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最後の異世界生活~美桜編~
~花が持つ力~
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美桜やサントリナ、ライラックの馬車が見晴らしのいい殺風景の中に佇ずむ、とある孤児院と教会が併設された施設に着いた。
「ん~!ここはいつ来ても空気が気持ちいいわ!ね、美桜ちゃんも深呼吸、してみない?」
「私は…。」
「ふふっ。今は違うかしら。でも…きっとしたくなるわ、深呼吸。」
馬車から降りるなりサントリナは腕を大きく広げ、空気を思いっきり吸い込み深呼吸を一つした。
美桜にも深呼吸を薦めてみるが、気乗りしない美桜は俯いた。
サントリナはその事に特に気にも留めず美桜にただ優しく微笑むだけだった。
そこへ先に現地に着いていたアイリスが駆け寄ってきた。
「サントリナ様~!カノ…美桜様~!!ごきげんよう。お待ちしておりました!本日はお誘い、ありがとうございます。」
「アイリス嬢、ごきげんよう。こちらこそ、お誘い受けてくれてありがとう。」
「…ごきげんよう。…あの……どうして私の事…。」
「サントリナ様から少しお話は聞いていましたの。お久しぶりです、美桜様。」
「…あ!女神祭の後の…王宮の夜会の後以来ですね。」
「はい!私…あの時は入れ替わる現象があるとは思っていなくて…ですが、夜会の時にお会いしたカノン様と、私が初めてお誘いしたお茶会の時のカノン様…雰囲気が違ったので少し疑問でしたの…。それがサントリナ様の説明で納得いきましたのよ。」
「美桜ちゃん、ごめんなさい…勝手にお話ししてしまって…。」
「いえ…。急な事で驚かれるよりは…先に知ってもらった方が良い事もあります。」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。」
「あの、先ほどからすでにお呼びしてますが、美桜様…と、お呼びしてもいいですか?私の事は呼びやすいほうで大丈夫ですので。」
「…はい、私も…呼びやすい方で大丈夫です。えっと…改めまして、よろしくお願いします、アイリスさん。」
「ありがとうございます!こちらこそ、よろしくお願いします!」
美桜とサントリナ、アイリスはその場で少し話し込み、会話が一段落したところで施設に来た目的を果たすため、施設内へと足を運んだ。
三人の様子を少し離れた所からライラックも馬車から降りて見ており、三人の動きに合わせて離れている距離を保ちつつ施設内に足を運んだ。
孤児院という事もあり、数十人の子ども達で施設内は賑わっており、大人も数十人とパッと見た感じでは合わせて五十人ほどの人数がいた。
美桜が目の前の賑わいに唖然としていると、シスターがにこやかな笑顔で声を掛けてきた。
「サントリナ様、こんにちは。本日もお越し頂きありがとうございます。どうぞ、ご自由に中を見て回ってください。」
「シスター、ありがとう。お言葉に甘えますね。さ、美桜ちゃん、アイリス嬢、行きましょう。」
「はい!」
「…はい。」
施設の敷地内を歩いていると、少し開けた所に出るという目前でサントリナは美桜の前に立ちにこやかな笑顔を向け、サントリナの急な行動に美桜は戸惑いを見せた。
「あ、あの…サントリナお姉ちゃん?」
「ふふっ。もうすぐ目的地なの。私が美桜ちゃんの手を引くから目を閉じてくれるかしら。」
「わかりました…。」
サントリナの言葉に従って美桜は目を閉じ、サントリナは美桜が目を閉じたのを確認し、両手を取りゆっくりと目的地まで導いた。
数メートル歩き、美桜の手を引いていたサントリナの足が止まり、美桜もつられて足を止めた。
美桜の前に立っていたサントリナが美桜の横に移動した。
「美桜ちゃん、目を開けても大丈夫よ。」
