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第13話
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「カンパーイ!!!!」
最初の一杯は『とりあえず生』ということで、ジョッキ4つが様々な思惑を込めてぶつかった。
とりわけ細川は、雛実の隣に座る木浦の存在が気に入らなくて仕方なかった。
「木浦~、お前最近だいぶ板についてきたよなぁ食品部門。」
「そうですか?細川さんにそう言ってもらえると自信がつきますよ。」
「ほんとよぉ~、木浦君の噂はよく聞くんだから。仕事は早いし、接客もいいって。おまけに男前だし。あ、細川さんと比べたらまだまだですよぉ。」
雛実は発言しないまま、3人で木浦についての褒め合いが始まる。雛実は頷くだけだが、木浦を見る他の2人の目が全く違っていることに気がついた。
細川は、持ち上げながらも『まだまだ甘っちょろい』とでも言いたげな目でみている。
高垣は絶え間なく上目遣いをして、女性としてのアピールをしている。
両者の姿勢に木浦もおそらく気づいているのだろう。やり切れなさにジョッキの中身は早くも空っぽになっていた。
「……木浦さん、何か飲みます?」
さり気なく聞いた雛実に、
「あ、うん、ありがとう。雛実ちゃんはいつも何飲んでるの?」
と、酔いが少し回っているのか赤ら顔でいつもより更に優しいトーンで聞き返された。
ーードキっ……。
わかりやすく雛実が恥ずかしがった。
目が、照れたのだ。
その様子が面白くない細川は、
「雛実ちゃんは焼酎だよな。芋の。ね?」
と、身を乗り出して雛実の顔を覗き込んだ。
細川の大人気ない態度に木浦は驚いたが、雛実は、
「あ、あぁ、そうですよ。私、芋の焼酎が好きなんです。だから、水割りでも頼もうかな。」
と、ニコッと笑ってオーダーした。
ーーっな、何なの!?……この子、もしかして……!
そんな雛実と細川の様子に驚いたのは、もちろん高垣である。
33歳、彼氏いない歴10年。
伊達に苦酒を味わってきていないのだ。
間違いなく、細川の現在のターゲットは雛実であると気づいた高垣は、(これはいただけないわっ)と、目を細めた。
「じゃ、僕も雛実ちゃんと同じものにしようかな。」
グイッと美味しそうに水割りを流し込む雛実を見て、木浦も同じものをオーダーした。
「木浦さんっ、ナイスっ!」
何がナイスなのかわからないが、とにかくこの場が盛り上がれば何でもいい雛実は、木浦にハイタッチを求めた。
(とにかくこの席が楽しく終わればいいわ。)と。
《パンっ》と、若い2人の手のひらがぶつかり合い、細川も高垣も目を見張った。
ぶつかり合った後、僅かに木浦が雛実の手をなぞったからだ。
雛実もその瞬間、『ゾクっ』として、思わず「っあ」と声が漏れてしまった。
不覚にも、その雛実の声は男性社員2人の下半身を高ぶらせていた。
普段は温和で”男”のサガを強調しない木浦。だが、思わぬ自身の反応に、
(雛実ちゃんを……もっと乱してみたい……。)
と野望が芽生えてしまった。
それは細川にしても同じで、
(絶対に今夜いただくっ!)
と、鼻息荒くなったのは言うまでもない。
最初の一杯は『とりあえず生』ということで、ジョッキ4つが様々な思惑を込めてぶつかった。
とりわけ細川は、雛実の隣に座る木浦の存在が気に入らなくて仕方なかった。
「木浦~、お前最近だいぶ板についてきたよなぁ食品部門。」
「そうですか?細川さんにそう言ってもらえると自信がつきますよ。」
「ほんとよぉ~、木浦君の噂はよく聞くんだから。仕事は早いし、接客もいいって。おまけに男前だし。あ、細川さんと比べたらまだまだですよぉ。」
雛実は発言しないまま、3人で木浦についての褒め合いが始まる。雛実は頷くだけだが、木浦を見る他の2人の目が全く違っていることに気がついた。
細川は、持ち上げながらも『まだまだ甘っちょろい』とでも言いたげな目でみている。
高垣は絶え間なく上目遣いをして、女性としてのアピールをしている。
両者の姿勢に木浦もおそらく気づいているのだろう。やり切れなさにジョッキの中身は早くも空っぽになっていた。
「……木浦さん、何か飲みます?」
さり気なく聞いた雛実に、
「あ、うん、ありがとう。雛実ちゃんはいつも何飲んでるの?」
と、酔いが少し回っているのか赤ら顔でいつもより更に優しいトーンで聞き返された。
ーードキっ……。
わかりやすく雛実が恥ずかしがった。
目が、照れたのだ。
その様子が面白くない細川は、
「雛実ちゃんは焼酎だよな。芋の。ね?」
と、身を乗り出して雛実の顔を覗き込んだ。
細川の大人気ない態度に木浦は驚いたが、雛実は、
「あ、あぁ、そうですよ。私、芋の焼酎が好きなんです。だから、水割りでも頼もうかな。」
と、ニコッと笑ってオーダーした。
ーーっな、何なの!?……この子、もしかして……!
そんな雛実と細川の様子に驚いたのは、もちろん高垣である。
33歳、彼氏いない歴10年。
伊達に苦酒を味わってきていないのだ。
間違いなく、細川の現在のターゲットは雛実であると気づいた高垣は、(これはいただけないわっ)と、目を細めた。
「じゃ、僕も雛実ちゃんと同じものにしようかな。」
グイッと美味しそうに水割りを流し込む雛実を見て、木浦も同じものをオーダーした。
「木浦さんっ、ナイスっ!」
何がナイスなのかわからないが、とにかくこの場が盛り上がれば何でもいい雛実は、木浦にハイタッチを求めた。
(とにかくこの席が楽しく終わればいいわ。)と。
《パンっ》と、若い2人の手のひらがぶつかり合い、細川も高垣も目を見張った。
ぶつかり合った後、僅かに木浦が雛実の手をなぞったからだ。
雛実もその瞬間、『ゾクっ』として、思わず「っあ」と声が漏れてしまった。
不覚にも、その雛実の声は男性社員2人の下半身を高ぶらせていた。
普段は温和で”男”のサガを強調しない木浦。だが、思わぬ自身の反応に、
(雛実ちゃんを……もっと乱してみたい……。)
と野望が芽生えてしまった。
それは細川にしても同じで、
(絶対に今夜いただくっ!)
と、鼻息荒くなったのは言うまでもない。
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