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最後の異世界生活~カノン編~
~真相(前編)~
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原さんネーミングの幽霊退治探偵、GHDが結成された日の放課後。
カノンと峰岸君は、原さんを筆頭に、噂に関する情報を集める為、学校中を歩き回った。
図書館や第三音楽室に出るという髪の長い女の人の幽霊。
その目撃情報や噂の出どころなどを、放課後に残っている生徒達に聞きまわった。
だが、有力な情報は得られなかった。
カノン達が集めまわった情報は、特定の日はなく、放課後の遅い時間に数分だけ図書館や第三音楽準備室に出ると言うものだった。
その為、噂を知りたさに何人もの生徒が待ち伏せしたりするが、なかなか目撃も少なく、幽霊説が濃厚となっていったのだ。
聞き込みがある程度終わったカノン達は、三人しかいない教室で成果の無さに机にうなだれていた。
「もうどのくらい聞き込みしたのよ~。全然ダメじゃん~。」
「やはり…ゆ、幽霊…なのでしょうか…。」
「カノンさん、大丈夫?苦手な物を無理して付き合う必要ないからね?」
「……大丈夫ですわ。ありがとうございます。」
「…今日はもう解散にする?嫌だけど…テスト勉強あるし…。」
「そうだね…カノンさんの顔色…だんだん悪くなっているし…。」
「……すみません。」
「カノンさんのせいじゃないよ。でも、聞き込みをしている限り、単なる噂だと思うから、明日からはまた三人でテスト勉強しようよ。」
「んー…噂はすんごく気になるけど…しょうがないか…。じゃぁーGHDは今日で解散ー…。さよなら…GHD。」
「結成も早ければ、解散も早かったね…。」
「ふふっ…うん…。ごめんね、カノンちゃん。結局噂の真相わからずに…。」
「いいえ、お二人のお気持ち、すごく嬉しかったですわ。ありがとうございます。」
カノンは申し訳なさそうにする原さんに、優しく微笑んだ。
話しもまとまり、明日からまたテスト勉強を頑張る事にし、帰る準備を始めた。
「あの、すみません…わたくし、寄りたい所がありますので、お二人とも先にお帰りくださいまし。」
「わかった、それじゃあ、また明日ね!」
「カノンさん、帰り道、気を付けてね。」
カノンの言葉に原さんと峰岸君は快く笑顔で頷き、カノンは帰る準備を整え、足早に教室を出て行った。
原さんと峰岸君はカノンの背中を見送り、帰る準備を終え、教室を後にした。
原さんと峰岸君の二人が靴箱まであと少しと言う所まで差し掛かった時、原さんが急に立ち止まった。
「……。」
「原さん?どうしたの?」
「…やっぱり…噂…気になる…。もう一度、私達だけでも調べてみない?」
「え…いいけど…原さんは怖くないの?」
「平気だよ。お化けよりもっと怖いもの…知ってるから。」
「そっか…。わかった…ならどこから行く?」
「んー…第三音楽準備室。」
原さんの提案に峰岸君も付き合う事にし、二人は踵を返し、第三音楽準備室に向かった。
原さんと峰岸君は人気もなく、照明は落ち、陽も傾き始めている為薄暗い廊下を歩いていた。
「よく考えたら…この辺ってあんまり来た事なかったね…。」
「たしかに…。ちょっとだけ雰囲気あるね…。さすがに原さんも怖くなってきた?」
「ううん、まだ大丈夫。…………何か…聞こえる…。」
原さんと峰岸君が薄暗い廊下を進み、例の第三音楽準備室に近づくにつれ、噂通りピアノの音が聞こえてきた。
二人はゆっくり、一歩ずつ足を進め、第三音楽準備室の前で立ち止まった。
廊下を歩いている時よりも大きく聞こえるピアノの音に、二人は緊張の表情を浮かべ、顔を見合わせた。
「…この教室…ピアノないはずなのに…本当に音が聞こえる…。」
「うん…だけど…すごくキレイな音色だ。優しいけど、力強い…。」
「……この曲調…どこかで…。」
「……ここで聞いていてもしょうがないね…。中…見てみよう。」
「うん…。」
二人は小声で話し、意を決した表情でお互いに頷いた。
扉に手を掛けたのは峰岸君で、緊張の様子からゴクッと息をのみ、ゆっくりと扉を横にスライドさせた。
「……やっぱり…ピアノ…ないよ。」
「そんなはずは…。」
峰岸君の後ろから原さんも音楽準備室内を覗き込んだ。
二人は覗き込むだけではとどまらず、音楽準備室内に足を踏み入れ、再度見渡す。
中は薄暗く、目の前や、足元はいろんな物が溢れかえっていた。
その中で、ピアノの姿は見えないのに、音だけが聞こえる。
その音が聞こえる方を頼りに、ゆっくりと恐る恐る足を動かすと、原さんが足元の物を蹴飛ばしてしまい、それが転がる音が室内に響き渡った。
その音に、原さんや峰岸君はビクッと体を震わせ、その場に固まると同時に、今まで聞こえていたピアノの音も止んだ。
「………どなたか…いますの?」
ピアノの音が止み、聞こえてきたのは原さん達が聞き慣れた声だった。
