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10 サイカは童貞に翻弄される
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ソファーの上でぴちゃぴちゃとお互いの舌を絡め合う。
舌を吸って、なぞって、苦しくなって唇を離せば追いかけられまた塞がれる。
そんなキスをもう、長い時間、ずっとしている。
「んは…んっ、…ぷあ…!ま、「…はあ…逃げないで下さい…」んんんーーー!」
いやいや。おかしい。ちょっと待って。
「…は…!ん、ヴァ、ん…!」
「……は…、…サイカ…私のキス…気持ちいいですか…?ちゃんと…上手く出来ていますか…?…ちゅ、ちゅ…。…教えて…下さい、ちゃんと…気持ちよくできているか…」
「ん、んっ、…ひもち、ひ、…もち、から…」
「…よかった……ん…私も、…私も、すごく気持ちいいです…」
童貞なヴァレリア様は当然キスも初めてで……こうするんですよと私がリードして……あれ?いつの間に逆転したのだろう。頭がふわふわでちゃんと考えられない。
跨がっているヴァレリア様の膨らんだ股間が私の中心をぐりぐりと刺激している。
私のお尻をヴァレリア様の骨ばった両手で掴まれて、キスをしながらずっとぐりぐりされている。
「…ちゅ。…サイカ…、ドレスを…脱がせたいのですが…」
「…はあ…は……せなか、ひも、解かないと……」
「分かりました…サイカ、紐を解いて脱がせている間も…私にキスをして下さい…」
言われるままにヴァレリア様の唇に自分の唇を押し付け舌を絡ませる。
項をひと撫でしたヴァレリア様がドレスの紐を解き肩から下へとずらせばブラジャーも何も着けていない素肌が少しだけ冷たい空気に晒されふる、と震えた。
「……ちゅ。…はあ…、…見せて。」
「…ん……」
漸く長く続いていたキスが一段落して、私は自分の上半身がヴァレリア様にちゃんと見えるように、ヴァレリア様の上に座ったまま距離を開ける。
執拗なキスと、執拗な膣口への刺激で触られてもいないのに乳首が立ってしまっていた。
「……ああ…なんて綺麗な…。…可愛らしい乳首がぴんと立ってて…まるで早く触れて、舐めてほしいと誘っているみたいに…。」
「…ん…!」
ふう、と息を吹き掛けられただけで反応する。
触ってほしい。舐めてほしい。優しくでも乱暴でもいいから、いっぱい可愛がってほしい。
「ん、…触って、舐めて、欲しい…いっぱい、」
「…分かりました……じゃあ、いっぱい…この可愛い乳首を触って、舐めてあげますね…。」
「…あうっ…!」
片方はこねられ摘ままれ弾かれ。
もう片方はちゅぱちゅぱといやらしい音を立てながら吸われ続ける。
きゅんきゅんと体が疼いて堪らない気持ちになって、ヴァレリア様の頭にぎゅっと抱き付いた。
「んああっ…!は…うん、ひゃあ…!」
キスの時もそうだけど、ヴァレリア様は一つを集中的に、執拗に責めるタイプの様で…また私は暫くの間胸だけを愛撫されていた。
ちゅぽん、とヴァレリア様の唇が離れれば真っ赤になっている胸の頂。
力が入らずヴァレリア様の体に自分の体を預けると突然ヴァレリア様に抱き抱えられる。
「…ベッドに移動しますね…。
体は細いですけど…絶対にサイカを落としたりしませんから。」
「…は、い、」
「じっくり見させて下さい…サイカの大事な所…」
言葉通り、私はヴァレリア様にじっくりと自分の大事な所を見られた。
匂いを嗅がれ、中を広げられ指を入れられ舌を入れられ貪りつかれ。
ヴァレリア様の指や唇で私がどんな反応をするか、まるで観察するように。
じっくりと、それはそれはじっくりと。ヴァレリア様は生まれて初めてみる女性器を五感に焼き付けるように弄くっていて、恥ずかしくて堪らなくなった私は子供みたいにひんひんと泣きじゃくって、ヴァレリア様にあやされていた。
「…申し訳ありません…余りにも…その、…サイカが可愛くて…」
