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第一章『転生したらしい』生命の森編
時に意気込みは無駄になる
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「おーし、荷物持ったかー?」
「もったー!!」
「弁当はー??」
「ご馳走さまです!!」
「えっ食ったの!?」
「あるよー!!」
「お前な~!ビビらせんな!」
「ひゃ~~!」
等と気の抜けた会話をするのは、少々テンションが高い俺とジャンである。テンションが高い理由は言うまでもなく、この【生命の森】を脱出することになったからです!!
ジャンさん曰く、一ヶ月も迷って死にかけた人もいるから気を付けるように、とのこと。
まぁ、オレにはリピという心強い案内人がいるので何の心配も要らないんだけどね。ほら、言うタイミングが掴めずにそのままだからジャンさん知らないのよ…ごめん、期を見て絶対にいつか言うね。いつか。
ちなみに、テンションが高い理由はもうひとつある。な、な、なんと!!ついにオレは変化魔法を習得しました!!
いやね?リピから衝撃の事実を聞かされてから、実は二日もたってます。しかしこの二日で、ジャンに手を貸して貰って強い魔物を狩り、魔力制御をひたすら練習したりなどの努力の結果!!オレのレベルは15から29に!!そして、変化魔法も使えるようになったので、ただいま人間に変化しております!!
…まぁ、耳と尻尾はまだ隠せないから、どちらかと言えば"人型"と言うのが正しいんだけどね。
髪の色は、元々の毛色と全く一緒でクリーム色。目の色も同様に緑。身長は150cmいくかいかないかぐらい。もうちょっと高くしたかったけど、うまく出来なかった。残念。
ちなみに、キャットドラゴン最大の特徴である、身体中にある黒い鱗模様。あれも健在です。隠せなかった大きなけもみみと両頬、あと胴にもあったけどこれは服で隠れるから問題ない。
まだうまく消せないので、とりあえず鱗について聞かれたら「親が猫と蛇の獣人なんです」っていう言い訳しろってジャンに言われた。ナイスアイディアっすね、流石ジャンさん。
ちなみに、服も込みで変化できるとのことなので、今は何か和服にインド風を掛け合わせたような服を着ている。色は薄い紫だ。
と、まぁ、こんな感じで、まるで遠足気分で脱出を試みていたのが数十分前。今、呆然と立ち尽くしているジャンと、気まずそうにしているオレがいるのは森の出口である。まさかこんなに早く出れるとは思ってなかった。
十日も一人で住んでいたのである程度分かる!と言ったオレを信じてなにも言わずについてきていたジャンも、少なくとも三日はかかると思っていたのだろう。そのために弁当作ってたぐらいだし。
しかし、実際はものの数十分で出てしまった。ごめん、オレもこんなに早いとは思わなかった。しまったな~!リピに「最短ルートで案内してくれ!」なんて言うんじゃなかったな~!!
リピが飛んでいく方に大人しくついていったらこれだよ。割とキャンプと言うか野宿を楽しみにしてたから、ちょっとガッカリしてたりもする。
と言うか、ジャンさんの方を見るのが怖い。何を言われるのかと怖い。意気込んで出てきといて、数十分って!
しかし、話しかけないことにはこの固まってしまった人を復活させられん。自然回復は時間がかかるだろう。
「…あ、あの、ジャン…さん…?」
チラッと横を見る。いまだに呆然としているジャンの表情には、「何が起こった?」とかかれている。ごめん、本当ごめん。
「あの…や、やり直しをさせてください!!!」
「いや、なんでそうなった!?!?」
ツッコミ魂ってすげぇ。一瞬で我に返ってツッコんだ。ジャンさん、キミの周りには今までボケしか居なかったのかい?一人で問題児達をまとめなければならない委員長のような立ち位置だったのかな?
「ちょっとまて……いや、もうこれは稼げるだろ…【命の泉】の案内人でもやれば金持ち共が食いついて…ダメだ、それはダメだ。うん、やめよう」
何かぶつぶつと呟いているけど、ジャンの癖なのかな?考え事してるときって大体ぶつぶつ呟いているよ?危なくない?それ。
「安心しろ!!お前は俺が守るからな!!」
「えっあ、うん!よろしくお願いします!!」
どうやら自己完結したようです。お疲れ様です。守ってもらえるってやったね!安全に旅ができるよ!!結局ジャンのレベル聞けてないし調べてもないけど!!
