生まれ変わったらもふもふ猫に囲まれて暮らしたいと言ったよ。だけど猫だけの世界に俺一人だけ人間なんだ!

なかじまあゆこ

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とりあえず歩こう

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「適当な猫太君と猫助君ってばどこを目指しているのかな?」

  にゃんぴがブーブー文句を言いながら俺達に着いてくる。

「にゃんぴ、ごめんよ。そう怒るなよ」

  俺はごめんと手を合わせ隣を歩くにゃんぴのもふもふな横顔を見た。

「怒ってないよ。ちょっと呆れているだけだよ」

  にゃんぴはこちらを見て笑った。

「でも、何か楽しいことがあるかもしれないし楽しもうぜ」

「うん、そうするよ。楽しんだ方が幸せだもんね」

  にゃんぴは口角を上げ笑った。俺はにゃんぴのその笑顔を見てホッとした。

「でもさ、この緑町に人間がいる可能性もあるかもなんだよ」

  前を歩く猫助が振り返りながら言った。

「えっ?  それって本当なのか?」、「本当なの!?」と俺とにゃんぴはほぼ同時に声を上げた。

「うん、俺のじいちゃんが昔そんなことを言ってたような気がするんだよね」

「それってマジか?」

「うん、じいちゃんがちらっと言ってたよ。あ、でも本当か分からないけどね」

「いや、本当か分からなくても有難い情報だよ」

  もしかすると俺と同じ人間がいるのかもしれないとそう思っただけでワクワクしてきた。

「まあ、俺のじいちゃんだからあてにならないけどね」

「あ、猫助のじいちゃん……それはそうかもしれないね」
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