「うう…い、いったじゃないですかぁ!…わ、わたし、…ひっく、ヴァ、ヴァレリアさまが、ふたりめ、だってえ…!」
「…ごめんなさい……どこもかしこも綺麗で……夢中になってしまいました…」
泣いている間、許して下さいと謝り続けるヴァレリア様。
私はヴァレリア様を許す代わりに、ヴァレリア様の男性器を同じように弄くりまくる事にした。
ヴァレリア様にはベッドのに腰かけてもらい、私はベッドから降りて床に膝をつく。
「…わ、……これが…ヴァレリア様の…」
「…っ、あ、余り…見ないで下さい…」
「…嫌です…ヴァレリア様だって私のを見て…触ったり舐めたりしてたんですから…わ、私だって、」
「…はぅ……、サ…イカ、」
ヴァレリア様の男性器は反りが凄かった。
大きさや長さはマティアス様に劣るが、それでも私が使っていた玩具たちより一回りは大きい。
ぐん、と薄いお腹にくっつきそうな程反りかえっている。
「……ヴァレリア様、」
「…な…ん、ですか…?」
「…私……男の人のをお口に入れるの…初めてなんです…。」
「!!」
「…うまく出来なかったら…ごめんなさい。」
ツンと、何度か嗅いだ事のあるいやらしい匂い。
鈴口からこぽりと溢れた液体を舐めるととても苦い。…これが精液。この苦いのが男の精液か…。
エロ漫画やエロゲーの“苦い”っていう台詞は本当だったんだなとちょっと感動。
初めてのフェラチオは漫画とゲームの知識をこれでもかと駆使した。
ヴァレリア様の先っぽを口に含み、ちろちろと舌で刺激してみたり、喉の奥に当ててみたり。口も手も使ってしごいてみたり。
そうやって楽しんでいるとヴァレリア様が小さく離れて、と呟いて…その言葉を無視して続けていればすぐに口の中に大量の精液が放出された。
「…う、…はぁ…、…サイカ、口の中に……すみ、ません…」
ごくりごくりと喉を嚥下させる。
苦い、決して美味しいとは思えない男の精液。
喉の奥をはりくつ濃厚な精液。嫌いじゃない。苦いけれど全然嫌じゃなかった。
「…んっ……はぁん…、…ヴァレリアさまの、ぜんぶ、…のんじゃった。」
「…っ…は、…サイカ、…もう、…もう、いいですよね…?貴女が…貴女が悪いんですよ…?そうやって、…可愛く煽って…私だって、男なのに…、」
「…ヴァレリアさま…」
「…サイカ…私は無知ではありません。男ですから。当然自慰もするし、毎日だって、こういう事をしたい欲求もある…。」
「ば、ヴァレリア様…?」
「…サイカが悪いんですよ?サイカが可愛いから。…こんなに可愛い女を…犯したくない男はいない…」
すう、と雰囲気の変わったヴァレリア様に背筋がぞくぞくした。
これは、動物の本能か。自分を狙う肉食獣から今すぐ逃げろと伝える危機察知能力か。
ヴァレリア様に狙われているのは私。
私を捕食せんと、ヴァレリア様の目が妖しく煌めいている。
けれどもう遅い。ヴァレリア様は目の前にいるのだから。
「んあああ…!や、やらぁ…!も、もお、あっ、も、ごりごりいやぁ…!」
「…はぁ…ふふ、…可愛いです……ほんと、可愛くて…やらしい…ここ…ですよね?ん、は…、サイカ、ここが、気持ちいいのですよね…?」
ごりごりとヴァレリア様が抉ってくるのは恐らく私のGスポット。
反り立ったヴァレリア様のものは私のお腹の内側をずっと刺激してた。
ヴァレリア様が私の中に入り、私が一際高い声を出した瞬間を見極めて、一番大きく反応した所を集中的に責める。
ヴァレリア様とのセックスで私が一番快楽を受ける場所を見つけた瞬間から、ヴァレリア様は膣に根本まで埋めることはせず、私の腰を掴んだまま浅く挿入を繰り返す。
ずりずり、ごりごりと膣の前壁が擦られる度にびりびりと快楽が押し寄せる。
何とか堪えようと耐えて、前壁を擦られているのを少し慣れた頃にヴァレリア様は陰茎を一気に根本まで入れてくる。
浅く深くを交互に。そんな事を繰り返され、慣れるわけがない私は耐える事なんて出来ずにもう何度も達していた。
「あ、あーっ…!あんっ、やら、やらあ…!」
「はぁ、…はぁ、…やだ、じゃないでしょう…?