「ところで、森は脱出できたけど、これからどうするの?」
「ん?あぁ、そういや言ってなかったな。この近くに俺の住んでる村があんだよ。とりあえず一旦家に帰って、色々準備しよう。このままいけるか?」
恐らく休んでからいくか、このまま村までいくか、と言うことだろう。そんなの聞かなくても分かるだろうに。
「大丈夫!今休むより、早くついて家で休む方がいい!」
「だよな。よし、今度は俺が案内する番だ。行こう!」
「おー!!」
テンションが戻ってきたところで、意気揚々と歩き出す。どんな村なんだろうなー♪
──────────
歩いて数時間。リピのおかげで大分時間が余ったので、ゆっくりと歩いての数時間だ。ちょこちょこ休憩もいれて、ようやくついたジャンが住んでいる村。そう、村…………
「…村、なんだよね?ジャン、ここ、村なんだよね?」
「ん?おう、村だぞ?【生命の森】防衛隊が作った、【コーステル村】だ」
「……これは、村とは呼ばないと思うんだけど…」
今オレの目の前に広がるのは、村と呼ぶにはあまりに機能的な人里である。これはもう街と呼んでもいいのでは?
外灯がある、道はきちんと舗装されている、建物は大体木造、これだけ聞けばまだ村だ。
外灯は魔法なのか光の玉が浮いている、舗装されてる道は石畳だし、唯一普通に感じるのは木造建築物だけだ。しかし、所々に石造りの建物も見える。村ではない。これは、村ではなく立派な街だ。規模的にも。
しかし、それよりも気になることがひとつ。
「ジャン、防衛隊ってなに?」
先程ジャンは【生命の森】防衛隊と言っていたが、何の防衛隊だろうか?生命の森を守ってるの?
「あー、それも知らねぇよな。防衛隊っつーのは、ダンジョンからたまに出てくるモンスターを食い止めるために作られた軍隊…とまではいかねぇか。ま、雇われ傭兵の集まりってところかな。で、ここは生命の森の防衛隊が作った村」
「作った、とは?」
「えーと、確か、最初はただの野営地だったんだけど、住みやすくしていったらいつの間にか村になってて、何か色々商人とか来るし、貴族も来たりで、そう思うと何か最初より大分でかくなったな、この村」
なるほど…あれか、現地の人には変化があんまり分かんないけど、外から見ると大分変わってる、とかそんな感じか。そんで、今のジャンはちょっと離れてたから規模のおかしさが分かり始めてる感じだ。分かってくれ、頼む。
「ジャンってさ、王都とか行ったことある?と言うか、王都とかある?」
王都がなければ、此処がそうなるかも知れないし、でもそんなわけないよね。
「王都はあるぞ。行ったこともあるけど、大分昔だからなぁ。ほぼ覚えてねぇや」
「なら、多分また王都とか行ったときに気づくよ、此処村じゃない、って…」
「そ、そうか?」
ちょっと困惑しているジャンだが、オレも困惑してるよ。ジャンの民族っぽい格好から、村っていうし規模は小さいのかなって思ってたのに、大分でかいじゃないっすか。街じゃないっすか。それともなに、この世界の村の規模は一般的にこれなの??オレがおかしいの??
「とりあえず、まずは俺の家にでも行くか。物を整理して、売り払わなきゃなんねぇし」
うん、そうしようk……ん?売り払うとは??
「え、なんで売り払うの?」
「何でって、お前連れて旅に出るから。ここじゃあ拠点に向かないしなぁ」
えええええ?てっきりオレは此処を拠点にするんだとばかり…でもいいのかな?売り払って…
「気にすんなよ。どうせ貰い物の家だし。それに、売り払った方がいい。此処に家があったままじゃあヤバい」
サッと顔色が悪くなるジャン。え、なに?何があったの?呪われた家にでも住んでるの?
