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「ご主人様ったら……わたしが見ていないところで他の女の子に、誘惑されそうになるんて、メッ! ですよ♡」
優しい口調でそう言いながら、クロノの頭を慈しむように撫でるアリアフィーネ。
もはやクロノは、アリアフィーネにこうして抱きしめられると、抵抗することができなくなっていた。
トロンとした瞳で、彼女に為されるがままにされてしまう。
「ひゃう! あとちょっとのところだったのに! 結局アリアフィーネさんに取られてしまいましたの……んっんっっ♡♡」
またもやシェリルは身悶えるのであった。
「ふふ……っ♡」
余裕の笑みを見せつけるアリアフィーネ。
いつもならここで終わる……はずだったのだが、今日のシェリルは違った。
雑念を振り払うかのように、首をフルフルと横に振ると――
「ま、負けていられませんの!」
――と、意を決したように叫ぶ。
そしてそのまま……。
むにゅんっっ!
……アリアフィーネの向かいから、クロノの後頭部を包むように、大きな胸による抱擁を繰り出す。
それによりクロノの顔がアリアフィーネの胸に深く埋もれる。
二人の美少女エルフによる柔らかさというの名の暴力に晒され、クロノは「うむぅ~!?」とくぐもった声を漏らす。
「む、今日は手強いですね、シェリルさん?」
「いつまでも及び腰ではいられませんの! 今日からガンガンいかせてもらいますわ!」
二人の胸の中で揉みくちゃにされるクロノをよそに、アリアフィーネとシェリルは視線を交わし、火花を散らす。
そんな時だった……。
コンコンコンッ!
……玄関の扉から、ノック音が響き渡った。
「ぷはぁっ!」
二人がノック音に気を取られた隙に、ようやく胸の間から抜け出したクロノ。
これ以上捕まってなるものか! と、そのまま玄関の方へと駆けていく。
「あんっ! おっぱいに挟まれるご主人様、可愛かったのに……」
「け、結局お預けですの!?」
後ろの方から、そんな二人の声が聞こえてくるが、そんなものを無視して玄関の扉を開けるクロノ。
「おっはークロノちゃん! 朝早くからごめんね? ちょっといいかしらん……?」
扉を開けると、そんな声とともに、一人の人物が現れた。
筋骨隆々の巨体、その巨体をボンデージファッションに包み込んだ、最恐の受付嬢――アーナルド・ホズィルズネッガーさんである。
「む、アナ殿、どうした? こんな朝早くから」
「ちょっとクロノちゃんにお願いがあって……て、あらやだ! お楽しみ中だったのね! しかもコスプレプレイなんて、可愛い顔してクロノちゃんもやるわね♪」
アリアフィーネとシェリルの格好を見て、アーナルドは勘違いしたようだ。
とても楽しそうな表情で、クロノに「このこの!」と、肘をツンツンと当ててくる。
まぁ、ネグリジェ姿のアリアフィーネと、裸エプロンのシェリルを見れば、勘違いして当然である。
「おわぁぁぁぁぁぁ!? ち、違うぞ、アナ殿! これはだな!」
クロノは必死に否定しようとするのだが……。
なぜかアリアフィーネとシェリルが「「ふふんっ♡」」と、得意げな様子で仁王立ちになるものだから、誤解は余計に加速するのであった――
☆★☆★☆
新作「妖刀に魅入られしスケルトン ~迷宮を支配し、無敵の軍勢を率いる《最強》の剣魔王~」を投稿しました!
そちらもよろしくお願いいたします!
優しい口調でそう言いながら、クロノの頭を慈しむように撫でるアリアフィーネ。
もはやクロノは、アリアフィーネにこうして抱きしめられると、抵抗することができなくなっていた。
トロンとした瞳で、彼女に為されるがままにされてしまう。
「ひゃう! あとちょっとのところだったのに! 結局アリアフィーネさんに取られてしまいましたの……んっんっっ♡♡」
またもやシェリルは身悶えるのであった。
「ふふ……っ♡」
余裕の笑みを見せつけるアリアフィーネ。
いつもならここで終わる……はずだったのだが、今日のシェリルは違った。
雑念を振り払うかのように、首をフルフルと横に振ると――
「ま、負けていられませんの!」
――と、意を決したように叫ぶ。
そしてそのまま……。
むにゅんっっ!
……アリアフィーネの向かいから、クロノの後頭部を包むように、大きな胸による抱擁を繰り出す。
それによりクロノの顔がアリアフィーネの胸に深く埋もれる。
二人の美少女エルフによる柔らかさというの名の暴力に晒され、クロノは「うむぅ~!?」とくぐもった声を漏らす。
「む、今日は手強いですね、シェリルさん?」
「いつまでも及び腰ではいられませんの! 今日からガンガンいかせてもらいますわ!」
二人の胸の中で揉みくちゃにされるクロノをよそに、アリアフィーネとシェリルは視線を交わし、火花を散らす。
そんな時だった……。
コンコンコンッ!
……玄関の扉から、ノック音が響き渡った。
「ぷはぁっ!」
二人がノック音に気を取られた隙に、ようやく胸の間から抜け出したクロノ。
これ以上捕まってなるものか! と、そのまま玄関の方へと駆けていく。
「あんっ! おっぱいに挟まれるご主人様、可愛かったのに……」
「け、結局お預けですの!?」
後ろの方から、そんな二人の声が聞こえてくるが、そんなものを無視して玄関の扉を開けるクロノ。
「おっはークロノちゃん! 朝早くからごめんね? ちょっといいかしらん……?」
扉を開けると、そんな声とともに、一人の人物が現れた。
筋骨隆々の巨体、その巨体をボンデージファッションに包み込んだ、最恐の受付嬢――アーナルド・ホズィルズネッガーさんである。
「む、アナ殿、どうした? こんな朝早くから」
「ちょっとクロノちゃんにお願いがあって……て、あらやだ! お楽しみ中だったのね! しかもコスプレプレイなんて、可愛い顔してクロノちゃんもやるわね♪」
アリアフィーネとシェリルの格好を見て、アーナルドは勘違いしたようだ。
とても楽しそうな表情で、クロノに「このこの!」と、肘をツンツンと当ててくる。
まぁ、ネグリジェ姿のアリアフィーネと、裸エプロンのシェリルを見れば、勘違いして当然である。
「おわぁぁぁぁぁぁ!? ち、違うぞ、アナ殿! これはだな!」
クロノは必死に否定しようとするのだが……。
なぜかアリアフィーネとシェリルが「「ふふんっ♡」」と、得意げな様子で仁王立ちになるものだから、誤解は余計に加速するのであった――
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