いい、でしょう…?ほら…今だって、…こんなに可愛い顔をして…涎まで垂らして……ちゅ。ん…サイカの涎、美味しい…。」
「んんう、あっ…!ふぇ、…あううっ…!」
「…いいって言わないと…はあ…、もっと犯しますよ…?
ここ…サイカが、…ふう、私とのせっくすで気持ちいいところ、はぁっ…、…ずっと、ごりごりしてていいですか…?」
「やああ、だめ、らめなの、…も、ごりごり、しちゃ、らめなの…!
あんっ、も、いきすぎて、…いいの、きもひ、の、い、から、らめなの…!」
「…ああ…、もう、可愛い……気持ちいい……こんなの…またしたいに決まってるじゃないですかっ……ほかの女じゃ駄目です…貴女がいい……サイカがいいっ…くっ、……サイカと、せっくすしたい…、」
「ひんっ…!あ、ああ…、も、…またぁ…!」
「…はあ…、たまらない…、頭が馬鹿になりそうです……サイカと、せっくすすることしか考えられなくなりそうで…」
「あああああああ!」
「…ああ…違うな…」
ぐりん、とうつ伏せにされお尻を高く持ち上げられ、今度は後壁をずりずり刺激されている。
前とは違う感覚。シーツをぎゅっと掴み身悶えるとヴァレリア様が後ろから覆い被さってくる。
シーツを掴む手を押さえつけられ、ヴァレリア様は私の耳元で囁く。
「……せっくすじゃなくて…交尾、みたいです…。
…っ、もう、…出しますね…サイカの中に、いっぱい。濃いのを沢山…。」
「ん…んんんーーーーーーっ!!!」
瞬間、私はヴァレリア様に項を甘噛みされながら、ヴァレリア様の濃い精液が膣の中に入ってくるのを感じながら絶頂を迎えた。
長い、それは長い射精だった。一度口の中で出した時は普通だったのに、私の中に出すその射精はまるで獣のように執拗で。どくどくと脈打つ陰茎の存在を敏感に感じとりながら脳が溶かされていく感覚に酔いしれる。
射精をする間ヴァレリア様はずっと私の項に口付けていて、時々はむ、と甘く噛みながら全てを出しきるように、その間、私が少しも動かないようにお腹に腕を回し腰を押し付けてくる。
とくん、とくんと陰茎がゆっくりとした脈打ちに変わり、そして動きを感じなくなった頃、私はベッドの倒れ込むようにして気を失った。
「…おはようございます、サイカ。」
「……ん、…は、い…」
「眠いのならまだ寝てていいんですよ…?
丁度、朝日が出てきたばかりです。まだ時間はありますからね。」
「…ん…」
「貴女は本当に可愛くて……最高の夜でした…。」
もう少しだけ寝よう…と思った所で違和感。
横たわり、ヴァレリア様に後ろから抱き締められている私。
お腹の中にはまだヴァレリア様がいて、ぬこ、ぬこ、と小さく動いている。
「……ヴァレリアさま、」
「…すみません…ずっと、入れたまま…私も眠っていたんですけど…起きたら大きくなっていて…。
…嫌なら、止めます…。」
「…嫌じゃ…ない、です…」
「よかった…。出さなくてもいいんです…このまま…サイカの中に包まれていたい…それだけでも気持ちいい…。」
いやいや。おかしい。ちょっとおかしい。
いや、セックス自体は別にいい。寧ろ全然構わない。
おかしいのはヴァレリア様の雰囲気だ。
何だかちょっと、キャラが変わったままではないだろうか。
昨日の…セックスする前の気弱で可愛いヴァレリア様は何処へいった。
「…サイカも気持ちよくなって下さいね…?
