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いってきます
しおりを挟むシロッコは「勉強頑張ってね」と肉球のある可愛らしい手を振った。
「は~い、頑張りま~す!」、「は~い、頑張りま~すにゃん」とわたしとミケにゃんは元気よく返事をした。
一方ケンは「いってきます」とだけ言ってぶっきらぼうなのだ。
わたし達が学校に向かおうとしたその時、パタパタと唯奈ちゃんが玄関に走ってきた。
「満里奈ちゃん、ケン君、今日から学校頑張ってね。それとミケにゃんちゃんも頑張るんだよ」
唯奈ちゃんがわたし達の肩を優しくぽんぽんと叩きながら言った。
「うん、もふもふ学校で心を新たにして頑張るね」
地球の学校で出来なかったことをもふもふ学校では出来るように頑張ろうと思う。
「満里奈ちゃんは強い子だからきっと大丈夫だよ」
唯奈ちゃんのわたしを見つめるその目はとても優しくほんわかしていて勇気をくれる。
「ありがとう、この世界で素敵な学生生活を送れたらいいな」
「元の世界の学校ではわたし先生だったけど力になれなくて……ごめんね。わたし、満里奈ちゃんを応援しているからね」
「唯奈ちゃんは、歌でわたしに元気をたくさ~んくれていたよ」
そう唯奈ちゃんの歌を聞いて元気になった。それが先生になってしまいちょっとがっかりしたけれど、唯奈ちゃんは先生の仕事も頑張っていた。
「そっか、ありがとう。じゃあ、気をつけていってらっしゃい」
「うん、いってきま~す」
「ミケにゃんもいってきま~すにゃん」
わたし達は元気よく歩き出した。
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