何故か異世界で狙われながら大冒険!?~転生先が絶滅寸前の愛玩モンスターだった件~

蒼霧雪枷

文字の大きさ
5 / 17
第一章『転生したらしい』生命の森編

はじめましてでバレました

しおりを挟む
 拝啓、顔も名前も思い出せない、きっと生きているんであろう、前の世界のお母様、お父様。

「な、っんで、絶滅したはずのキャットドラゴンが此処にいるんだよ!?!?」

 顔を会わせてものの数秒で種族がバレました、ヤバイかもしれません。

────────

 よーし!これだけ木の実を集めれば充分だろ!
 今、オレの目の前には大量の木の実が山積みになっている。頑張って集めました!
 しかも、運良く美味しい果物も見つけた!見た目は梨っぽいけど、味はブルーベリーだった。めっちゃ瑞々しくて旨い。
 リピに何て言う果物なのか聞いたら、名前がつけられていない未発見の果物らしい。え、オレ凄くね?

 そんなこんなで、大物(?)を見つけたオレは行きと同じく意気揚々と泉まで戻ってきた。
 近づくと、泉の淵に誰かがいる。行き倒れの人が起きたっぽいな。具合はどうか聞かなくては。
 特に何の警戒もせずに近付こうとするオレは、相変わらず無機質だけども、何処か心配そうな声色をしたリピに止められた。

『いいえ。マスター、無闇に近付くのは危険だと思われます』

 意味が分からず首を傾げるオレは、何だか呆れ混じりで説明された。

 曰く、オレの今の種族【キャットドラゴン】は狙われやすいのだから警戒心を持て、とのこと。もしかしたら売られる可能性だってある、とも言われた。
 全くもって面倒くさい種族にしやがったよな、あのアホ神。

 しかし、このままではせっかく取ってきた木の実が勿体無い……そこで役立つのがこれだぁー!!!
 てれれれー!!特殊スキル【心を覗く目ハートサーチ.Lv1】!!
 このスキルを使うと、相手の考えていることが大まかに分かるのだ!ただし、レベルが大変低いため今の状態では大まかにすらも分からん。でも!一応相手の善悪は判断できるらしい!(リピ談)
 と、言うわけで、スキル!【心を覗く目】!!

 …………

 …………………………

 結果!!!何か変なもやもやが見える!!何あれ!?!?
『はい。スキルレベルが低いため、薄いオーラが見えているだけです。レベルが上がれば、大まかな感情を読み取ることが出来ます。オーラの色が黒い程、相手は悪人に近いです』
 なーるほどー!じゃあ、あの行き倒れの人は大丈夫っぽいな!

 行き倒れの人のもやもやは、綺麗な黄緑色をしている。なんでか、居心地が良さそうだなぁ、なんて感想を持ってしまった。
 とりあえず、危険は無いようなので安心する。一応、キャットドラゴンに似ているらしい【シーフーキャット】なるものに間違えてくれ~!とダメ神に願っておく。

 木の実を沢山包んだ大きな葉っぱを抱え、そっと行き倒れの人に近づいてみる。行き倒れの人は、何か考えているのかオレに気づかない。
 一応、この泉の付近にも危ないモンスター出るんだけどな…危機感というものが無いのだろうか(人のこと言えない奴)

 三分ぐらい斜め後ろで待機してみるも、全く気づかない。ちょっとユラユラと動いたりしているのに、視界に入らないようだ。

 更に五分経ち、相手が何か呟くも聞こえなかったし、やっぱりオレに気づいていなみたいだ。オレは小さく「ミャア…」と鳴いてみる。▼返事がない。ただのシカバネのようだ。

 更に更に五分後。我慢のできなくなったオレは足元に木の実の包みをおいて、小さな枝と地面に文字を書くときに使う長い木の棒を持ってくる。
 まず、行き倒れの人の斜め後ろに文章を書く。カリカリと音がしたのに、それでも気づかない。だんだんとムカついてきた。
 そして、行き倒れの人の後ろにまわり、

「…うぉあ!?!?」

 思い切り体当たりをして泉に落とした。

────────
────

 空腹を紛らわすため、ちびちびと泉の水を飲む。よくよく考えれば、泉を見つけたからと言って俺にはもうどうすることもできないのだ。
 泉までの地図を作れ、だなんて…普通に考えれば無理に決まっているだろうに。

「何で俺、この依頼受けたんだっけ…」

 依頼を受けたと言っても、自主的に受けた訳ではない。押し付けられた形で依頼を受理してしまった。でも、断ることだって出来たのだ。それでも、この依頼を受けた理由は…

 何て考え事をしていたら、突然背中に何かが当たって、俺は泉に落ちた。

「……ぷはぁっ!!…ごほっ…くっそ、何処のどいつだ!いきなり突き落としやがって!!」

 いきなりで焦ったが、どうにか泉から上がり、空気を吸い込む。一気に吸い込んだせいで少し噎せてしまった。
 何て非道なことをする奴だ、どんな顔をしているのか見てやる、そう思いながら見れば

 そこには、きっと俺がこの依頼を受けようと思った理由。俺が、ずっと昔から憧れて探していたものがいた。
 見間違えるはずがない。しかしこんな場所に、しかもたった一匹でいるようなものじゃない。だから、信じられなかった。

「な、っんで、絶滅したはずのキャットドラゴンが此処にいるんだよ!?!?」

 俺が泉から上がることもせずにそう叫べば、目の前の可愛らしいモンスターは、しまった!という表情で固まってしまった。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果

てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。 とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。 「とりあえずブラッシングさせてくれません?」 毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。 そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。 ※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。

捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ

月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。 こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。 そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。 太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。 テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

蝋梅
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご
ファンタジー
 アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。  最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。  だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。  女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。  猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!! 「私はスローライフ希望なんですけど……」  この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。  表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

処理中です...