高尾山で立ち寄ったカフェにはつくも神のぬいぐるみとムササビやもふもふがいました

なかじまあゆこ

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あの日から今

また、いつか

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「真昼ひいおばあちゃん……行かないで!」
「真昼ちゃん、これからもわたしと遊んでにゃん」
「お母さん、もう少しここにいてよ」

 扉を開けようとしている真昼ひいおばあちゃんの背中にわたし達は口々に声をかけた。

 すると、真昼ひいおばあちゃんはゆっくりとこちらに振り向き「みんなありがとう。また、いつか会えるわよ。でも、ゆっ~くり来てね。長生きするのよ」と言って柔らかい微笑みを浮かべた。

 真昼ひいおばあちゃんの長生きするのよと言う言葉がちょっと可笑しくてわたしは、思わずふふっと笑ってしまった。

「うん、わかった。長生きするよ。そして、いつかの未来で会おうね」

「お母さんやみんなが助けてくれたこの命を大切にするわね。精一杯残りの人生を生きていつかの天国で会いましょうね」

「わたしはつくも神にゃんだけどどうすれば良いのにゃん?」


 あ、ミケはつくも神だった。




 みんなの視線がミケに一斉に集まる。いつも食いしん坊でおマヌケぽいキャラだったのでつくも神であったことをすっかり忘れていた。

「ミケちゃんってばつくも神だったんだね」
「うふふ、忘れていたわ」
「さて、どうするかしらね?」

 わたし達はミケを見て思わず笑ってしまった。

「みんな笑う場面なのかなにゃん……」

 ミケはほっぺたをぷくっと膨らませちょっと拗ねたような表情だ。

「ミケちゃんは成仏するかそれともあやかしのわたしとこのムササビカフェ食堂で過ごすか、じっくり考えたらいいんじゃないの?」

 とムササビが言った。

「成仏にゃん……」
「うん、ミケちゃんは三毛猫のぬいぐるみに宿ったつくも神でしょ?」
「そうだにゃん」
「だったら、真昼さんと一緒に帰るかそれともこの世界で真朝さんや真歌ちゃんを守り続けその後は……」

 ムササビはそう言ってミケの顔をじっと見た。

「わたしひとりぼっちになるのにゃん……」

 ミケのその声は涙声になっている。

「わたしがいるよ。だって、わたしはあやかしだからね」

 ムササビが胸に手を当てて言った。
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