【完結】たっくんとコウちゃん【大学生編】

秋空花林

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6 誤解

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 オレがコウちゃんに誤解させた話をしよう。



 入学式の後、母親を見送って、用事を済ませてアパートに帰ると。

 コウちゃんと沢山のご馳走がオレを迎えてくれた。

「入学式のお祝いも兼ねて張り切っちゃった」

 コウちゃんはそう言うけど。

 オレの大好きな白米に。味噌汁、ポトフ、唐揚げ、ハンバーグ、肉じゃが、麻婆豆腐に、サラダに…あと何故かデザートも3種類くらいあった。

「何かあった?」

 オレの言葉にコウちゃんは笑顔で顔を振って、食べよ、って言ってきた。



 コウちゃんの手作り料理はとても美味かった。調理や料理系の道に進むって決めてから、また腕が上がったみたいだ。

「ごちそうさま。美味しかった。さすがにこれ以上は入らないや」
「大丈夫。冷凍すればいいから」

 片付け手伝おうかな、って何気なくコウちゃんを見たら。コウちゃんがジッとオレを見ていた。

「どうしたの?」
「僕の料理、どうだった?」
「とっても美味しかった。今日も最高だった」
「……っ」

 何故かコウちゃんの顔が泣きそうに歪んだ。オレは慌てて、コウちゃんの元に駆け寄る。

「どうした?」
「僕、毎日美味しい物たくさん作るから。体力もつく様に運動も頑張るし、たっくんが嫌ならHな事も我慢する」
「え?え?何で急に?」

 別にオレはHな事が嫌な訳じゃない!ただ、コウちゃんを傷つけないか心配なだけだ!

「だから、お願い、出て行かないで」

 ギュッとオレの服を掴んで抱きついてきたコウちゃんは。聞いてるこっちが胸が痛くなる程、辛そうな声で縋ってきた。



◆◆◆



 僕の勘違いした話をしよう。



「出てくって誰が?」

 たっくんが不思議そうに尋ねてきた。別にとぼけてる様子は無い。

「たっくんの部屋に学生寮のチラシがあった…。もしかして、出てくの?」
「あぁ、あれ?ちょっと待ってて」

 たっくんは部屋に戻るとチラシを持って来た。

「オレがチェックしてたのはココ」

 指さした場所には、学生寮の荷物運びのバイト募集だった。

「ちょうどいいバイトだと思って、入学式が終わってから行って来たんだ」

 だから帰りが遅かったんだ。なんだ、てっきり、僕に会いたくないのかと思った。

 安心してポロポロ涙が出てきた。

「良かった、たっくんが出て行くんじゃないかと心配で…」
「なわけないだろ?」

 たっくんが、ギューと抱きしめてくれる。

「言っただろ?オレはコウちゃんがいないと半分死んじゃうって。コウちゃんがいて生きてるって実感するって。だからオレから出て行く事は無い」
「でも、最近避けてたでしょ?」
「あれは…怖かったんだ。コウちゃんの事を好きすぎて、また襲ってボロボロにしちゃうんじゃ無いかって」

 大人ぽく見えて、本当は臆病なたっくん。

 なら僕が。

 そんなたっくんをリードしよう。

「じゃあ2人のルールを決めよう?」
「ルール?」
「うん。お互い暴走しないように、Hは2回までとか、2人の約束ごと」

 そうして僕らは2人の約束ごとを決めた。

 明日から学校が始まる。だから平日はHなし。する時は2回まで。僕の体力をみながら。

 あと、休みの日はたまにはデートする事。
 これは僕からのお願い。

 Hな事も興味あるけど。もっともっと普通の恋人同士みたいに、たっくんと沢山の想い出を作りたいんだ。


ーーー


 ウサギのコウちゃんが、オオカミたっくんに手綱をつけました。
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