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お風呂とミケにゃん

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「お風呂は楽しいにゃんにゃん♪」

  お風呂場から楽しそうな歌声が聞こえてきた。

「あのお馬鹿丸だしの声は……」

「うん、あの子しかいないよね……」


  わたしとシロッコは顔を見合わせて言った。

「ミケにゃんちゃんだよね」
「うん、なんか楽しそうだけどにゃんね」

  お風呂場からは今も甲高くて楽しそうな歌声が聞こえてくるのだった。

「トマトとたこ焼きにゃんにゃんにゃん♪」

    本当に楽しそうでミケにゃんのことは心配しなくても大丈夫そうだなと思い頬が緩む。

「あ、アヒルさんもプカプカにゃんさせようにゃん。にゃはは、アヒルさんこんばんはにゃん」

  どうやらミケにゃんはアヒルのおもちゃで遊んでいるようだ。

「それにしてもお風呂場で大声で歌ったり喋ったりし過ぎにゃんね」

  シロッコはお風呂場の方向に視線を向けふぅ-と溜め息をついた。

「だよね。ミケにゃんちゃんらしいと言えるけどね」

  わたしも同じ方向を眺め可笑しくて笑ってしまった。だって、浴槽にアヒルのおもちゃを浮かべにゃぱにゃぱ笑っている姿が想像できるのだから。

「アヒルさん、ミケにゃんてばねたこ焼きと一緒にトマトジュースを飲んだんだにゃん」

  なんて言っている声が聞こえてきた。アヒルさんのおもちゃに報告しているみたいだ。

「ミケにゃんちゃんってやっぱり可愛らしいおバカさんだね」

「うん、あの子はおバカさんだよにゃん」

  わたしとシロッコはそう言い合いながらあはは、にゃははと笑い合った。

  「ミケにゃんはお風呂が大好きにゃんにゃん♪」

  ミケにゃんの楽しそうな歌声が今も聞こえているのだった。
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