ジャズバー『シャドウ』に集う面々《1》…子供でも良いかもしれない

YUKI

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何故、バレたの?

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今後の相談もしないといけない。大前提がこれ以上亮さんにバレて心配をかけない事である。
「待ち合わせとかはどうする?弘樹くんの家の最寄駅にするのは、弘樹くん的には不味いのかな?」
「亮さんにバレる危険を避けたいから、祐介さんたちの最寄駅まで俺が行きます。」

俺と祐介さんがやたらと亮さんの事を気にかけるものだから、真一さんと朝陽さんが不思議そうにしている。
「何でそんなに亮さんって言う人のこと気にするの?バレると危険なの?」
「はい、凄く危険なんです、俺が!」
「えっ!暴力を振るったりするの?」
「違います。バレたら亮さんの監視が厳しくなるし、今度またしでかしたのバレたら許してもらえない。呆れて嫌われたら俺は・・・」
落ち込む俺を見て真一さんは疑問が解けたみたいに晴れやかな表情で俺を指差す。
「弘樹さんの好きな人なんだね。何だ心配かけたくないって事でしょ。大丈夫だよ、これだけ遠い場所の病院なんだし、朝陽も黙ってるでしょ。」
「俺は、その亮さんって人のこと知らないし、バラすとかないだろう。」
「それもそうですね。そうだ、朝陽さんの苗字は何ですか?」
「あぁ、悪いな。自己紹介もしてなかったな。名刺がある、一番下の番号が個人的な携帯番号だから弘樹くんはそこに連絡してくれ。」
「えっと、樋川朝陽さん。珍しい苗字ですね。」
「そうか?一応カルテは作らないといけないから、何も無かったとはならないからな。」
それは仕方がないと解っているので問題なしです。次の診察の日を決めて俺たちは帰路に着いた。長い一日が終わろうとしている。


傷も小さいからガーゼを貼るだけで済んだ治療だけど、念の為と薄い生地のサポーターまで巻いてもらった。
これなら多少の動きは大丈夫そうだ。
バイトでは、昨日の急な休みを詫びて普段と変わりなくカウンターでの仕事を熟す筈だった。
「おはようございます。昨日はすみませんでした。」
「解ったから、今日はカウンターで座って見学していろ。ちょろちょろ動くなよ。」
「亮さん、怪我したの俺じゃなく友達ですから。」
「ごちゃごちゃ煩い。座って見学だ。それも勉強だと思えばいい。」
俺の言葉は一蹴されてしまって、後は目も合わせてくれない。
何故?もしかしてバレてる?
「わかりました。」
嫌な予感しかしない。
その日一日中、カウンターの中で座って櫻井さんを見て学ばないといけないのに俺は亮さんばかり目で追っていた。
きっと亮さんも俺の視線には気づいているのに一度も目を合わせてくれなかった。

学園では龍也達と昼休みを過ごし、何の変化もないいつも通りで安心した。

そんな感じの日が数日続いた。
退屈で少しお酒の補充をしたりしていたら、亮さんに怒られ、椅子に座らされた。
その日はずっと亮さんの機嫌が悪く、周りからは何をしたんだと責められる事になる。

朝陽さんからラインで、今日抜糸をするからと連絡がきていたので、祐介さんにも連絡をしておいた。

龍也は本やら読んだりするのが苦手だから、俺が図書館に行くと言うと逃げる傾向がある。
だから今日もその手を使う事にした。
「龍也、俺、今日図書館に寄るから先に帰るな。」
「解った。」
あっさりと一人になれた。
駅に着いた俺は祐介さんの最寄駅までの切符を買いホームに向かう。
さっきから同じ気配が後ろから等間隔で着いてきている気がするのは気のせいだろうか?

ホームでそれとなく周りに目を向けてみる。
知らないメンツばかりだ。
やはり気のせいだろう。

祐介さんの最寄駅に着いた俺は、見知った車を見つけ乗り込む。

「祐介さん、ありがとう。」
「いいよ、気にしないと言ったでしょ。傷の具合はどう?綺麗に塞がってます。」
「良かった。真一がごめんね。こんな事になるなんて思わなかったんだ。本当にごめん。」
「祐介さん、もう少し真一さんを気遣ってあげてください。開けっぴろげに何でも言うのは、良くないですよ。隠し事をしろとは言わないですけど、俺と真一さんが友達になってから、ご飯を作って食べるとかそんな話はした方がいいですよ。解っているんですか?」
祐介さんはわかりましたと言いながらも、弘樹くんは本当にしっかりしていて、僕ばかり怒られて面目が立たないと愚痴を溢している。
「俺がしっかりしているんでなくて、祐介さんがもっとですね、」
解ったからこれ以上怒らないでと泣きついてきた。
「前を向いて運転してください!」
真一さんに助手席に座る許可を頂き、初めての助手席なのに事故を起こされては、たまったもんじゃない。

かなり走った頃からサイドミラーにずっと着いてくる車に気がつく。
「祐介さん、一度下道に降りれますか?」
「いいけど、もう少ししたら降りれるよ。どうしての?」
「後ろの車、駅からずっと一緒なんです。気になって、ただの思い過ごしならいいんですが。」
「解った。弘樹くんの勘はよく当たるから、下道に降りるね。」
俺たちは下道を走っている。すぐ後ろを走っていた車はそのまま上の道を行った。だが、その後ろの車がずっと着いてくる。横道にそれてもだ。
「今度は上に上がれます。」
了解と祐介さんは面白がって俺の言う通り降りたり上がったり、脇道に逸れたり、楽しんでいる。俺は、ナンバープレートを確認して3台の車が交代で俺たちの後ろを走っている事に気づいていた。
「振り切るの無理ですね。プロですよきっと。わぁぁ、亮さんにバレてるよ、間違いなく。」
頭を抱えてしまった。
今はまだ何もされてないが、傷が癒えた後の事が何をされるのか、不安で仕方ない。
「弘樹くん、もう諦めて素直に怒られよう。」
祐介さんの諦めた言葉がより一層俺を落ち込ませた。
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