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本編
09、周りが割と騒がしい
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あの日、騎士団詰所の食堂で喋ってしまった俺は、あれよあれよという間に王の間へと連れていかれ、王様と会話すると言う苦行を強いられた。
只でさえ口調があまりよろしくないと言うのに、一番俺が喋っちゃ駄目な人と会話って何この罰ゲーム。
ちょっとでも間違えたら打ち首待ったなし感あるんですが。いや、そんなこと気にする人ではないとは思ってますが。怖いよ。
で、先週ぐらいから喋れるようになったことを報告し、俺がガチガチに緊張していたことを察した王様は早々に部屋へ戻らせてくれ…ることはなく。
俺が喋れた快気祝い的ななんかよくわからないパーティーを開きおった。というか、俺が緊張してたことなんか全く気づいてなかったろ。何がパーティーだクソ食らえ。
そこから俺は気配を消し、何故か大量の貴族まで参加しているパーティー会場の隅っこで、お菓子と果物をつまみつつ隠れている。一応ラナさんが上手いこと隠してくれたので、誰も気づいていない。…はず。
とりあえず、情報収集でも出来そうだなと思ったので、貴族の噂話に耳を傾ける。
その時、俺を巻き込んだ勇者サマが魔王討伐に向け、魔物狩りの旅に出たことを初めて知ったのだった。
それ以外にもある程度情報が聞けたので、こっそりと会場から逃げる。無事に部屋へと到着。
「…勇者は魔物狩りに勤しんでるんだな…」
「はい。リンドウ様がお一人で魔法訓練をしてるあいだ、呑気に弱い魔物を倒しレベル上げをしております」
「呑気にって…魔物倒すのだって多分大変でしょ。それに、俺一人じゃないs」
「そうですね!リンドウ様には私がついていますし、ルーファス様もおりますわ!!」
おぉう、食い気味…どうしたラナさん。勇者の話を聞いた辺りからなんか様子がおかしい。何を気にしてんだろ。
とりあえず、その日はそのまま寝たのだった。
そっから数日後。今日も今日とて、最近恒例にした騎士団訓練場への散歩の時間である。
俺が喋れることがわかった騎士の人たちは、普通にお出迎えしてくれる。ついでにお菓子とかくれるんだが、いつになったら俺の実年齢は知られるのだろうか。
そして、我が儘を言ったわけではないのだが、ラナさんが何か言ったらしく、俺も騎士の練習に参加していいとの許可をもらった。
参加と言っても、訓練場の隅っこで手が空いてる騎士の人に稽古をつけてもらうだけなのだが。
最初、本当に練習に参加させられそうになり、どうにか説得してのこれである。本当にラナさんは何を言ったんだろう。
そして、今日も稽古をするべくいつもの空いてる場所へいったら…
とても俺を睨んでくる赤い目と目が合った。
えー、と…あの日以来ですね?ラナさんの従兄の騎士さん…
借りてきた木刀を軽く振ったりしているのだが、彼方は特になんの準備もせず、ずっと俺を睨みつけている。
「こんな子供が騎士団の訓練場にいるなど、他の国から馬鹿にされる要因になる。第一、お前みたいなひょろひょろの子供が稽古をつけたところで、無駄に怪我をするだけだ。無意味なことは今すぐ止めるんだな」
ようやく口を開いたかと思えばこれである。
今日も絶好調ですね、騎士さん。俺にはラナさんやルーファスさんが持ってる「騎士さん翻訳機」が備わってないので、ストレートに心に刺さるから遠回しな言い方はやめてほしいです。
というか、あの二人が恐ろしくポジティブっていう線も消えてないので結構グサグサくる。仕舞いにゃキレるぞこら。
負けじとこちらも睨み返せば、数秒ほど睨み合いが始まる。
「…………」
「………………む…」
「あっ、今目反らした!じゃあ俺の勝ち」
「はぁ!?なんだそれは!なぜそうなる!?」
「目を反らした方が負け。喧嘩の常識」
「そんな常識初めて聞いたが!?」
「ほら、負けたんだから稽古つけてよ。暇だから俺の相手しにここ来たんでしょ?」
「暇じゃない!皆が言うから仕方なく、追い出すために来たのだ!」
「じゃあ一人で素振りしてるので、帰ってどーぞ。大丈夫です」
「なっ!…それは、その…大丈夫じゃないだろう」
「大丈夫ですって。…まぁ、ラナさんにバレたら大変な事になりそうだけど、頑張って隠すので」
そう言っても何故か渋る騎士さん。なんなんだよ。お仕事あるなら無理しなくていいんだって。なんなら別に相手とかいいし。一人でスキルの試し打ちしてる方が楽。
