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3日目
しおりを挟む私は保健室で寝ていた
校内に放送がかかった
……委員会に所属している人はー・・・
頭が音を拒否するように痛む
キーンとして音が良く聞こえない
私に出来るのはただうずくまって音が過ぎ去るのを待つだけだった。
同じ部屋から怒鳴る声が聞こえる
お前ちゃんとしろよ
ここでどうするんだ?昼は?荷物は?
先生か……父親だろうか
理由はわからないが強い口調で女の子を責める
女の子は小さい声で返事をする
きっと先生だろう、などと考えながら
なぜあんな態度なのだろう、相手は病人なのにと考えながら眠りに落ちる
窓から歩く中学生たちが見えた
もしかしたら妹もいるかもしれないと私は外へ出て中学生の間を縫って探す
一学年全員が移動しているのかなかなか見つからない
奇妙なことに彼らは全員着物や亀の甲羅のようなものを背負っている
そういえば今日は劇をするって言ってたっけ…
格好からして浦島太郎だろうか、
ピンクの着物や青い布、緑の甲羅が廊下を鮮やかに彩る
その中に妹を見つけた
ピンク色の着物をまとい、髪には黄色い簪
アップに纏めた髪の毛は成人式のようだ
綺麗だった。声をかけることができなかった
彼女は私に気付かず廊下を進んでゆく
追いかけることも出来ないまま私はその場に立ち尽くした
カーテンの向こうから声が聞こえた
「どのベット?奥から2番目?顔が綺麗だから見てみろって?」
聞いたことのある声だ
多分、同じクラスの男子。
カーテンが開く。私は咄嗟に寝ているふりをする
「違うじゃねーか、こいつじゃないよ」
じゃあ誰を狙ってたの?と聞くと
「高橋さん」
あの子を狙うのは良くないよ、性格悪いし
「そうか。でも俺があいつを狙うのは変わらない。今保健室で寝てるらしいから寝顔を見ときたいんだ」
なんであんな性格の悪い子を好きになるんだろう、みんなそのことに気付いてないんだろうか
隣のベットで寝ているのは男子のようだ
多分、年下。
私は高3だから同い年でなければ年下しかありえないのだけれど
何回も体勢を変えている
具合が悪いんだろうな、早退という言葉が聞こえた
私は身体をこわばらせてベッドに寝ていた
金縛りみたい。
誰も私を起こしに来なかった
変なの、隣の男の子を起こす声は聞こえたのに
私はもう諦められているんだろうか
これらが今日私が体験したこと
半分位は夢だと思う
夢と現実の境目はない
本当かもしれないし嘘かもしれない。
私も、判断出来ない
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