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わたしももふもふカフェの店員です
しおりを挟むミケにゃんの天然で可愛らしい姿にほっこり和んだわたしと唯奈ちゃんは接客の仕事を開始した。
やっぱり慣れないことなので最初は大変だった。メニュー名を何度も言い間違えたりお皿を落っことしそうにもなった。
「慣れるまではみんな通る道だにゃん。みんな最初はいろいろ間違えたりするにゃん」
ミケにゃんはそう言ってにっこりと微笑みを浮かべた。
「うん、ミケにゃん、ありがとう」
ミケにゃんは食いしん坊で可愛らしくて時には頼りにもなるもふもふカフェの先輩だ。
わたしはこの日一生懸命働いた。なのでちょっと疲れた。けれどなんだか清々しい気持ちになった。
シロッコの美味しい料理を運ぶともふもふで可愛らしい動物のお客さんは幸せそうな顔でご飯を食べる。そんなお客さんの笑顔を見ているとわたしも笑顔になれるのだ。
わたしは、ルンルンと鼻歌を歌いながらお盆にトマトと豚キムチ定食を載せて運んだ。
「店員さん、楽しそうですにゃん」
「うふふ、お客さんが幸せそうな笑顔でご飯を食べてくれるので嬉しくて」
わたしは微笑みを浮かべて答えた。
「わたしはこのカフェの常連客だけどシロッコちゃんの作る料理がとっても美味しいのでよく来ますにゃん」
もふもふで可愛らしいペルシャ猫のお客さんはにっこりと笑った。
「わっ、そうなんですね。シロッコちゃんの料理は美味しいですもんね」
わたしはペルシャ猫のお客さんの目の前にトマトと豚キムチ定食を置きながら言った。
「毎日開店してほしいのに気まぐれ営業にゃんですからね」
ペルシャ猫のお客さんは「いただきます」と肉球のある手を合わせた。
「うん、やっぱり美味しいにゃん。トマトがさっぱり爽やかでキムチのかな辛みがまろやかになっているにゃん」
ペルシャ猫のお客さんは美味しくて堪らない顔で食べた。
「美味しいんですね」
「はい、とっても美味しいですよ。ところで、店員さんがシロッコちゃんに導かれて我らのもふもふパラダイスにやって来た女の子かにゃん?」
そう言ってペルシャ猫のお客さんはわたしの顔をじっと見た。
「えっ! シロッコちゃんに?」
わたしがシロッコに導かれてこのもふもふパラダイスにやって来たことをどうやら知っているようだ。
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