サイカが気持ちよくなったら、またいっぱい、中に出しますから。…ね?」
ね?じゃない。やだもうなんなのこのイケメン。
気弱と可愛さは何処へいったんだ。昨日のおどおどしていたヴァレリア様は何処へいったんだ。まさか童貞を卒業したと同時に気弱と可愛さもグッバイしたのか。
おかしい…本当におかしい。そうだ。ヴァレリア様は童貞だったはずだ。
そして私は少ないけれどヴァレリア様よりは経験者だったはずなのだ。
私の予定では可愛いヴァレリア様をころころと掌で転がすように、ひんひん言わせるはずだったし、年はそう変わらないが箱入り息子なヴァレリア様を、性には興味があるけれど詳しいやり方は知らない純粋な男だと思っていたのだ。
おねしょたジャンルみたいに「これでいい?」「そう、上手よ」と優しく筆下ろしをするつもりでいた。
…がしかし。何故かあっという間に立場は逆転。
思い起こしてみれば経験者な私は童貞のヴァレリア様に始まりから終わりまで翻弄されっぱなしの夜だった。
…真面目(真)とはこれいかに。
「…むう…」
「…サイカ、此方を向いて。…むくれないで下さい…。」
「むむう…」
「…ふふ。全く、サイカは本当に可愛いったらないですね。
誰もを虜に出来そうな程美人なのに高圧的でもない、こんなに可愛い女だなんて。」
ヴァレリア様は童貞卒業してからある意味一皮剥けていた。
「…サイカ…。私の初めての人。
…もう貴女無しの生活は考えられません…。きっと、今日家に帰っても、何をしていても貴女の姿が瞼に焼き付いていることでしょう。
……また、すぐにサイカを抱きに来ますね。ちゃんと…サイカがどこをいじられて良くなるか…忘れず覚えておきますから。」
父親のように出来ない、足元にも及ばないと自信無さげだったヴァレリア様が出来損ないだなんてとんでもない。
ヴァレリア様はきっと分かっていない。自分の頭が優秀な部類に入っていることを。
童貞であるのに私のいい所ばかりを見つけ、掌で翻弄し続けたヴァレリア様はかなりの観察眼を持ち、そして何事も吸収するのが早い、優秀な人だったのだ。
再び時間いっぱいヴァレリア様に翻弄されながら私は思う。
…ヴァレリア様……末恐ろしい人がお客様になってしまったのかも知れない。と。
舌を吸って、なぞって、苦しくなって唇を離せば追いかけられまた塞がれる。
そんなキスをもう、長い時間、ずっとしている。
「んは…んっ、…ぷあ…!ま、「…はあ…逃げないで下さい…」んんんーーー!」
いやいや。おかしい。ちょっと待って。
「…は…!ん、ヴァ、ん…!」
「……は…、…サイカ…私のキス…気持ちいいですか…?ちゃんと…上手く出来ていますか…?…ちゅ、ちゅ…。…教えて…下さい、ちゃんと…気持ちよくできているか…」
「ん、んっ、…ひもち、ひ、…もち、から…」
「…よかった……ん…私も、…私も、すごく気持ちいいです…」
童貞なヴァレリア様は当然キスも初めてで……こうするんですよと私がリードして……あれ?いつの間に逆転したのだろう。頭がふわふわでちゃんと考えられない。
跨がっているヴァレリア様の膨らんだ股間が私の中心をぐりぐりと刺激している。
私のお尻をヴァレリア様の骨ばった両手で掴まれて、キスをしながらずっとぐりぐりされている。
「…ちゅ。…サイカ…、ドレスを…脱がせたいのですが…」
「…はあ…は……せなか、ひも、解かないと……」
「分かりました…サイカ、紐を解いて脱がせている間も…私にキスをして下さい…」
言われるままにヴァレリア様の唇に自分の唇を押し付け舌を絡ませる。
項をひと撫でしたヴァレリア様がドレスの紐を解き肩から下へとずらせばブラジャーも何も着けていない素肌が少しだけ冷たい空気に晒されふる、と震えた。
「……ちゅ。…はあ…、…見せて。」
「…ん……」
漸く長く続いていたキスが一段落して、私は自分の上半身がヴァレリア様にちゃんと見えるように、ヴァレリア様の上に座ったまま距離を開ける。
執拗なキスと、執拗な膣口への刺激で触られてもいないのに乳首が立ってしまっていた。
