9 / 11
第9話
しおりを挟む
川嶋さんが指定したコンビニに着くと、タクシー代は彼女が押し切って出し、俺はなんとも虚しい気持ちになった。
(バカだな、全く。俺はなんでこんなにヘタレなんだ。)
いつもいつもやり込められ、男らしさを出せないでいる。
だが、こんな俺を”好き”だなんて……
何かが間違っている。きっと何かが。
川嶋さんはコンビニに入るとカゴを持ち、適当におにぎりやらスナック菓子やら雑誌やらを入れている。俺は俺で、随分と喉が渇き、ミネラルウォーターを手にしていた。
こんな時、会計ってどうすりゃいいんだろうか?
ご飯を食べにきたわけでもない。
自分が誘ったわけではない。
多分、日用品なども買い込んでいるようだ。
こんな時、好きな子のものだったらなんでもこちらが払うべきなのだろうか?
そうこう思案している間に、川嶋さんはレジに向かい、さっさと財布からお金を取り出して店員に出そうと構えている。
「こちらはご一緒ですか?」
「あ、ああ、いえいえ、違います。」
「あ、こっちも一緒にお願いします。」
「えっ?」
「はい、ではご一緒ですと、合計が3540円になります。」
あれよあれよという速さでレジに入力していく店員。
そしてお釣りなくぴったりの額を払う川嶋さん。
俺のミネラルウォーターまで……!
店を出ると、俺はすぐに財布から3000円出し、川嶋さんに渡した。
「ごめん、一緒に出してもらっちゃって。」
「え?あ、ううん、ごめんね、いいのよ。気にしないで。私が勝手にここまで連れてきちゃったんだから。」
「でも、悪いよ。タクシー代も出してもらっちゃったし。」
「だから、気にしないで、ね?…………ぁあ、そっか……私、また………ごめんね、あの、とにかく付いてきて。」
川嶋さんはそう言うと、俺の手にある3000円には手を出さずにどこかへ進んでいった。
仕方なくついていく俺。
一体どういう意味だろう?
”また”ってどういうことなんだろう?
(バカだな、全く。俺はなんでこんなにヘタレなんだ。)
いつもいつもやり込められ、男らしさを出せないでいる。
だが、こんな俺を”好き”だなんて……
何かが間違っている。きっと何かが。
川嶋さんはコンビニに入るとカゴを持ち、適当におにぎりやらスナック菓子やら雑誌やらを入れている。俺は俺で、随分と喉が渇き、ミネラルウォーターを手にしていた。
こんな時、会計ってどうすりゃいいんだろうか?
ご飯を食べにきたわけでもない。
自分が誘ったわけではない。
多分、日用品なども買い込んでいるようだ。
こんな時、好きな子のものだったらなんでもこちらが払うべきなのだろうか?
そうこう思案している間に、川嶋さんはレジに向かい、さっさと財布からお金を取り出して店員に出そうと構えている。
「こちらはご一緒ですか?」
「あ、ああ、いえいえ、違います。」
「あ、こっちも一緒にお願いします。」
「えっ?」
「はい、ではご一緒ですと、合計が3540円になります。」
あれよあれよという速さでレジに入力していく店員。
そしてお釣りなくぴったりの額を払う川嶋さん。
俺のミネラルウォーターまで……!
店を出ると、俺はすぐに財布から3000円出し、川嶋さんに渡した。
「ごめん、一緒に出してもらっちゃって。」
「え?あ、ううん、ごめんね、いいのよ。気にしないで。私が勝手にここまで連れてきちゃったんだから。」
「でも、悪いよ。タクシー代も出してもらっちゃったし。」
「だから、気にしないで、ね?…………ぁあ、そっか……私、また………ごめんね、あの、とにかく付いてきて。」
川嶋さんはそう言うと、俺の手にある3000円には手を出さずにどこかへ進んでいった。
仕方なくついていく俺。
一体どういう意味だろう?
”また”ってどういうことなんだろう?
0
あなたにおすすめの小説
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
届かぬ温もり
HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった·····
◆◇◆◇◆◇◆
読んでくださり感謝いたします。
すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。
ゆっくり更新していきます。
誤字脱字も見つけ次第直していきます。
よろしくお願いします。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
思い出のチョコレートエッグ
ライヒェル
恋愛
失恋傷心旅行に出た花音は、思い出の地、オランダでの出会いをきっかけに、ワーキングホリデー制度を利用し、ドイツの首都、ベルリンに1年限定で住むことを決意する。
慣れない海外生活に戸惑い、異国ならではの苦労もするが、やがて、日々の生活がリズムに乗り始めたころ、とてつもなく魅力的な男性と出会う。
秘密の多い彼との恋愛、彼を取り巻く複雑な人間関係、初めて経験するセレブの世界。
主人公、花音の人生パズルが、紆余曲折を経て、ついに最後のピースがぴったりはまり完成するまでを追う、胸キュン&溺愛系ラブストーリーです。
* ドイツ在住の作者がお届けする、ヨーロッパを舞台にした、喜怒哀楽満載のラブストーリー。
* 外国での生活や、外国人との恋愛の様子をリアルに感じて、主人公の日々を間近に見ているような気分になれる内容となっています。
* 実在する場所と人物を一部モデルにした、リアリティ感の溢れる長編小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる