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第6話
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ポストをのぞくと、何かの白い封筒。
なんだろうと、リビングまで持って行きながら、宛先が父の名前で差出人をみると、稔とある。
「おかあさん。稔兄ちゃんからだよ」
「んー。どれどれ。」
差し出した封筒を手にとった母は、ハサミを手に取るとチョキチョキときり、封筒あける。
中からはまた白い封筒と、紙。
「えっと、あらやだ。稔くんついに結婚するみたいよ。」
「え?千賀姉ちゃんと?」
「うん。そうみたい。まだ23才くらいじゃなかったかしら、早いわね。まあ、あんなにラブラブしてたものね」
「見せて見せて。」
そういって、母から紙を奪い取ると、二人の名前とこの度結婚しますのでっと結婚式の招待状だった。
「あー。あー。ついに稔兄ちゃん結婚するのか。私の初恋が終わった。」
「何が初恋よ。この子は、あんたの初恋は稔くんじゃないでしょ。」
「は?お母さんこそ何言ってるの。私の初恋は、稔兄ちゃんが千賀姉ちゃんと付き合うまで稔兄ちゃんだったんだから。」
「ちがうわよ。あんたの初恋は、亮くんでしょうが」
「え?」
「あんたは、稔くんに会うまでずっと、亮くんに好き好きっていって、結婚してくれなきゃ泣くって無理矢理結婚するって言わせてたじゃない。」
「えー。嘘だぁ。」
「ほんとよ。まったくちょっと待ちなさい。」
母は、いきなり立ち上がると、本棚にあった一番古いアルバムを引っ張り出し。ペラペラめくり出した。
「ほら。あったあった。」
そういって、母が指差したのは、亮と手をつなぎなつみが亮のほっぺにチューをしている写真だった。他にも数枚砂場で遊んでいる亮の後ろから抱きついたりとほとんどの写真は隣に亮が写っていた。
「これなんか亮くん他の子と遊んでたのになつみが泣き出したから、仕方なく遊ぶのやめて慰めてもらってる時の写真よ。」
差し出された写真は、頭を撫でてもらいながら必死に亮にしがみついているなつみだった。
「でもでも、初恋は亮ちゃんじゃないよ。」
「はあ、あんたが覚えてないのは無理ないけど、稔くんが表れるまでずっと、亮くんと結婚するっていって亮くんから離れなかったのよ。亮くんが他の子と遊べないくらいべったりだったんだから。まあ、いきなり稔くんに懐いてから、亮くんも他の子と遊べるようになってたけど、稔くんがいても最終的には泣いた時は亮くんを呼び出すんだから。まあ、亮くんも笑ってあんたの相手してくれてたから、よかったけど、ほんと昔っから亮くんは、あんたと違ってしっかりしてたわ」
「んー。それは、認めるけど、そうだったかなぁ」
「そうよ。母親の私が言うんだから。それとも亮くんに聞いてみる?」
「り、亮ちゃんも覚えてないよ。聞かなくていい。」
「ふーん。でも、あんた達この頃やっと仲直りしたんでしょ。」
「だから、喧嘩してないって」
「よかったわね。初恋はまだ終わってないわよ。」
「な、お母さん!!」
「まあ、頑張って亮くんを振り向かせてね。お母さんあんな息子が欲しかったのよ。」
「違うから。」
「孫の顔も早く見たいわ」
「気が早いから、まだ私達高校生だからね!!」
「まあ、お母さんもお父さんも亮くんだったら反対しないから。精々頑張りなさい。」
そう言いながら、アルバムをもって片付ける母を見つめながら、ベーっと舌を出すと一瞬浮かんだ亮との結婚生活を頭を振ってかき消した。
ポストをのぞくと、何かの白い封筒。
なんだろうと、リビングまで持って行きながら、宛先が父の名前で差出人をみると、稔とある。
「おかあさん。稔兄ちゃんからだよ」
「んー。どれどれ。」
差し出した封筒を手にとった母は、ハサミを手に取るとチョキチョキときり、封筒あける。
中からはまた白い封筒と、紙。
「えっと、あらやだ。稔くんついに結婚するみたいよ。」
「え?千賀姉ちゃんと?」
「うん。そうみたい。まだ23才くらいじゃなかったかしら、早いわね。まあ、あんなにラブラブしてたものね」
「見せて見せて。」
そういって、母から紙を奪い取ると、二人の名前とこの度結婚しますのでっと結婚式の招待状だった。
「あー。あー。ついに稔兄ちゃん結婚するのか。私の初恋が終わった。」
「何が初恋よ。この子は、あんたの初恋は稔くんじゃないでしょ。」
「は?お母さんこそ何言ってるの。私の初恋は、稔兄ちゃんが千賀姉ちゃんと付き合うまで稔兄ちゃんだったんだから。」
「ちがうわよ。あんたの初恋は、亮くんでしょうが」
「え?」
「あんたは、稔くんに会うまでずっと、亮くんに好き好きっていって、結婚してくれなきゃ泣くって無理矢理結婚するって言わせてたじゃない。」
「えー。嘘だぁ。」
「ほんとよ。まったくちょっと待ちなさい。」
母は、いきなり立ち上がると、本棚にあった一番古いアルバムを引っ張り出し。ペラペラめくり出した。
「ほら。あったあった。」
そういって、母が指差したのは、亮と手をつなぎなつみが亮のほっぺにチューをしている写真だった。他にも数枚砂場で遊んでいる亮の後ろから抱きついたりとほとんどの写真は隣に亮が写っていた。
「これなんか亮くん他の子と遊んでたのになつみが泣き出したから、仕方なく遊ぶのやめて慰めてもらってる時の写真よ。」
差し出された写真は、頭を撫でてもらいながら必死に亮にしがみついているなつみだった。
「でもでも、初恋は亮ちゃんじゃないよ。」
「はあ、あんたが覚えてないのは無理ないけど、稔くんが表れるまでずっと、亮くんと結婚するっていって亮くんから離れなかったのよ。亮くんが他の子と遊べないくらいべったりだったんだから。まあ、いきなり稔くんに懐いてから、亮くんも他の子と遊べるようになってたけど、稔くんがいても最終的には泣いた時は亮くんを呼び出すんだから。まあ、亮くんも笑ってあんたの相手してくれてたから、よかったけど、ほんと昔っから亮くんは、あんたと違ってしっかりしてたわ」
「んー。それは、認めるけど、そうだったかなぁ」
「そうよ。母親の私が言うんだから。それとも亮くんに聞いてみる?」
「り、亮ちゃんも覚えてないよ。聞かなくていい。」
「ふーん。でも、あんた達この頃やっと仲直りしたんでしょ。」
「だから、喧嘩してないって」
「よかったわね。初恋はまだ終わってないわよ。」
「な、お母さん!!」
「まあ、頑張って亮くんを振り向かせてね。お母さんあんな息子が欲しかったのよ。」
「違うから。」
「孫の顔も早く見たいわ」
「気が早いから、まだ私達高校生だからね!!」
「まあ、お母さんもお父さんも亮くんだったら反対しないから。精々頑張りなさい。」
そう言いながら、アルバムをもって片付ける母を見つめながら、ベーっと舌を出すと一瞬浮かんだ亮との結婚生活を頭を振ってかき消した。
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