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5 入学式
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オレの入学式の日が来た。
母さんと一緒に正門をくぐる。桜も咲いてキャンパスは華やかだった。たくさんの学生や保護者で賑わっている。
「ヒカリくんと別行動でも良かったの?」
「あぁ。向こうと大学違うしな。仕方ないよ」
オレとコウちゃんの入学式の前日から、オレと向こうの両親がやって来た。今、コウちゃん達は両親とホテルに滞在してる。
代わりにオレの母親がアパートに泊まってる。
「あんたがヒカリくんと離れても平気なんて珍しいわね」
「別に平気ってわけじゃないよ」
オレが拗ねたのを見て、母親は笑ってオレの背中を叩いた。
そう。別に平気って訳じゃない。
だけど今、オレはあえてコウちゃんと距離を開けていた。
数日前、コウちゃんと触れあってた時に、オレは途中で理性が吹き飛んで欲望のままコウちゃんを襲った。
冷静になった頃には、コウちゃんは気を失っていて。そのお腹の上にはオレとコウちゃんの精液がぶちまけられていた。
太ももはオレが無理やり素股を続けたせいで、赤く腫れて。コウちゃんの唇は、オレが無理をさせたせいか少し切れていた。
これじゃ陵辱だ。
それに気づいた時の絶望感と罪悪感。
好きだからこそ求めて、大切な人を傷つけてしまった。それは再びオレを臆病にさせた。
次の日、無理をしたせいで熱を出したコウちゃんはそれでも平気って言ってたけど。
もう二度とあんな理性を失う様な事をしたくない。だから、自分なりにどうにか出来るまで、もうコウちゃんを抱かない。そう決めたんだ。
それを聞いたコウちゃんは、また泣きそうになっていたけど。
ボーッと歩くオレに、先輩らしき人達がどんどんチラシを渡してくる。部活勧誘とか、色々だった。
「部活どうしようかな」
「サッカー部じゃないの?」
「うん、でもバイトもやりたいし…」
ちょうど手にしたチラシに釘付けになる。
「どうしたの?それ寮の紹介?」
「あ、まあ」
「コウくんと一緒に住んで今さら何を言ってるの?」
呆れた母親に、早く行くわよ!と急かされる。
とりあえずもらったチラシを鞄にしまって会場に向かった。
◆◆◆
僕の入学式がやって来た。
寝る場所の関係で、僕と両親はホテルに滞在した。
「スグルくんはすっかりカッコ良くなったね」
「本当ね。あんな大きくなって、最初分からなかったわ」
それが、たっくんに久しぶり会った両親の感想だった。たっくんは普段クールだから、年齢より大人っぽく見える。僕と逆だ。
でも僕は知ってる。
本当は普段はもっと子供ぽいとこもあるし、相変わらず食べるのが大好きだし、それに優しいし、意外に臆病なんだ。きっと僕だけが知ってるたっくんの素顔。
「あれじゃ女の子がほっとかないだろうな」
何気なく言ったパパの一言が、僕にグサリと突き刺さった。
高校時代のたっくんを思い出す。再会した時の彼女も可愛いかったし。塾でも人気だった。
体育大学だし、きっと男の人が多いと思うし…。大丈夫だよ…ね?
不安が首をもたげる。
この前、僕が2回目の気絶をしてから、たっくんはまた僕に手を出さなくなった。
僕に体力が無いから?
それとも身体の作りのせい?
女の子なら、ちゃんと受け止めれるのかな?
色々考えたら、いても立ってもいられなくて。久しぶりに会ったパパとママには悪いけど。僕は早くたっくんとの2人暮らしに戻りたい。
切実にそう思った。
入学式が終わって少しして、両親は帰って行った。たっくんのママも便は違うけど、帰る日は一緒だって。
早く、早くたっくんに会いたい!
パパとママを見送った後、僕は急いでアパートに帰った。
「たっくん、ただいま!」
居間には誰もいなかった。
部屋かな?
