「少し…」
「痛みは落ち着いた?」
「…うん」
「ずっと痛いのは辛いだろうから、一気に挿入るね」
そう言ってラルフはグンと腰を押し進めた

ギュッと目を閉じ痛みを逃したのだろう、チィは息を止めていた

「チィ、全部挿入ったよ」
「身体が繋がってる…」
「そうだよ」
「トト、抱っこして…欲しい…」

繋がったままチィを抱き起こし膝の上に乗せた

「トト、愛してる…」
「チィ、トトもだよ。トトもチィを愛してる」

二人は舌を絡ませ合い一つになった

甘い甘い交わりだった




だが、昼間にラルフが口にした通り、我慢の限界だったのだろう
三日間交わるとの言葉そのままにラルフは抜かずに三日間交わり続けた
食事もチィの中に挿入ったまま、勿論湯浴みの時も…

フェンリルの番いが何故精霊姫なのか
精霊の血を引く者で無ければこのフェンリルの営みには付き合えないからだとチィは悟った…




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