またしても睨み合いが始まる。本当になんだ。言いたいことがあるならハッキリ言ったらどうなんだ。
今度はどちらも目を反らさず、数分ぐらいたった頃。救世主が現れた。
「なんだお前ら、仲良しだな?」
「あ、リーダーさん」
「団長!こんなところで何を…王子まで!」
現れたのは厳ついお兄さんことリーダーさん…まって団長?え、団長??リーダーさん団長だったの?あ、そっか、リーダーだもんな。
言われて見れば確かに、リーダーさんの後ろに王子様がいる。なんだろう。今日は皆暇なのだろうか。
「やぁ、我が弟よ。君が稽古に励んでいると聞いてね。手伝いにきたよ」
「弟じゃないですし、わざわざ王子様の手を煩わせるような稽古ではないので。どうぞ、執務に戻られてください」
「ほら、この子もこう言ってますよ王子。我が儘言ってないで仕事したらどうです?」
「弟が私に冷たい…私の仕事は弟の稽古をすることだ!執務なんか宰相に任せればいい!」
「弟じゃないです。稽古は仕事じゃないですし、貴方の仕事は現実と向き合うことです」
「お前、王子に何て口を…」
最近、この王子の扱い方が分かった気がする。結構バッサリ言っても気にしない人みたいで、リーダーさんや他の古株と思われる騎士さん方はバッサリ言ってる。
気にしてるのはそこの赤目の騎士さんとか若い騎士ぐらい。この王子に対しては気にするだけ無駄だよ。この人、王子の自覚持ち合わせて無さそうだもん。
「悪いな。いくら言っても来るって聞かなくてな…練習はどうだ?ジークレインは口は悪いが、根はいいやつなんだ。気にしないでやってくれ」
「いえ。まぁ、俺はラナさんたちみたいに翻訳機脳を持ってないので、騎士さんの本音がわかんないんですが…悪い人ではないんだろうな、と」
「…いや、なんかすまん。両方とも回収していこう。しばらく一人で練習しておいてくれるか?後で別の奴を向かわせる」
「こちらこそ、気を使わせたようでごめんなさい。あと、別に見張りはいりませんよ。物とか壊しませんし」
「見張りとかではないんだが…行きたいという者は行かせていいか?」
「はい。そんな人いるとは思えませんが」
「私!私がいるぞ、弟よ!」
「貴方は戻りますよ」
「弟じゃないです」
そんなやり取りのあと、リーダーさんは騎士さんと王子を引っ張り戻っていった。
…やっと静かになったな。
只でさえ口調があまりよろしくないと言うのに、一番俺が喋っちゃ駄目な人と会話って何この罰ゲーム。
ちょっとでも間違えたら打ち首待ったなし感あるんですが。いや、そんなこと気にする人ではないとは思ってますが。怖いよ。
で、先週ぐらいから喋れるようになったことを報告し、俺がガチガチに緊張していたことを察した王様は早々に部屋へ戻らせてくれ…ることはなく。
俺が喋れた快気祝い的ななんかよくわからないパーティーを開きおった。というか、俺が緊張してたことなんか全く気づいてなかったろ。何がパーティーだクソ食らえ。
そこから俺は気配を消し、何故か大量の貴族まで参加しているパーティー会場の隅っこで、お菓子と果物をつまみつつ隠れている。一応ラナさんが上手いこと隠してくれたので、誰も気づいていない。…はず。
とりあえず、情報収集でも出来そうだなと思ったので、貴族の噂話に耳を傾ける。
その時、俺を巻き込んだ勇者サマが魔王討伐に向け、魔物狩りの旅に出たことを初めて知ったのだった。
それ以外にもある程度情報が聞けたので、こっそりと会場から逃げる。無事に部屋へと到着。
「…勇者は魔物狩りに勤しんでるんだな…」
「はい。リンドウ様がお一人で魔法訓練をしてるあいだ、呑気に弱い魔物を倒しレベル上げをしております」
「呑気にって…魔物倒すのだって多分大変でしょ。それに、俺一人じゃないs」
「そうですね!リンドウ様には私がついていますし、ルーファス様もおりますわ!!」
おぉう、食い気味…どうしたラナさん。勇者の話を聞いた辺りからなんか様子がおかしい。何を気にしてんだろ。
とりあえず、その日はそのまま寝たのだった。
そっから数日後。今日も今日とて、最近恒例にした騎士団訓練場への散歩の時間である。
俺が喋れることがわかった騎士の人たちは、普通にお出迎えしてくれる。ついでにお菓子とかくれるんだが、いつになったら俺の実年齢は知られるのだろうか。
そして、我が儘を言ったわけではないのだが、ラナさんが何か言ったらしく、俺も騎士の練習に参加していいとの許可をもらった。