「……ああ…なんて綺麗な…。…可愛らしい乳首がぴんと立ってて…まるで早く触れて、舐めてほしいと誘っているみたいに…。」
「…ん…!」
ふう、と息を吹き掛けられただけで反応する。
触ってほしい。舐めてほしい。優しくでも乱暴でもいいから、いっぱい可愛がってほしい。
「ん、…触って、舐めて、欲しい…いっぱい、」
「…分かりました……じゃあ、いっぱい…この可愛い乳首を触って、舐めてあげますね…。」
「…あうっ…!」
片方はこねられ摘ままれ弾かれ。
もう片方はちゅぱちゅぱといやらしい音を立てながら吸われ続ける。
きゅんきゅんと体が疼いて堪らない気持ちになって、ヴァレリア様の頭にぎゅっと抱き付いた。
「んああっ…!は…うん、ひゃあ…!」
キスの時もそうだけど、ヴァレリア様は一つを集中的に、執拗に責めるタイプの様で…また私は暫くの間胸だけを愛撫されていた。
ちゅぽん、とヴァレリア様の唇が離れれば真っ赤になっている胸の頂。
力が入らずヴァレリア様の体に自分の体を預けると突然ヴァレリア様に抱き抱えられる。
「…ベッドに移動しますね…。
体は細いですけど…絶対にサイカを落としたりしませんから。」
「…は、い、」
「じっくり見させて下さい…サイカの大事な所…」
言葉通り、私はヴァレリア様にじっくりと自分の大事な所を見られた。
匂いを嗅がれ、中を広げられ指を入れられ舌を入れられ貪りつかれ。
ヴァレリア様の指や唇で私がどんな反応をするか、まるで観察するように。
じっくりと、それはそれはじっくりと。ヴァレリア様は生まれて初めてみる女性器を五感に焼き付けるように弄くっていて、恥ずかしくて堪らなくなった私は子供みたいにひんひんと泣きじゃくって、ヴァレリア様にあやされていた。
「…申し訳ありません…余りにも…その、…サイカが可愛くて…」
「うう…い、いったじゃないですかぁ!…わ、わたし、…ひっく、ヴァ、ヴァレリアさまが、ふたりめ、だってえ…!」
「…ごめんなさい……どこもかしこも綺麗で……夢中になってしまいました…」
泣いている間、許して下さいと謝り続けるヴァレリア様。
私はヴァレリア様を許す代わりに、ヴァレリア様の男性器を同じように弄くりまくる事にした。
ヴァレリア様にはベッドのに腰かけてもらい、私はベッドから降りて床に膝をつく。
「…わ、……これが…ヴァレリア様の…」
「…っ、あ、余り…見ないで下さい…」
「…嫌です…ヴァレリア様だって私のを見て…触ったり舐めたりしてたんですから…わ、私だって、」
「…はぅ……、サ…イカ、」
ヴァレリア様の男性器は反りが凄かった。
大きさや長さはマティアス様に劣るが、それでも私が使っていた玩具たちより一回りは大きい。
ぐん、と薄いお腹にくっつきそうな程反りかえっている。
「……ヴァレリア様、」
「…な…ん、ですか…?」
「…私……男の人のをお口に入れるの…初めてなんです…。」
「!!」
「…うまく出来なかったら…ごめんなさい。」
ツンと、何度か嗅いだ事のあるいやらしい匂い。
鈴口からこぽりと溢れた液体を舐めるととても苦い。…これが精液。この苦いのが男の精液か…。
エロ漫画やエロゲーの“苦い”っていう台詞は本当だったんだなとちょっと感動。
初めてのフェラチオは漫画とゲームの知識をこれでもかと駆使した。
ヴァレリア様の先っぽを口に含み、ちろちろと舌で刺激してみたり、喉の奥に当ててみたり。口も手も使ってしごいてみたり。
そうやって楽しんでいるとヴァレリア様が小さく離れて、と呟いて…その言葉を無視して続けていればすぐに口の中に大量の精液が放出された。
「…う、…はぁ…、…サイカ、口の中に……すみ、ません…」
ごくりごくりと喉を嚥下させる。
苦い、決して美味しいとは思えない男の精液。
喉の奥をはりくつ濃厚な精液。嫌いじゃない。苦いけれど全然嫌じゃなかった。
「…んっ……はぁん…、…ヴァレリアさまの、ぜんぶ、…のんじゃった。」
「…っ…は、…サイカ、…もう、…もう、いいですよね…?貴女が…貴女が悪いんですよ…?そうやって、…可愛く煽って…私だって、男なのに…、」
「…ヴァレリアさま…」
