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第三章

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 一週間後、性器の模型が出来たため、お父様から、オリオン皇太子殿下へ送られたそうだ。お礼状が届いており燃やしたくなったが、何とか我慢した。

 馬車での出来事は、お兄様が何も無かったように振る舞うので、私も忘れることにした。自分がこんなに尻軽だと想像もしていなくて、かなり落ち込むし。

 後悔しても起きてしまったことはしょうがないと、大きな溜息をつくと、専属メイドのケイトが心配そうな眼差しでこちらの様子を伺う。

 申し訳ないと思い、笑顔を作る。すると気を利かせて、ケイトが話しかけてくれた。

「メリアお嬢様、そういえば、完成した制服が届きましたよ。よかったら試着してみますか?」
「そうね。気分転換に着てみようかしら」

 ケイトが嬉々として、制服を運んでくると、すぐに着替える。
 首の詰まった襟なし白ブラウスに、グレーのグレンチェック模様の制服ワンピースを重ねる。ワンピースはジャンパースカートタイプなので袖がない。その上にワンピースと同じ生地のジャケットを羽織る。王立グロウムーン学園の紋章が入っている。膝下のスカート丈でクラシカルな雰囲気でとてもかわいい。

「メリアお嬢様、とってもお似合いです!」

 制服を着るだなんて何だか気恥ずかしいが、鏡の前にたち、くるりと一周する。思ったよりも似合っててホッとする。

 すると、部屋の扉からノックが響く。ノアがきたようだ。制服姿の私をみて、目を見開いている。心なしか、大股でこちらに来る。
 私の前に立ち止まると、熱のこもった甘い視線で、上から下まで見られる。ノアの熱い目線に、気恥ずかしくなって、目を逸らすと、髪の毛をさらりと触れられた。

「制服の試着をされていたんですか? メリアお嬢様の制服姿も可愛らしいですね」

 ストレートに言われると、恥ずかしくなって、俯いてお礼を言うと、くすりと笑われた。お兄様とのことがあってから、こういった触れ合いも久しぶりだ。
 様子を伺うようにノアの瞳を見ると、パチリと目があった。砂糖を煮詰めたような優しげな瞳に、今度は目を奪われる。

「メリアお嬢様、キスしてもいいですか?」

 コクリと頷くと、貪られるかのように、唇に噛みつかれる。性急に舌を絡められ、はやくも唾液が混ざり合う。
 ーーあぁ、やっぱりノアとするのが、一番しっくりくる。
 胸の奥が苦しくなるほどの、口付けに、蕩けてしまいそうだ。仕上げとばかりに、触れるだけのキスを何度かすると唇が離れる。

 ふと我に変えると、いつの間にか、ケイトはいなくなっていた。うわ、恥ずかしい。気を遣ってくれたんだわ。そんなことを考えて、意識を飛ばしていると、ノアに頬を両手で挟まれた。

「にゃに、しゅるの……!」
「私のこと以外考えないでください」

 頬をむぎゅっと挟まれたせいで、とんがった唇を、はむはむと啄まれると、たまらなく蜜壺が連動して切なくなる。
 どうしようもなく疼く感覚に、どうとでもなれとばかりに、ノアの首に抱きつき、キスを返す。

 ノアは甘えるように、私の首筋に額をぐりぐりと擦り付ける。それは一種のマーキングみたいで、胸がキュンとなる。
 私は、ノアの頭を撫でると、意外にもふわふわだった。何だかとても幸せで、ノアとずっと一緒にいたいなぁとぼんやり思う。
 この胸の高鳴りは、もしかしてーー

「ひゃうっ」

 ノアのお口が、私の耳をちゅぱちゅぱと、吸ってもてあそぶ。ゾクゾクとする刺激に、くすぐったいのと、気持ちいのがぐちゃぐちゃに混ざって、甘い声になる。

 耳たぶにキスをして、そのまま舌が下がっていく。首筋を入念に舐め上げると、強く吸って、所有印をつけられた。

 そのままブラウスのボタンを四つ外されると、はだけた、鎖骨や谷間にも所有印をどんどんつけられる。

「んっノア、つけすぎ……!」
「こんなに可愛い制服姿を他人にも見せられると思ったらつい……。ダメでしたか……?」

 珍しくもしおらしいノアに、愛おしさがこみ上げてくる。この多幸感で満たされるのはノアだけ。お兄様と致してしまった時は、欲をぶつけ合っているだけだったけど、ノアとの時は、まるで恋人としているような甘さがある。メイドたちとの戯れともまた違う、心が満たされる感覚……。

「ダメじゃないわ。もっとノアでいっぱいにして」
「~~あぁもうメリア様はずるい人だ」

 へなへなとノアが床に座り込む。いつもだったら虐めるよう襲いかかってくれるのに、顔を赤くさせて片手で顔を覆っている。……照れていらっしゃる……?
 目線を合わせるように、同じように膝を曲げて、腰を落とすと、少し涙目になっているノアの碧い瞳と目が合う。なに可愛い生き物。ノアが照れてる姿なんてレアなんだけど。今私自分の心臓の音が聞こえるくらいドキドキしている。