参加と言っても、訓練場の隅っこで手が空いてる騎士の人に稽古をつけてもらうだけなのだが。
最初、本当に練習に参加させられそうになり、どうにか説得してのこれである。本当にラナさんは何を言ったんだろう。
そして、今日も稽古をするべくいつもの空いてる場所へいったら…
とても俺を睨んでくる赤い目と目が合った。
えー、と…あの日以来ですね?ラナさんの従兄の騎士さん…
借りてきた木刀を軽く振ったりしているのだが、彼方は特になんの準備もせず、ずっと俺を睨みつけている。
「こんな子供が騎士団の訓練場にいるなど、他の国から馬鹿にされる要因になる。第一、お前みたいなひょろひょろの子供が稽古をつけたところで、無駄に怪我をするだけだ。無意味なことは今すぐ止めるんだな」
ようやく口を開いたかと思えばこれである。
今日も絶好調ですね、騎士さん。俺にはラナさんやルーファスさんが持ってる「騎士さん翻訳機」が備わってないので、ストレートに心に刺さるから遠回しな言い方はやめてほしいです。
というか、あの二人が恐ろしくポジティブっていう線も消えてないので結構グサグサくる。仕舞いにゃキレるぞこら。
負けじとこちらも睨み返せば、数秒ほど睨み合いが始まる。
「…………」
「………………む…」
「あっ、今目反らした!じゃあ俺の勝ち」
「はぁ!?なんだそれは!なぜそうなる!?」
「目を反らした方が負け。喧嘩の常識」
「そんな常識初めて聞いたが!?」
「ほら、負けたんだから稽古つけてよ。暇だから俺の相手しにここ来たんでしょ?」
「暇じゃない!皆が言うから仕方なく、追い出すために来たのだ!」
「じゃあ一人で素振りしてるので、帰ってどーぞ。大丈夫です」
「なっ!…それは、その…大丈夫じゃないだろう」
「大丈夫ですって。…まぁ、ラナさんにバレたら大変な事になりそうだけど、頑張って隠すので」
そう言っても何故か渋る騎士さん。なんなんだよ。お仕事あるなら無理しなくていいんだって。なんなら別に相手とかいいし。一人でスキルの試し打ちしてる方が楽。
またしても睨み合いが始まる。本当になんだ。言いたいことがあるならハッキリ言ったらどうなんだ。
今度はどちらも目を反らさず、数分ぐらいたった頃。救世主が現れた。
「なんだお前ら、仲良しだな?」
「あ、リーダーさん」
「団長!こんなところで何を…王子まで!」
現れたのは厳ついお兄さんことリーダーさん…まって団長?え、団長??リーダーさん団長だったの?あ、そっか、リーダーだもんな。
言われて見れば確かに、リーダーさんの後ろに王子様がいる。なんだろう。今日は皆暇なのだろうか。
「やぁ、我が弟よ。君が稽古に励んでいると聞いてね。手伝いにきたよ」
「弟じゃないですし、わざわざ王子様の手を煩わせるような稽古ではないので。どうぞ、執務に戻られてください」
「ほら、この子もこう言ってますよ王子。我が儘言ってないで仕事したらどうです?」
「弟が私に冷たい…私の仕事は弟の稽古をすることだ!執務なんか宰相に任せればいい!」
「弟じゃないです。稽古は仕事じゃないですし、貴方の仕事は現実と向き合うことです」
「お前、王子に何て口を…」
最近、この王子の扱い方が分かった気がする。結構バッサリ言っても気にしない人みたいで、リーダーさんや他の古株と思われる騎士さん方はバッサリ言ってる。
気にしてるのはそこの赤目の騎士さんとか若い騎士ぐらい。この王子に対しては気にするだけ無駄だよ。この人、王子の自覚持ち合わせて無さそうだもん。
「悪いな。いくら言っても来るって聞かなくてな…練習はどうだ?ジークレインは口は悪いが、根はいいやつなんだ。気にしないでやってくれ」
「いえ。まぁ、俺はラナさんたちみたいに翻訳機脳を持ってないので、騎士さんの本音がわかんないんですが…悪い人ではないんだろうな、と」
「…いや、なんかすまん。両方とも回収していこう。しばらく一人で練習しておいてくれるか?後で別の奴を向かわせる」
「こちらこそ、気を使わせたようでごめんなさい。あと、別に見張りはいりませんよ。物とか壊しませんし」
「見張りとかではないんだが…行きたいという者は行かせていいか?」
「はい。そんな人いるとは思えませんが」
「私!私がいるぞ、弟よ!」
「貴方は戻りますよ」
「弟じゃないです」
そんなやり取りのあと、リーダーさんは騎士さんと王子を引っ張り戻っていった。
…やっと静かになったな。
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