「…サイカ…私は無知ではありません。男ですから。当然自慰もするし、毎日だって、こういう事をしたい欲求もある…。」
「ば、ヴァレリア様…?」
「…サイカが悪いんですよ?サイカが可愛いから。…こんなに可愛い女を…犯したくない男はいない…」
すう、と雰囲気の変わったヴァレリア様に背筋がぞくぞくした。
これは、動物の本能か。自分を狙う肉食獣から今すぐ逃げろと伝える危機察知能力か。
ヴァレリア様に狙われているのは私。
私を捕食せんと、ヴァレリア様の目が妖しく煌めいている。
けれどもう遅い。ヴァレリア様は目の前にいるのだから。
「んあああ…!や、やらぁ…!も、もお、あっ、も、ごりごりいやぁ…!」
「…はぁ…ふふ、…可愛いです……ほんと、可愛くて…やらしい…ここ…ですよね?ん、は…、サイカ、ここが、気持ちいいのですよね…?」
ごりごりとヴァレリア様が抉ってくるのは恐らく私のGスポット。
反り立ったヴァレリア様のものは私のお腹の内側をずっと刺激してた。
ヴァレリア様が私の中に入り、私が一際高い声を出した瞬間を見極めて、一番大きく反応した所を集中的に責める。
ヴァレリア様とのセックスで私が一番快楽を受ける場所を見つけた瞬間から、ヴァレリア様は膣に根本まで埋めることはせず、私の腰を掴んだまま浅く挿入を繰り返す。
ずりずり、ごりごりと膣の前壁が擦られる度にびりびりと快楽が押し寄せる。
何とか堪えようと耐えて、前壁を擦られているのを少し慣れた頃にヴァレリア様は陰茎を一気に根本まで入れてくる。
浅く深くを交互に。そんな事を繰り返され、慣れるわけがない私は耐える事なんて出来ずにもう何度も達していた。
「あ、あーっ…!あんっ、やら、やらあ…!」
「はぁ、…はぁ、…やだ、じゃないでしょう…?
いい、でしょう…?ほら…今だって、…こんなに可愛い顔をして…涎まで垂らして……ちゅ。ん…サイカの涎、美味しい…。」
「んんう、あっ…!ふぇ、…あううっ…!」
「…いいって言わないと…はあ…、もっと犯しますよ…?
ここ…サイカが、…ふう、私とのせっくすで気持ちいいところ、はぁっ…、…ずっと、ごりごりしてていいですか…?」
「やああ、だめ、らめなの、…も、ごりごり、しちゃ、らめなの…!
あんっ、も、いきすぎて、…いいの、きもひ、の、い、から、らめなの…!」
「…ああ…、もう、可愛い……気持ちいい……こんなの…またしたいに決まってるじゃないですかっ……ほかの女じゃ駄目です…貴女がいい……サイカがいいっ…くっ、……サイカと、せっくすしたい…、」
「ひんっ…!あ、ああ…、も、…またぁ…!」
「…はあ…、たまらない…、頭が馬鹿になりそうです……サイカと、せっくすすることしか考えられなくなりそうで…」
「あああああああ!」
「…ああ…違うな…」
ぐりん、とうつ伏せにされお尻を高く持ち上げられ、今度は後壁をずりずり刺激されている。
前とは違う感覚。シーツをぎゅっと掴み身悶えるとヴァレリア様が後ろから覆い被さってくる。
シーツを掴む手を押さえつけられ、ヴァレリア様は私の耳元で囁く。
「……せっくすじゃなくて…交尾、みたいです…。
…っ、もう、…出しますね…サイカの中に、いっぱい。濃いのを沢山…。」
「ん…んんんーーーーーーっ!!!」
瞬間、私はヴァレリア様に項を甘噛みされながら、ヴァレリア様の濃い精液が膣の中に入ってくるのを感じながら絶頂を迎えた。
長い、それは長い射精だった。一度口の中で出した時は普通だったのに、私の中に出すその射精はまるで獣のように執拗で。どくどくと脈打つ陰茎の存在を敏感に感じとりながら脳が溶かされていく感覚に酔いしれる。
射精をする間ヴァレリア様はずっと私の項に口付けていて、時々はむ、と甘く噛みながら全てを出しきるように、その間、私が少しも動かないようにお腹に腕を回し腰を押し付けてくる。
とくん、とくんと陰茎がゆっくりとした脈打ちに変わり、そして動きを感じなくなった頃、私はベッドの倒れ込むようにして気を失った。
「…おはようございます、サイカ。」
「……ん、…は、い…」
「眠いのならまだ寝てていいんですよ…?