「……美桜ちゃんの声がする。」
「……その声は…いのりちゃん?」
原さんや峰岸君が声のする方を探していると、目の前の積み上げられた物の奥からひょこっと遠慮がちにカノンが顔を出した。
カノンと峰岸君は、原さんを筆頭に、噂に関する情報を集める為、学校中を歩き回った。
図書館や第三音楽室に出るという髪の長い女の人の幽霊。
その目撃情報や噂の出どころなどを、放課後に残っている生徒達に聞きまわった。
だが、有力な情報は得られなかった。
カノン達が集めまわった情報は、特定の日はなく、放課後の遅い時間に数分だけ図書館や第三音楽準備室に出ると言うものだった。
その為、噂を知りたさに何人もの生徒が待ち伏せしたりするが、なかなか目撃も少なく、幽霊説が濃厚となっていったのだ。
聞き込みがある程度終わったカノン達は、三人しかいない教室で成果の無さに机にうなだれていた。
「もうどのくらい聞き込みしたのよ~。全然ダメじゃん~。」
「やはり…ゆ、幽霊…なのでしょうか…。」
「カノンさん、大丈夫?苦手な物を無理して付き合う必要ないからね?」
「……大丈夫ですわ。ありがとうございます。」
「…今日はもう解散にする?嫌だけど…テスト勉強あるし…。」
「そうだね…カノンさんの顔色…だんだん悪くなっているし…。」
「……すみません。」
「カノンさんのせいじゃないよ。でも、聞き込みをしている限り、単なる噂だと思うから、明日からはまた三人でテスト勉強しようよ。」
「んー…噂はすんごく気になるけど…しょうがないか…。じゃぁーGHDは今日で解散ー…。さよなら…GHD。」
「結成も早ければ、解散も早かったね…。」
「ふふっ…うん…。ごめんね、カノンちゃん。結局噂の真相わからずに…。」
「いいえ、お二人のお気持ち、すごく嬉しかったですわ。ありがとうございます。」
カノンは申し訳なさそうにする原さんに、優しく微笑んだ。
話しもまとまり、明日からまたテスト勉強を頑張る事にし、帰る準備を始めた。
「あの、すみません…わたくし、寄りたい所がありますので、お二人とも先にお帰りくださいまし。」
「わかった、それじゃあ、また明日ね!」
「カノンさん、帰り道、気を付けてね。」
カノンの言葉に原さんと峰岸君は快く笑顔で頷き、カノンは帰る準備を整え、足早に教室を出て行った。
原さんと峰岸君はカノンの背中を見送り、帰る準備を終え、教室を後にした。
原さんと峰岸君の二人が靴箱まであと少しと言う所まで差し掛かった時、原さんが急に立ち止まった。
「……。」
「原さん?どうしたの?」
「…やっぱり…噂…気になる…。もう一度、私達だけでも調べてみない?」
「え…いいけど…原さんは怖くないの?」
「平気だよ。お化けよりもっと怖いもの…知ってるから。」
「そっか…。わかった…ならどこから行く?」
「んー…第三音楽準備室。」
原さんの提案に峰岸君も付き合う事にし、二人は踵を返し、第三音楽準備室に向かった。
原さんと峰岸君は人気もなく、照明は落ち、陽も傾き始めている為薄暗い廊下を歩いていた。
「よく考えたら…この辺ってあんまり来た事なかったね…。」
「たしかに…。ちょっとだけ雰囲気あるね…。さすがに原さんも怖くなってきた?」
「ううん、まだ大丈夫。…………何か…聞こえる…。」
原さんと峰岸君が薄暗い廊下を進み、例の第三音楽準備室に近づくにつれ、噂通りピアノの音が聞こえてきた。
二人はゆっくり、一歩ずつ足を進め、第三音楽準備室の前で立ち止まった。
廊下を歩いている時よりも大きく聞こえるピアノの音に、二人は緊張の表情を浮かべ、顔を見合わせた。
「…この教室…ピアノないはずなのに…本当に音が聞こえる…。」
「うん…だけど…すごくキレイな音色だ。優しいけど、力強い…。」
「……この曲調…どこかで…。」
「……ここで聞いていてもしょうがないね…。中…見てみよう。」
「うん…。」
二人は小声で話し、意を決した表情でお互いに頷いた。
扉に手を掛けたのは峰岸君で、緊張の様子からゴクッと息をのみ、ゆっくりと扉を横にスライドさせた。
「……やっぱり…ピアノ…ないよ。」
「そんなはずは…。」
峰岸君の後ろから原さんも音楽準備室内を覗き込んだ。
二人は覗き込むだけではとどまらず、音楽準備室内に足を踏み入れ、再度見渡す。
中は薄暗く、目の前や、足元はいろんな物が溢れかえっていた。
その中で、ピアノの姿は見えないのに、音だけが聞こえる。
その音が聞こえる方を頼りに、ゆっくりと恐る恐る足を動かすと、原さんが足元の物を蹴飛ばしてしまい、それが転がる音が室内に響き渡った。
その音に、原さんや峰岸君はビクッと体を震わせ、その場に固まると同時に、今まで聞こえていたピアノの音も止んだ。
「………どなたか…いますの?」
ピアノの音が止み、聞こえてきたのは原さん達が聞き慣れた声だった。
「……美桜ちゃんの声がする。」
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