サントリナの声を聴いた美桜は閉じていた目を開けた。
美桜の目に飛び込んできたのは広い庭…いや、もはや草原とも呼べるくらいに広がった土地一面に咲き誇っている色とりどりの花だった。
美桜は目の前の光景にあっけにとられ、感動の声が自然とこぼれた。
「わぁ…す…ごい…。」
「ふふっ。キレイでしょ。私の好きな花……スリジエ。」
美桜は花を間近で見たくなり近づいてしゃがみ、美桜の隣にサントリナやアイリスも並んでしゃがんだ。
ライラックは三人と離れた所に立ち、目の前に広がる一面の花を眺めていた。
「こんなにいっぱい…それに…色も濃い桃色や薄い桃色…白っぽい色もあって…キレイです…。………あれ、でも…この花…よく見たら……桜…?(たしか…芝桜って種類があったはず。)」
「美桜ちゃんのお国では『さくら』って言うの?」
「はい…ここの花みたいに地面に咲く種類もありますが、大きく育った木にたくさんの花を付ける種類もあります。その木がいっぱい並んでいる場所もあって、『さくらなみき』って呼ばれていて、すっごく綺麗なんです。」
「へぇ~!それも見てみたいわ!すっごく、キレイな光景なのでしょうね。美桜ちゃんがキラキラ輝いているもの。」
美桜は自分の国に咲く桜の事を思い出しながらいつのまにか熱く語っていた事に気付き、恥ずかしくなり俯いた。
それを見たサントリナは小さく笑い、視線を花に向けて静かに語り出した。
「この花…スリジエは…私やお兄様…カノンのお母様と同じ名前の花なの…。お母様はここの孤児院出身で…先代のフローライト家の当主とお父様が慈善活動でこの孤児院に来た時にお父様に見初められて、フローライト家に招き入れたんですって。反対の声も多かったけど…お父様が実力つけて押し切ったみたいなの。そういう経緯があって、お母様は私やお兄様が小さい頃、よくここに連れて来てくれたの。私にとって…とても大切な場所なの。今はここにしか咲いていないけど…国のあちこちに咲かせたいわ。」
遠い記憶を思い出しながら花を優しい表情で見つめるサントリナの様子に心を打たれた美桜は、一つの思いが湧き上がった。
「ん~!ここはいつ来ても空気が気持ちいいわ!ね、美桜ちゃんも深呼吸、してみない?」
「私は…。」
「ふふっ。今は違うかしら。でも…きっとしたくなるわ、深呼吸。」
馬車から降りるなりサントリナは腕を大きく広げ、空気を思いっきり吸い込み深呼吸を一つした。
美桜にも深呼吸を薦めてみるが、気乗りしない美桜は俯いた。
サントリナはその事に特に気にも留めず美桜にただ優しく微笑むだけだった。
そこへ先に現地に着いていたアイリスが駆け寄ってきた。
「サントリナ様~!カノ…美桜様~!!ごきげんよう。お待ちしておりました!本日はお誘い、ありがとうございます。」
「アイリス嬢、ごきげんよう。こちらこそ、お誘い受けてくれてありがとう。」
「…ごきげんよう。…あの……どうして私の事…。」
「サントリナ様から少しお話は聞いていましたの。お久しぶりです、美桜様。」
「…あ!女神祭の後の…王宮の夜会の後以来ですね。」
「はい!私…あの時は入れ替わる現象があるとは思っていなくて…ですが、夜会の時にお会いしたカノン様と、私が初めてお誘いしたお茶会の時のカノン様…雰囲気が違ったので少し疑問でしたの…。それがサントリナ様の説明で納得いきましたのよ。」
「美桜ちゃん、ごめんなさい…勝手にお話ししてしまって…。」
「いえ…。急な事で驚かれるよりは…先に知ってもらった方が良い事もあります。」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。」
「あの、先ほどからすでにお呼びしてますが、美桜様…と、お呼びしてもいいですか?私の事は呼びやすいほうで大丈夫ですので。」
