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栗色ヘアの人間の女の子は
しおりを挟むその女の子の目はまん丸で黒目が大きくてまるで小動物みたいでとても可愛らしかった。守ってあげなきゃと思ってしまうそんな感じがする。
この子が前世での俺のお母さんだなんて思えない雰囲気が漂っている。なんて思いながら俺はその女の子をじっと眺めてしまった。
なんてぼんやり考えていると、ベレー帽を被った店員さんことアメヨさんが、こちらに振り返り、「この方達が猫歌さんに会いたいと言われたので連れてきました」と言って俺達を紹介してくれた。
すると、女の子こと猫歌さんはこちらに視線を向け俺の顔を見たそのまん丸で大きな目は見開かれてより大きくなった。
「……あなたは人間ですね」
猫歌さんの妖精のような可憐な声が俺に聞いた。
「はい、俺は人間です。太郎、あ、いえ猫太と言います」
「猫太君ね。わたしと同じ人間がこの世界にいるなんてびっくりですよ」
言って猫歌さんは俺の顔をじっと眺めた。
「俺もびっくりしました」
俺はそう言いながら猫歌さんは前世の記憶がないのだろうかと首を傾げた。だって、前世のお母さんの姿で猫歌さんが俺に助けを求めたのではないのか?
「本当にびっくりしますよね」
「はい、でもわたしと同じ人間がこの世界にいたことは本当に嬉しいですよ」
猫歌さんはにっこりと笑った。
その笑顔があまりにも可愛らしくて癒された。
「俺もめちゃくちゃ嬉しいですよ」
「良かったな、猫太」
それまで黙っていた猫助が俺の肩をぽんと叩いた。
「うん、良かった」と猫助に答え、そして、「あ、親友の猫助とにゃんぴです」と俺は猫助とにゃんぴを猫歌さんに紹介した。
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