【完結】たっくんとコウちゃん【大学生編】

秋空花林

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番外編 学祭編

2 オレの学祭2

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 オレの大好きな存在の話をしよう。

 そんなの、この世に1つしか存在しない。

 白くて、ちっこくて、可愛い。

 そして、逃げ足が速い奴。

 まるでウサギみたいだ。



「つかまえた」

 逃げ出したすばしっこいウサギを捕まえて、オレは建物の凹みに入り込んだ。

 そしてウサギを腕に抱きしめたまま見下ろした。

「声も掛けないで帰っちゃうの?コウちゃん」
「たっくん」
「寂しいな」

 オレの言葉に、恋人のコウちゃんはシュンと落ち込んだ様にうつむいた。

「え、と、その」
「ん?」

 オレはコウちゃんの言葉を待つ。

「たっくんのお友達がいたから。塾で一緒だったから、その、僕と付き合ってるのバレたらマズイかなって思って…」

 コウちゃんは言いながら、鼻を抑えてる。ちょっと顔が赤い。

「あ、ごめん。オレ臭いかも」

 鉄板前にいたし、走ったし、今も汗ダラダラだし。慌ててコウちゃんを離す。

「ううん、大丈夫」

 コウちゃんは少し後ずさった。

 そんなに臭かったかな?
 悪い事をした。

「オレはアイツらにバレても別にいいけど…」

 …イッキがいたな。

 ちゃんと自分で伝えるならまだしも、こんな感じでバレるのは、何か違う気がした。

「分かった。じゃあ、ちょっと抜けて来るから。少しだけ2人で回ろう」



◆◆◆



 僕の大切な存在の話をしよう。

 有川卓。たっくん。

 初めて出会った日から、ずっとずっと、大好きで大切な存在。

 僕は彼以上に大切て思える人に、これまで出会った事が無い。その位、僕にとってかけがえの無い大切な恋人なんだ。



「分かった。じゃあ、ちょっと抜けて来るから。少しだけ2人で回ろう」

 そう言って僕の大切な恋人は、また屋台に戻って行った。

 ドキドキ。

 たっくんに抱きしめられた身体が、まだちょっと熱い。

 僕を追いかけて抱きしめてきたたっくんは、息も荒くて、汗をかいていて。抱きしめる身体も熱くて、汗の匂いもして……すごくセクシーだった。

 ……僕、ちょっと思考が変態かも。

 自分の思考回路に落ち込んでると、タオルとプラカードを持ったたっくんが戻って来た。

「行こう、コウちゃん」

 どうやら、客寄せでウロウロすると行って抜けて来たみたいだ。

 忙しい筈なのに、そんな気遣いから、どれだけ大切にして貰えてるかが分かって。

 胸がキュンとした。



「右が共通の授業する棟で、左が体育学部専門なんだ。専攻の授業に入ったら左にいる事が多いだろうな」
「へ、へー」

 たっくんに話を聞きながら、キャンパスを歩く。

 もちろん、たっくんは客寄せなのでプラカードを掲げてるけど、僕に学校内の説明をして歩いてるから、そっちがオマケみたいだ。

 そんな事よりも…。
 右と左を交互に見て、僕はゴクリと喉を鳴らした。

 だって右は一般的な学祭て感じで、華やかだし男女問わず楽しそうなのに。

 左は主にマッチョが男祭りしてるって感じなんだもん。

 も、もしやこれは未来のたっくんの姿!?

「どうした?」
「ううん。僕どんなたっくんでも受け入れる覚悟はあるから。安心して勉強してね」
「…………? ありがとう」

 たっくんが、???て感じの顔してるけど、大丈夫。僕はどんなたっくんでも愛せる自信があるから!

 そうやって、色々聞きながら歩いてる内に、ステージ前に通りかかった。

 あ、あれは!

「たっくん、あの、ああいうの好き?」
「ん?どれ?」
「あのステージの上にいる人の格好とか」
「…………………いや、別に」

 たっぷりの間を入れて、たっくんは首を振った。

 本当に興味が無い、もしくはドン引きしてる時の反応だ。

 ……ショック。

 たっくん、あぁいうの嫌いなんだ。

 じゃあ、言わない方がいいかな…。

 僕は、たっくんの反応を見て、ソレを言うのをやめた。
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