巻き込まれ召喚された上、性別を間違えられたのでそのまま生活することにしました。

蒼霧雪枷

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本編

02、味方ゲットだぜ

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「わっ私っ…あなた、が…傷付いてっ……このっ国が、嫌いになっ…、思って…私ともっ、関わり、たくなんかっ…ないって…うぇぇぇぇん…」

 どうやら、俺の四日間の果物&読書生活は随分とラナさんを追い詰めていたらしい。ホント、なんか、ごめんなさい。


 数分後、落ち着いたラナさんが顔を洗って戻ってきた。多分、化粧直しもしてきたと思う。流石に、仕事中に号泣はあれだもんね。
 一応整理をすると、どうやら俺が果物ばかり食べる上、人と関わらず本ばかり読むものだから「12歳で大人に甘えたいはずなのに、親と離れ離れにされて幼いこの子の心を歪めてしまった」という結論に至ったらしい。この城の侍女全員が。
 まさかそんなことになっていたとは…いや、あの、申し開きもありません。

 ただ、一つだけ俺は言いたいことがあるので、一応筆談で抗議をしてみる。
 俺は12歳ではない、と。
 本にはこの世界の成人年齢も書かれていた。16歳である。つまり、俺は余裕で成人している。
 18といっても信じてもらえないかもしれないが…いい加減、12歳扱いは嫌だ。

『心配かけたようでごめんなさい。それと、俺は18歳です』
「いえいえ、心配するのは当たり前…えっ、18!?嘘ぉ!?こんなに小さいのに!?」

 やっぱり驚かれたか。チビで悪かったな!

「あっ、ごめんなさい。つい…」

 ついってなんだ!ついって!!

「ほ、本当に18なんですか?」
『はい。先日18歳になりました』
「わ、私の一つ下…えぇ?でも、それなら確かにあの本を読めるのは納得ができるわ…そうなの…それじゃあ、小さい子扱いは随分と失礼だったわね…」
『そこまでは。元々俺の人種は若く見られがちですし、背も小さいですしね』
「ご、ごめんなさい…」

 しまった、嫌味のようになってしまった。むぅ…会話ってやっぱり難しいな。

「リンドウ様、数々の無礼をお許しください」

 って、え?待ってラナさん、頭を下げないで、跪かないで、やめて。そういう扱いは子供扱いよりメンタル削られる。
 手帳でそう伝えれば、渋々といった風に立ってくれた。よかった。
 別に俺は怒ってる訳じゃないし。黙ってたこっちも悪い。それに、これでも一応明るく話しかけてくるラナさんに救われてもいたのだ。

『子供扱いでも、ラナさんが話しかけてくれたおかげで暗くならずにすみました。感謝しているんです。ありがとうございます』

 頑張って笑顔を作り、手帳を見せる。そして、まぁ、本日二度目ですね。ラナさん号泣しました、はい。

 どうやらラナさんは涙脆いらしい。

 もう一度顔を洗って化粧直しをして戻ってきたラナさんに、少しだけお願いをする。あまり態度を変えて欲しくないと。
 極度な子供扱いは少々あれだったが、別に俺は勇者でもなんでもない。なんなら、子供という設定が剥がれた以上、余計にお荷物感が増した。ラナさんが畏まる必要はない。
 それと、魔法やスキルについての本や、他にも色々と知りたいことがあるので、明日あたりに書庫か何処かに連れてってほしいこと。
 その付き添いをラナさんに頼みたいこと。
 今のところ、まともに会っているのはラナさんのみ。俺を巻き込んでくれた勇者サマや王子王女にも会っていない。
 引きこもりは慣れない人間が非常に苦手なのである。初対面の人と一緒に書庫なんて無理行けない。
 同じ理由で、俺の侍女を変えないで欲しいこと。子供じゃなくなったため、一応男性と思われている以上ラナさんじゃなくなる可能性がある。
 なんなら、執事とかが来そうだ。さらに無理。

 と、色々言っていたら、ラナさんから衝撃の事実を聞かされる。
 初日、格好もそのままで寝た俺を着替えさせたのはラナさんで、その時に俺が女だと気づいていたのだと。

 おっと、タイトルどうした???(メタァ)


 話をよくよく聞けば、周りにその事は言っていないらしい。元々俺が男の格好していたし、今現在も用意された男物の服を普通に着ている。
 なので、不用意に周りに言わなかったらしい。ぐっじょぶラナさん。その判断は正解である。
 元々男勝りな俺は、女としてこの世界でいきるのは流石に辛そうだというのはちょっと察している。
 無理無理、女らしい言葉遣いとか行動とか。せっかく魔法とかあるなら、性別偽ってでも剣士とかやってみたいじゃん。冒険してみたいじゃん。もふもふはーれむ作りたいじゃん。
 欲を言うなら使い魔的なあれで梟が欲しいです。

 と、まぁ、こんな感じなので、ラナさんにはその事実を今まで通り黙っていて貰おう。
 

 色々と約束を決めていたら晩御飯の時間になっていたらしい。筆談できるようになったので、果物だけで言いと伝えると、少し悲しそうな顔をしてから「分かりました」と部屋を出ていくラナさん。
 ろくに動いてないからお腹空かないんだよ、わかってくれ。


 晩御飯(果物のみ)を食べ終わり、少しラナさんと会話を楽しむ。
 普通の友人のように接して欲しいと頼めば、気楽に会話してくれるようになった。
 ついでに、

「そう言えば、さっき喋ろうとしていたけど、もしかして声で性別がバレるから喋らないの?」

 と聞かれたので

『いや、普通に何日も喋らなかったから声が出なくなってた』

 と答えたら、笑われました。ラナさん…

 明日からは、書庫にいくのと同時に声を出すリハビリも始めることになりました。お世話になります。



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