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番外編 学祭編

6 学祭後の2人 1

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 学祭でオレがやらかした後の話をしよう。



「彼女?彼氏?はもういいのか?」

 オレが戻ると両脇に女の子を侍らせたスケが声をかけてきた。そうやって見ると、まるでどっかの若手社長みたいだ。

「もう話できたから平気。突然いなくなって悪かったな」

 謝るオレに、ヘーキヘーキ、と軽く返したのはカク。

「もう少しゆっくりしてても良かったのに。こっちはこっちで楽しくやってたよ~」

 両腕で女の子に引き寄せてヘラヘラしてる…。将来、女で人生破滅しないか心配だな。

「スーは何であの子と付き合ったの?」
「え?」
「ずっと…女とばかり付き合ってたから。スーはノンケだと思ってたのに」

 イッキが不機嫌そうにオレを見てくる。
 
 高校時代、オレはイッキに告白された。その場で、友人以上には見れないって断った。

 でもイッキには、男だから断った様に見えたのかもしれない。

「…オレもそう思ってたよ。普通、付き合うなら相手は女だって」
「……」

 イッキは無言だ。スケもカクも静かにオレの言葉を待っている。

「幼馴染のあいつがいなくなって、何しててもずっと何か物足りなくて。数年ぶりに再会して。やっとそいつじゃなきゃダメだって気づいたんだ。男でも女でも、オレにはあいつじゃなきゃダメなんだ」

 スケとカクが顔を見合わせて肩を竦めた。

「何だ。初めから別に好きな奴がいるから、あんなにコロコロ彼女変えてたんだな」
「スーにちゃんとした恋人が出来て良かったよ。これで世の女の子も犠牲にならずにすむしね」

 …ひどい言われようだけど、言い返せない。

 オレは居た堪れなくて、ずっと無言のイッキに視線を移した。

「イッキも…その…怒ってるか?」
「別に」

 ふん、とイッキが鼻を鳴らした。

「ただ、羨ましいよ。そんな風に想い合える相手がいてさ」

 不貞腐れた様なイッキに、カクが絡み出す。

「なになに~?イッキ彼女いないの?じゃあ、このままコンパしようよ!」
「はぁ?」
「みんなどう?」

 女の子大好きなカクが周囲の女子に声をかけ、女子もノリノリだ。あっという間に今夜の合コン計画を立て始めたのだった。



◆◆◆



 学祭で僕がやらかした後の話をしよう。

 カフェに戻った僕は厨房担当になった。

 大量のオーダーをこなすのに精一杯であっという間に時間が過ぎていった。

 最後のお客さんが帰って、僕らも帰り支度をする。ちなみに、たっくんはあれからすぐ帰ったみたいだ。

「浦川くん。良かったらコレあげる」

 同じ学部の女の子に手渡されたのは少し大きめの紙袋。中身を見て、ボクはギョッとした。

「こ、これ」
「今日使う機会も無かったし、浦川くん似合いそうだから」
「え?え?」
「これで彼氏と仲直りしてね」

 これをたっくんと使えって事?

 想像した僕は…多分、真っ赤になってると思う。

「あ、ありがとう。でも、急に騒ぎになって迷惑かけたのに。怒ってないの?」
「まさか!」

 女子の話では。

 僕とたっくんがいなくなった後。あのイケメン3人組が客引きして、お店を盛り上げてくれたらしい。

 だからメイド喫茶なのにホストクラブみたいになってたんだ。

「それに、あのイケメン君と連絡先を交換したから今度コンパするの!楽しみ!」

 落ち着いて周囲を見渡せば。

 浮かれてるのは彼女だけじゃ無かった。周りの女子みんなが、なんか…ウキウキしてる!

 僕は改めて、たっくんの友達の凄さを思い知らされた。



「ただいま」
「おかえり」

 家に帰ると、たっくんがいた。

 友達と一緒に食べて帰って来たらしく、既にお風呂に入ってラフな格好でソファに寛いでいた。

 僕も賄いで夕飯は摂ったし。

 明日から連休だし。

 ……これってチャンスだよね?

 僕は覚悟を決めて、いそいそと、たっくんの側に行って。太ももの上にちょこんと座った。

 僕が甘えたい時の定位置だ。

「コウちゃん?」

 後ろから、戸惑ったたっくんの声が聞こえる。

 昼間は、あんなに焼きもち焼いて、情熱的だったのに。今はもう、いつも通り。

 それがちょっと残念。

 だから、僕から迫るんだ。

 いつもみたいに。

「たっくん」
「ん?どうした?」

 たっくんが後ろから優しく抱きしめて、顔を覗かせてくる。

 僕はおねだりする様に、たっくんを見上げた。

「たっくんと…Hしたいな」



ーーー


 お待たせしました。
 次話、閲覧注意です。

 女子から貰った物を使います。

 何でしょう?予想してみてください。

 ヒントは物語上は秋です。その季節のイベントが関係します(答えをみてヒントになってなかったらごめんなさい)
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