 我慢できず、ノアをぎゅっと抱きしめる。もしかしたら、やっぱり、薄々気がついていたけど、私ノアのことが好きかもしれない。
 執事と貴族との恋がどうなるとか、家柄とか、そういう現実的なことは無視して、今はこの幸せな気持ちしか考えたくない。
 そんなことを思っていると、ノアが上目遣いで口を開いた。

「……メリア様が、学園に入学されたら、私家庭の事情で一旦実家に帰ります。貴方にふさわしい男になって必ず卒業までに迎えにきますので、お願いですから、誰とも婚約しないでください」

 すがるような声に、落ち込んむべきか、喜ぶべきか、思考が停止する。
 そういえばノアの家柄を結局聞けていないままだった……。でも聞かなくても、もういいか。だって、この熱が下がる気はしないのだから。

「ノア、私待っているわ。必ず帰ってきてね……?」
「えぇ。勿論です」

 ノアが、満面の笑みでこちらを見ている。こんな幸せそうな顔初めてみた。ノアの目の奥が私を好きと伝わってくるくらい甘い。甘すぎる。
 学園で好きな人作って、そこそこの坊ちゃんと結婚しようと思っていたけれど、そんな計画はやめた。だって好きな人は、こんなに近くにいたのだもの。

 自然と唇が重なる。感情が動かない人と思っていたけど、私に見せてくれる、意地悪なところも、照れているところも、笑っているところも、堪らなく愛おしく思えてくる。

 優しくて、とろけそうな口付けに、頭がくらくらする。歯列を焦らすようにゆっくり舐められると、ゾクゾクと甘く痺れる。
 負けじと、ノアの上顎を舐めると、舌を捕まえられて、甘噛みされる。気持ちいい。

 ノアに横抱きされると、ベット前まで進み、降ろされる。

「おろしたての制服を汚すわけにはいきませんから、脱がしますね」

 コクリと頷くと、ジャケットをはぎ、背中のチャックをおろしてワンピースを脱ぐと、大切そうにハンガーにかけてくれる。
 ブラウスのボタンを全部外されると、下着まで剥ぎ取られる。あっという間に一糸纏わぬ姿になった。

「……あっ、」

 今日は所有印をつけたい気分なのかしら。下乳を甘噛みされ、歯形までつけられる。身体中にキスを落とされるが、じんわりとした快感に、焦らされていると感じてしまう。
 もっと強い刺激が欲しくなると、物欲しげに、ノアをおねだりするよう見つめると、ようやく胸の頂をいやらしく、ひと舐めされる。

「んぅぅ、ノア、もっと……!」
「欲しがりさんですね」

 ちゅぱちゅぱと、卑猥な音をたてながら、舐めながら吸われる。ノアは右手の親指をメリアの口の中に入れて、左手は太ももを撫でる。

 私は必死にノアの親指を舐めて、はむはむと甘噛みをして、吸い付く。舌を絡めてノアの親指を味わっていると、下唇を私の唾液がついた親指で撫でられる。唇のぞくっとする感覚と、胸と太ももの刺激で、身体の熱はどんどん高まってくる。

「んあぁあっ、来ちゃううぅ……!!」
「逝っていいですよ」
「あっ、ふぁあぁぁん!! 逝ってるぅぅぅ!!!」

 腰が浮き、大きく痙攣する。気持ち良すぎて、耐えられず、ノアに抱きつくと、素肌にノアの服が擦れる。素肌と素肌で触れたい。

「ノア、お願い。服ぬいで?」

 ノアの服を脱がそうとすると、我慢できないとばかりに、すごい勢いで服を脱いでいく。
 すると、下半身が弾けんばかりにそそり勃つ姿に、釘付けになる。

 私は思わず、ノア自身を舐めようとするが、ノアによって止められてしまった。なぜ……? はしたなかったかしら。でも今までだってやってるし……。本当は嫌だったとか?
 メリアは、涙目で、ノアを見上げる。

「そんな目で見ないでください。今舐められたらすぐ達しそうなので、やめてもらっても良いですか。……あの、早いですが、もう挿れても……? 早くメリア様と一つになりたい」
「うん。早く欲しい。ノアの大きいおちんぽでメリアをいっぱいにして……!」
「……誰に教わったんですか、そんな台詞。抑えが効かなくなる」
「ひ、あぁ、ふああぁん! ノア気持ちいいのぉおぉお!」

 そう言いながらも、すでに蜜でいっぱいになっている秘部へ、丁寧に挿入される。挿れただけで軽く達してしまった。

「あぁぁぁあぁぁん!! ノア、ノアぁぁぁ」
「っはぁ、可愛い。すごい締まる」
「んぅ、キスして……!」

 余裕がなくなった表情で、ノアは甘いキスをして、腰を本能のままにふる。対位を変え、何度も何度もノアの欲望を受け止めた。

 心の通じ合った交わりは、メリアにとって、何よりも気持ちよくて、幸せな気分にさせた。

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