上 下
12 / 118

可愛らしいけどうるさい二匹の猫

しおりを挟む
「ねえ、遊んでにゃん!」

「遊んでにゃんたら遊んでにゃん!」

  二匹のチビ猫は俺の足に顔をこすりつけにゃんにゃんと騒ぐ。

「よし!  遊んであげるぞ」

「わ~い!  ありがとうにゃん」

「ありがとうにゃんたらありがとうにゃん」

  二匹の小さなチビ猫達は俺の足にぎゅっとしがみつく。めちゃくちゃ可愛らしいではないか。これこそ正に猫達に囲まれた猫パラダイスではないか。

  そう理想の生活でありチビ猫達も可愛らしいのだけど……。

「にゃんにゃんにゃ~ん!」

「うにゃにゃにゃ~ん!」

  小さな体のチビ猫達は部屋の中を走り回る。どうやら鬼ごっこがしたいらしい。

「お兄ちゃんもお姉ちゃんも遅いよ~あ、猫太お兄ちゃんは運動音痴すぎるにゃん」

「ちょっと猫太お兄ちゃんは格好悪いにゃ~ん」

  なんて二匹のチビ猫は言いたい放題なんだから頭にくるのだ。

「あのな、俺は人間なんだぞ!  猫みたいに速く走れないんだよ」

  俺は息をゼーゼー切らしながら走る。

「人間?  意味わからないにゃん」

「わたしもわからないにゃん」

「……仕方ないな」

   俺は全速力で部屋の中を走る。高校生にもなり部屋の中を走る俺ってなんだかなと思うのだけど仕方がない。

  猫助とにゃんぴもチビ猫達を追いかけている。だけど、アイツらは猫だからまだいいよな。それでも体の小さなチビ猫達に追いつかないようだが。

「にゃんにゃんにゃ~ん」

「にゃんにゃんにゃ~んたらにゃん」

  チビ猫達は楽しそうに走り回っているからまあいいかななんて思いながら俺は走り続けた。この二匹の父親は家を出て行ってしまい今は母親しかいないのだった。

  だから俺はチビ猫達が喜んでくれることをしてあげようと思うのだ。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

見えるんです!!〜私の世界は少し複雑です!〜

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:610

思い付き短編集

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:205pt お気に入り:121

街角のパン屋さん

SF / 完結 24h.ポイント:1,554pt お気に入り:2

ちーちゃんのランドセルには白黒のお肉がつまっていた。

ホラー / 完結 24h.ポイント:809pt お気に入り:15

趣味を極めて自由に生きろ! ただし、神々は愛し子に異世界改革をお望みです

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:28,623pt お気に入り:11,874

聖女を愛する貴方とは一緒にいられません

恋愛 / 完結 24h.ポイント:930pt お気に入り:2,421

【完結】断罪後の悪役令嬢は、精霊たちと生きていきます!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:12,698pt お気に入り:4,077

処理中です...