ノックして、たっくんの部屋を開ける。たっくんのスーツがかけてあったから、一度帰宅して、どこかに行ったみたいだ。
不安な気持ちになった僕の目に、それは飛び込んできた。学生向けのチラシみたいだった。
「え?」
たっくんの机に置かれたチラシの内容に、僕は青ざめた。
母さんと一緒に正門をくぐる。桜も咲いてキャンパスは華やかだった。たくさんの学生や保護者で賑わっている。
「ヒカリくんと別行動でも良かったの?」
「あぁ。向こうと大学違うしな。仕方ないよ」
オレとコウちゃんの入学式の前日から、オレと向こうの両親がやって来た。今、コウちゃん達は両親とホテルに滞在してる。
代わりにオレの母親がアパートに泊まってる。
「あんたがヒカリくんと離れても平気なんて珍しいわね」
「別に平気ってわけじゃないよ」
オレが拗ねたのを見て、母親は笑ってオレの背中を叩いた。
そう。別に平気って訳じゃない。
だけど今、オレはあえてコウちゃんと距離を開けていた。
数日前、コウちゃんと触れあってた時に、オレは途中で理性が吹き飛んで欲望のままコウちゃんを襲った。
冷静になった頃には、コウちゃんは気を失っていて。そのお腹の上にはオレとコウちゃんの精液がぶちまけられていた。
太ももはオレが無理やり素股を続けたせいで、赤く腫れて。コウちゃんの唇は、オレが無理をさせたせいか少し切れていた。
これじゃ陵辱だ。
それに気づいた時の絶望感と罪悪感。
好きだからこそ求めて、大切な人を傷つけてしまった。それは再びオレを臆病にさせた。
次の日、無理をしたせいで熱を出したコウちゃんはそれでも平気って言ってたけど。
もう二度とあんな理性を失う様な事をしたくない。だから、自分なりにどうにか出来るまで、もうコウちゃんを抱かない。そう決めたんだ。
それを聞いたコウちゃんは、また泣きそうになっていたけど。
ボーッと歩くオレに、先輩らしき人達がどんどんチラシを渡してくる。部活勧誘とか、色々だった。
「部活どうしようかな」
「サッカー部じゃないの?」
「うん、でもバイトもやりたいし…」
ちょうど手にしたチラシに釘付けになる。
「どうしたの?それ寮の紹介?」
「あ、まあ」
「コウくんと一緒に住んで今さら何を言ってるの?」
呆れた母親に、早く行くわよ!と急かされる。
とりあえずもらったチラシを鞄にしまって会場に向かった。
◆◆◆
僕の入学式がやって来た。
寝る場所の関係で、僕と両親はホテルに滞在した。
「スグルくんはすっかりカッコ良くなったね」
「本当ね。あんな大きくなって、最初分からなかったわ」
それが、たっくんに久しぶり会った両親の感想だった。たっくんは普段クールだから、年齢より大人っぽく見える。僕と逆だ。
でも僕は知ってる。
本当は普段はもっと子供ぽいとこもあるし、相変わらず食べるのが大好きだし、それに優しいし、意外に臆病なんだ。きっと僕だけが知ってるたっくんの素顔。
「あれじゃ女の子がほっとかないだろうな」
何気なく言ったパパの一言が、僕にグサリと突き刺さった。
高校時代のたっくんを思い出す。再会した時の彼女も可愛いかったし。塾でも人気だった。
体育大学だし、きっと男の人が多いと思うし…。大丈夫だよ…ね?
不安が首をもたげる。
この前、僕が2回目の気絶をしてから、たっくんはまた僕に手を出さなくなった。
僕に体力が無いから?
それとも身体の作りのせい?
女の子なら、ちゃんと受け止めれるのかな?
色々考えたら、いても立ってもいられなくて。久しぶりに会ったパパとママには悪いけど。僕は早くたっくんとの2人暮らしに戻りたい。
切実にそう思った。
入学式が終わって少しして、両親は帰って行った。たっくんのママも便は違うけど、帰る日は一緒だって。
早く、早くたっくんに会いたい!
パパとママを見送った後、僕は急いでアパートに帰った。
「たっくん、ただいま!」
居間には誰もいなかった。
部屋かな?
ノックして、たっくんの部屋を開ける。たっくんのスーツがかけてあったから、一度帰宅して、どこかに行ったみたいだ。
不安な気持ちになった僕の目に、それは飛び込んできた。学生向けのチラシみたいだった。
「え?」
たっくんの机に置かれたチラシの内容に、僕は青ざめた。
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