【完結】たっくんとコウちゃん【大学生編】

秋空花林

文字の大きさ
17 / 19
番外編 学祭編

6 学祭後の2人 1

しおりを挟む
 学祭でオレがやらかした後の話をしよう。



「彼女?彼氏?はもういいのか?」

 オレが戻ると両脇に女の子を侍らせたスケが声をかけてきた。そうやって見ると、まるでどっかの若手社長みたいだ。

「もう話できたから平気。突然いなくなって悪かったな」

 謝るオレに、ヘーキヘーキ、と軽く返したのはカク。

「もう少しゆっくりしてても良かったのに。こっちはこっちで楽しくやってたよ~」

 両腕で女の子に引き寄せてヘラヘラしてる…。将来、女で人生破滅しないか心配だな。

「スーは何であの子と付き合ったの?」
「え?」
「ずっと…女とばかり付き合ってたから。スーはノンケだと思ってたのに」

 イッキが不機嫌そうにオレを見てくる。
 
 高校時代、オレはイッキに告白された。その場で、友人以上には見れないって断った。

 でもイッキには、男だから断った様に見えたのかもしれない。

「…オレもそう思ってたよ。普通、付き合うなら相手は女だって」
「……」

 イッキは無言だ。スケもカクも静かにオレの言葉を待っている。

「幼馴染のあいつがいなくなって、何しててもずっと何か物足りなくて。数年ぶりに再会して。やっとそいつじゃなきゃダメだって気づいたんだ。男でも女でも、オレにはあいつじゃなきゃダメなんだ」

 スケとカクが顔を見合わせて肩を竦めた。

「何だ。初めから別に好きな奴がいるから、あんなにコロコロ彼女変えてたんだな」
「スーにちゃんとした恋人が出来て良かったよ。これで世の女の子も犠牲にならずにすむしね」

 …ひどい言われようだけど、言い返せない。

 オレは居た堪れなくて、ずっと無言のイッキに視線を移した。

「イッキも…その…怒ってるか?」
「別に」

 ふん、とイッキが鼻を鳴らした。

「ただ、羨ましいよ。そんな風に想い合える相手がいてさ」

 不貞腐れた様なイッキに、カクが絡み出す。

「なになに~?イッキ彼女いないの?じゃあ、このままコンパしようよ!」
「はぁ?」
「みんなどう?」

 女の子大好きなカクが周囲の女子に声をかけ、女子もノリノリだ。あっという間に今夜の合コン計画を立て始めたのだった。



◆◆◆



 学祭で僕がやらかした後の話をしよう。

 カフェに戻った僕は厨房担当になった。

 大量のオーダーをこなすのに精一杯であっという間に時間が過ぎていった。

 最後のお客さんが帰って、僕らも帰り支度をする。ちなみに、たっくんはあれからすぐ帰ったみたいだ。

「浦川くん。良かったらコレあげる」

 同じ学部の女の子に手渡されたのは少し大きめの紙袋。中身を見て、ボクはギョッとした。

「こ、これ」
「今日使う機会も無かったし、浦川くん似合いそうだから」
「え?え?」
「これで彼氏と仲直りしてね」

 これをたっくんと使えって事?

 想像した僕は…多分、真っ赤になってると思う。

「あ、ありがとう。でも、急に騒ぎになって迷惑かけたのに。怒ってないの?」
「まさか!」

 女子の話では。

 僕とたっくんがいなくなった後。あのイケメン3人組が客引きして、お店を盛り上げてくれたらしい。

 だからメイド喫茶なのにホストクラブみたいになってたんだ。

「それに、あのイケメン君と連絡先を交換したから今度コンパするの!楽しみ!」

 落ち着いて周囲を見渡せば。

 浮かれてるのは彼女だけじゃ無かった。周りの女子みんなが、なんか…ウキウキしてる!

 僕は改めて、たっくんの友達の凄さを思い知らされた。



「ただいま」
「おかえり」

 家に帰ると、たっくんがいた。

 友達と一緒に食べて帰って来たらしく、既にお風呂に入ってラフな格好でソファに寛いでいた。

 僕も賄いで夕飯は摂ったし。

 明日から連休だし。

 ……これってチャンスだよね?

 僕は覚悟を決めて、いそいそと、たっくんの側に行って。太ももの上にちょこんと座った。

 僕が甘えたい時の定位置だ。

「コウちゃん?」

 後ろから、戸惑ったたっくんの声が聞こえる。

 昼間は、あんなに焼きもち焼いて、情熱的だったのに。今はもう、いつも通り。

 それがちょっと残念。

 だから、僕から迫るんだ。

 いつもみたいに。

「たっくん」
「ん?どうした?」

 たっくんが後ろから優しく抱きしめて、顔を覗かせてくる。

 僕はおねだりする様に、たっくんを見上げた。

「たっくんと…Hしたいな」



ーーー


 お待たせしました。
 次話、閲覧注意です。

 女子から貰った物を使います。

 何でしょう?予想してみてください。

 ヒントは物語上は秋です。その季節のイベントが関係します(答えをみてヒントになってなかったらごめんなさい)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

悋気応変!

七賀ごふん
BL
激務のイベント会社に勤める弦美(つるみ)は、他人の“焼きもち”を感じ取ると反射的に号泣してしまう。 厄介な体質に苦しんできたものの、感情を表に出さないクールな幼なじみ、友悠(ともひさ)の存在にいつも救われていたが…。 ────────── クール&独占欲強め×前向き&不幸体質。 ◇BLove様 主催コンテスト 猫野まりこ先生賞受賞作。 ◇プロローグ漫画も公開中です。 表紙:七賀ごふん

こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件

神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。 僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。 だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。 子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。   ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。 指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。 あれから10年近く。 ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。 だけど想いを隠すのは苦しくて――。 こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。 なのにどうして――。 『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』 えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 一月十日のアルファポリス規約改定を受け、サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をこちらへ移しましたm(__)m サブ垢の『バウムクーヘンエンド』はこちらへ移動が出来次第、非公開となりますm(__)m)

【完結】I adore you

ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。 そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。 ※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。

処理中です...