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あの日から今
ミケちゃんと一緒に
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「うん、そうだよ。わたしはどうしても高尾山へ行きたいよ。その声はミケちゃんだよね?」
わたしは、この優しい声にすがるような気持ちで言った。
すると、突然わたしの目の前がピンク色に包まれた。
「真歌ちゃん、真朝ちゃんを助けてあげてにゃん」
「や、やっぱりあなたはミケちゃんなのね」
そうだった。ミケがわたしを……あの日に巻き戻してくれたんだね。
ミケちゃん君が……。
「さあ、真歌ちゃん。わたしと一緒にあの日に戻ろうにゃん」
ぽかぽかとあたたかい温もりに包まれたミケがピンク色の光の中からニョキニョキと顔を出した。
「うん、ミケちゃん。わたしをあの日の世界へ連れ戻してね」
わたしは強く強く念じながらその思いをミケに伝えた。
「はいにゃん。では、わたしの手を掴んでにゃん」
ミケは肉球のある可愛らしいその手を差し出した。
わたしは、そっと手を伸ばしその手を掴んだ。とても柔らかくてあたたかい温もりと懐かしさを感じた。
病院にいたはずのわたしの体がミケと一緒に何処かへと飛んでいく。
そして、目を開けると自分の部屋の中にいた。
「今はいつ? ミケちゃんはどこにいるの?」
わたしは、キョロキョロと部屋の中を見渡したがミケの姿はなかった。
ゆっくりと立ち上がり本棚の前に立つ。そして、アルバムを手に取る。ぺらりとページをめくるとミケの笑顔や幼き日の高男さんやおばあちゃんの姿がアルバムの中にあった。
アルバムを元の位置に戻そうとすると、『高尾山に登ろう』と背表紙に書かれている本が目に入る。わたしはその本を手に取る。
「高尾山行かなくちゃね」
わたしは高尾山の動植物が表紙になっている本をじっと眺めながらそう呟いた。
そうだ。わたしは高尾山にどうしても行かなくてはならない。これは過去に戻れたということなのかな。
そして、現在わたしは高尾山に登っている。久しぶりに来て良かった。山の空気を胸いっぱいに吸い込む。モヤモヤと沈んでいた心が一気に晴れ晴れと明るくなり元気になる。
そうだ、薬王院に参拝していこう。そう思いわたしは歩きだそうとしたその時、ぷーんとどこかから良い香りがふわふわふわりと漂ってきた。
この香りは何だろう? 美味しそうな匂いだ。パンの香りかな?
そう言えばお腹が空いてることに気がついた。わたしのお腹がきゅるきゅるーと鳴る。
わたしはパンの焼き上がる甘くて香ばしい香りにふらふらと引き寄せられるように歩いた。
そして、辿り着いた店の前にパンやティーカップやケーキそれからお団子などがチョークアートで描かれた立て看板が置かれていた。店名は、『ムササビカフェ食堂でごゆっくり』と書かれている。
建物はピンク色の三角屋根でどことなく懐かしい雰囲気が漂い和と洋が調和しているって感じだ。
わたしは、やっとこのムササビカフェ食堂に辿り着けたと思った。
そして、高男さんとムササビに会える。それと、ミケにも。
わたしはムササビカフェ食堂の木製の引き戸をガラガラと開けた。
わたしは、この優しい声にすがるような気持ちで言った。
すると、突然わたしの目の前がピンク色に包まれた。
「真歌ちゃん、真朝ちゃんを助けてあげてにゃん」
「や、やっぱりあなたはミケちゃんなのね」
そうだった。ミケがわたしを……あの日に巻き戻してくれたんだね。
ミケちゃん君が……。
「さあ、真歌ちゃん。わたしと一緒にあの日に戻ろうにゃん」
ぽかぽかとあたたかい温もりに包まれたミケがピンク色の光の中からニョキニョキと顔を出した。
「うん、ミケちゃん。わたしをあの日の世界へ連れ戻してね」
わたしは強く強く念じながらその思いをミケに伝えた。
「はいにゃん。では、わたしの手を掴んでにゃん」
ミケは肉球のある可愛らしいその手を差し出した。
わたしは、そっと手を伸ばしその手を掴んだ。とても柔らかくてあたたかい温もりと懐かしさを感じた。
病院にいたはずのわたしの体がミケと一緒に何処かへと飛んでいく。
そして、目を開けると自分の部屋の中にいた。
「今はいつ? ミケちゃんはどこにいるの?」
わたしは、キョロキョロと部屋の中を見渡したがミケの姿はなかった。
ゆっくりと立ち上がり本棚の前に立つ。そして、アルバムを手に取る。ぺらりとページをめくるとミケの笑顔や幼き日の高男さんやおばあちゃんの姿がアルバムの中にあった。
アルバムを元の位置に戻そうとすると、『高尾山に登ろう』と背表紙に書かれている本が目に入る。わたしはその本を手に取る。
「高尾山行かなくちゃね」
わたしは高尾山の動植物が表紙になっている本をじっと眺めながらそう呟いた。
そうだ。わたしは高尾山にどうしても行かなくてはならない。これは過去に戻れたということなのかな。
そして、現在わたしは高尾山に登っている。久しぶりに来て良かった。山の空気を胸いっぱいに吸い込む。モヤモヤと沈んでいた心が一気に晴れ晴れと明るくなり元気になる。
そうだ、薬王院に参拝していこう。そう思いわたしは歩きだそうとしたその時、ぷーんとどこかから良い香りがふわふわふわりと漂ってきた。
この香りは何だろう? 美味しそうな匂いだ。パンの香りかな?
そう言えばお腹が空いてることに気がついた。わたしのお腹がきゅるきゅるーと鳴る。
わたしはパンの焼き上がる甘くて香ばしい香りにふらふらと引き寄せられるように歩いた。
そして、辿り着いた店の前にパンやティーカップやケーキそれからお団子などがチョークアートで描かれた立て看板が置かれていた。店名は、『ムササビカフェ食堂でごゆっくり』と書かれている。
建物はピンク色の三角屋根でどことなく懐かしい雰囲気が漂い和と洋が調和しているって感じだ。
わたしは、やっとこのムササビカフェ食堂に辿り着けたと思った。
そして、高男さんとムササビに会える。それと、ミケにも。
わたしはムササビカフェ食堂の木製の引き戸をガラガラと開けた。
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