「…はい、私も…呼びやすい方で大丈夫です。えっと…改めまして、よろしくお願いします、アイリスさん。」
「ありがとうございます!こちらこそ、よろしくお願いします!」
美桜とサントリナ、アイリスはその場で少し話し込み、会話が一段落したところで施設に来た目的を果たすため、施設内へと足を運んだ。
三人の様子を少し離れた所からライラックも馬車から降りて見ており、三人の動きに合わせて離れている距離を保ちつつ施設内に足を運んだ。
孤児院という事もあり、数十人の子ども達で施設内は賑わっており、大人も数十人とパッと見た感じでは合わせて五十人ほどの人数がいた。
美桜が目の前の賑わいに唖然としていると、シスターがにこやかな笑顔で声を掛けてきた。
「サントリナ様、こんにちは。本日もお越し頂きありがとうございます。どうぞ、ご自由に中を見て回ってください。」
「シスター、ありがとう。お言葉に甘えますね。さ、美桜ちゃん、アイリス嬢、行きましょう。」
「はい!」
「…はい。」
施設の敷地内を歩いていると、少し開けた所に出るという目前でサントリナは美桜の前に立ちにこやかな笑顔を向け、サントリナの急な行動に美桜は戸惑いを見せた。
「あ、あの…サントリナお姉ちゃん?」
「ふふっ。もうすぐ目的地なの。私が美桜ちゃんの手を引くから目を閉じてくれるかしら。」
「わかりました…。」
サントリナの言葉に従って美桜は目を閉じ、サントリナは美桜が目を閉じたのを確認し、両手を取りゆっくりと目的地まで導いた。
数メートル歩き、美桜の手を引いていたサントリナの足が止まり、美桜もつられて足を止めた。
美桜の前に立っていたサントリナが美桜の横に移動した。
「美桜ちゃん、目を開けても大丈夫よ。」
サントリナの声を聴いた美桜は閉じていた目を開けた。
美桜の目に飛び込んできたのは広い庭…いや、もはや草原とも呼べるくらいに広がった土地一面に咲き誇っている色とりどりの花だった。
美桜は目の前の光景にあっけにとられ、感動の声が自然とこぼれた。
「わぁ…す…ごい…。」
「ふふっ。キレイでしょ。私の好きな花……スリジエ。」
美桜は花を間近で見たくなり近づいてしゃがみ、美桜の隣にサントリナやアイリスも並んでしゃがんだ。
ライラックは三人と離れた所に立ち、目の前に広がる一面の花を眺めていた。
「こんなにいっぱい…それに…色も濃い桃色や薄い桃色…白っぽい色もあって…キレイです…。………あれ、でも…この花…よく見たら……桜…?(たしか…芝桜って種類があったはず。)」
「美桜ちゃんのお国では『さくら』って言うの?」
「はい…ここの花みたいに地面に咲く種類もありますが、大きく育った木にたくさんの花を付ける種類もあります。その木がいっぱい並んでいる場所もあって、『さくらなみき』って呼ばれていて、すっごく綺麗なんです。」
「へぇ~!それも見てみたいわ!すっごく、キレイな光景なのでしょうね。美桜ちゃんがキラキラ輝いているもの。」
美桜は自分の国に咲く桜の事を思い出しながらいつのまにか熱く語っていた事に気付き、恥ずかしくなり俯いた。
それを見たサントリナは小さく笑い、視線を花に向けて静かに語り出した。
「この花…スリジエは…私やお兄様…カノンのお母様と同じ名前の花なの…。お母様はここの孤児院出身で…先代のフローライト家の当主とお父様が慈善活動でこの孤児院に来た時にお父様に見初められて、フローライト家に招き入れたんですって。反対の声も多かったけど…お父様が実力つけて押し切ったみたいなの。そういう経緯があって、お母様は私やお兄様が小さい頃、よくここに連れて来てくれたの。私にとって…とても大切な場所なの。今はここにしか咲いていないけど…国のあちこちに咲かせたいわ。」
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