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可愛らしい三毛猫

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「人間のお姉さんはお客さんかな?」

  三毛猫は大きくて可愛らしいクリクリのおめめでまっすぐな視線を向けてくるのだから堪らない。

「しばらくお世話になることになりました川本満里奈高校一年生です」

  なんて思わずわたしは、敬語で答えてしまったではないか。それに、わたしこのもふもふパラダイスでしばらく暮らすことになるのかな?    自分で言っておきながらやっぱり不安になる。

「満里奈ちゃんって名前可愛いにゃん。わたしは、ミケにゃんだよ。よろしくね」

「うふふ、可愛いかな、嬉しいよ。ありがとう。ミケにゃんよろしくね」

  わたしは、頬を緩めて挨拶をした。

「あ、ミケにゃんはお腹が空いたんだった~ご飯食べたいにゃ~ん」

  三毛猫改めミケにゃんはキッチンに向かって叫んだ。

「あら、ミケにゃんおかえりなさい~ちょっと待っててね」

  キッチンからシロッコが返事をした。

「ねえ、シロッコちゃんってミケにゃんちゃんのお母さんなのかな?」

  わたしがミケにゃんのクリクリの丸くて大きな目を見て聞いた。

「ううん、違うよ。シロッコちゃんはこのカフェとアパートの管理人さんらしいにゃん」

「そうよ、わたしはこのもふもふ癒しの空間アパートカフェの管理人よ」

  その声に振り向くとシロッコちゃんが湯気の立ったティーカップとお菓子やオムライスを載せたお盆を片手に持ち立っていた。

「あ、お菓子にオムライスだにゃん。ミケにゃんむしゃむしゃにゃんするにゃん」

  ミケにゃんはぴょんぴょんと飛び跳ねお盆に飛びつく勢いだ。ミケにゃんはめちゃくちゃ可愛らしいけれど食いしん坊だな。

「もうミケにゃん食いしん坊さんなんだからにゃん」

  シロッコちゃんは言いながらテーブルにお菓子とオムライスに湯気の立ったティーカップを並べた。

「美味しいにゃ~ん!」

  ミケにゃんは手づかみでオムライスを食べているではないか。

「ミケにゃん、スプーンを使って食べなさい」

「手づかみで食べるオムライスは美味しいにゃん」

「ミケにゃん、スプーンで食べなさい。オムライス没収しちゃうよ」

「わ、わかったにゃん。仕方ないな~」

  ミケにゃんは渋々スプーンを使ってオムライスを食べた。

  わたしは二匹のそのやり取りがなんだか可愛らしくてクスクスと笑ってしまった。

「あ、満里奈ちゃんもお菓子と紅茶をどうぞ」

「ありがとうございます。いただきま~す!」

  わたしは、紅茶を口に運んだ。紅茶の良い香りに包まれてじわじわと体が温かくなって癒された。


  異世界で飲む紅茶もとても美味しかった。
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