丁度、朝日が出てきたばかりです。まだ時間はありますからね。」
「…ん…」
「貴女は本当に可愛くて……最高の夜でした…。」
もう少しだけ寝よう…と思った所で違和感。
横たわり、ヴァレリア様に後ろから抱き締められている私。
お腹の中にはまだヴァレリア様がいて、ぬこ、ぬこ、と小さく動いている。
「……ヴァレリアさま、」
「…すみません…ずっと、入れたまま…私も眠っていたんですけど…起きたら大きくなっていて…。
…嫌なら、止めます…。」
「…嫌じゃ…ない、です…」
「よかった…。出さなくてもいいんです…このまま…サイカの中に包まれていたい…それだけでも気持ちいい…。」
いやいや。おかしい。ちょっとおかしい。
いや、セックス自体は別にいい。寧ろ全然構わない。
おかしいのはヴァレリア様の雰囲気だ。
何だかちょっと、キャラが変わったままではないだろうか。
昨日の…セックスする前の気弱で可愛いヴァレリア様は何処へいった。
「…サイカも気持ちよくなって下さいね…?
サイカが気持ちよくなったら、またいっぱい、中に出しますから。…ね?」
ね?じゃない。やだもうなんなのこのイケメン。
気弱と可愛さは何処へいったんだ。昨日のおどおどしていたヴァレリア様は何処へいったんだ。まさか童貞を卒業したと同時に気弱と可愛さもグッバイしたのか。
おかしい…本当におかしい。そうだ。ヴァレリア様は童貞だったはずだ。
そして私は少ないけれどヴァレリア様よりは経験者だったはずなのだ。
私の予定では可愛いヴァレリア様をころころと掌で転がすように、ひんひん言わせるはずだったし、年はそう変わらないが箱入り息子なヴァレリア様を、性には興味があるけれど詳しいやり方は知らない純粋な男だと思っていたのだ。
おねしょたジャンルみたいに「これでいい?」「そう、上手よ」と優しく筆下ろしをするつもりでいた。
…がしかし。何故かあっという間に立場は逆転。
思い起こしてみれば経験者な私は童貞のヴァレリア様に始まりから終わりまで翻弄されっぱなしの夜だった。
…真面目(真)とはこれいかに。
「…むう…」
「…サイカ、此方を向いて。…むくれないで下さい…。」
「むむう…」
「…ふふ。全く、サイカは本当に可愛いったらないですね。
誰もを虜に出来そうな程美人なのに高圧的でもない、こんなに可愛い女だなんて。」
ヴァレリア様は童貞卒業してからある意味一皮剥けていた。
「…サイカ…。私の初めての人。
…もう貴女無しの生活は考えられません…。きっと、今日家に帰っても、何をしていても貴女の姿が瞼に焼き付いていることでしょう。
……また、すぐにサイカを抱きに来ますね。ちゃんと…サイカがどこをいじられて良くなるか…忘れず覚えておきますから。」
父親のように出来ない、足元にも及ばないと自信無さげだったヴァレリア様が出来損ないだなんてとんでもない。
ヴァレリア様はきっと分かっていない。自分の頭が優秀な部類に入っていることを。
童貞であるのに私のいい所ばかりを見つけ、掌で翻弄し続けたヴァレリア様はかなりの観察眼を持ち、そして何事も吸収するのが早い、優秀な人だったのだ。
再び時間いっぱいヴァレリア様に翻弄されながら私は思う。
…ヴァレリア様……末恐ろしい人がお客様になってしまったのかも知れない。と。
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