狩った魔物の素材等を売りつつ向かうとのことなので、ついでに買い物もしようと少々村を彷徨くことにした。
美味しそうなお菓子売りの屋台に近づけば、笑いながらジャンが飴を買ってくれた。嬉しい。
「おー!ジャン!!ジャンじゃねぇか!!お前、よく生きて帰って来たなぁ!!」
買ってもらった飴を食べていると、突然後ろから声をかけられた。どうや相手はジャンの知り合いらしい。
知り合いさんの服装は、鎖帷子と鉄の膝当てがついたズボン。ジャンの格好とは大分違う。そう言えば、街の人たちの格好もジャンとは全然違かった。作った村っていってたし、ジャンの格好は生まれ故郷とかの格好なのかな?
近づいてきたと思ったら、バシバシとジャンの背中を叩いてる知り合いさん。ジャンの顔が少し歪んだので、多分痛い。音からして痛い。
「…ねぇ、痛そうだから、やめて。叩くのやめて」
知り合いさんの服の裾を引っ張って止める。というか、背が高い!!ジャンもだけど背が高い!!何か悔しい!!
「おう?………え、誰?え?まさかお前……隠しごべっ!?」
「なにくだんねぇこと言おうとしてんだテメェ」
殴った。ジャンが知り合いさんを殴った。大分痛そうな音がしたよ?ゴッとかじゃなくて、ドゴッて感じの音したよ?大丈夫?頭蓋骨割れてない?
「いってー!!なんだよ、こんな小さい子ども連れてりゃあ、誰だってお前の隠し子かと思うじゃん!?似てねぇけど!!」
「うるさい。黙れ騒音機。お前に構ってる暇ねぇんだよ」
無事だったようだけど、なんだろう。ジャンさん、彼に当たり強いね?嫌いなの?大分苦労させられた感じ?うん、見た感じそうなんだろうな、きっと。
「えー??じゃあなに!?結構その子可愛い顔してるし、自分好みに育てようって算段か!?誘拐でもしたのがはっ!?」
「死ね」
直球!?ジャンさん直球に死ねって言ったよ!?大丈夫だよジャンさん!オレ、拐われたとか思ってないから!!だから、ダウンしてる相手をこれでもかと蹴り続けるのやめたげてぇ!?
「ジャンっ、ジャンっ!ストップ!息の根止まる!ジャンが殺人犯になっちゃうから!!ジャンには殺人犯になんてなって欲しくない!!」
「よし、家にいくか!」
わぁお。すごい早さでこっち振り向いた。殺人犯になって欲しくないって言った瞬間に、すごいいい笑顔でこっち振り向いた。ちょっと怖いよ。
「え、ねぇ、あの人大丈夫?生きてる?殺人犯になってない?」
「ほっとけほっとけ。関わると頭が腐る。大丈夫、彼奴は殺しても死なないから。なってないよ、大丈夫。心配してくれてありがとな」
ポンポンと頭を撫でられる。うん、大丈夫ならもういいや!!
「もったー!!」
「弁当はー??」
「ご馳走さまです!!」
「えっ食ったの!?」
「あるよー!!」
「お前な~!ビビらせんな!」
「ひゃ~~!」
等と気の抜けた会話をするのは、少々テンションが高い俺とジャンである。テンションが高い理由は言うまでもなく、この【生命の森】を脱出することになったからです!!
ジャンさん曰く、一ヶ月も迷って死にかけた人もいるから気を付けるように、とのこと。
まぁ、オレにはリピという心強い案内人がいるので何の心配も要らないんだけどね。ほら、言うタイミングが掴めずにそのままだからジャンさん知らないのよ…ごめん、期を見て絶対にいつか言うね。いつか。
ちなみに、テンションが高い理由はもうひとつある。な、な、なんと!!ついにオレは変化魔法を習得しました!!
いやね?リピから衝撃の事実を聞かされてから、実は二日もたってます。しかしこの二日で、ジャンに手を貸して貰って強い魔物を狩り、魔力制御をひたすら練習したりなどの努力の結果!!オレのレベルは15から29に!!そして、変化魔法も使えるようになったので、ただいま人間に変化しております!!
…まぁ、耳と尻尾はまだ隠せないから、どちらかと言えば"人型"と言うのが正しいんだけどね。
髪の色は、元々の毛色と全く一緒でクリーム色。目の色も同様に緑。身長は150cmいくかいかないかぐらい。もうちょっと高くしたかったけど、うまく出来なかった。残念。
ちなみに、キャットドラゴン最大の特徴である、身体中にある黒い鱗模様。あれも健在です。隠せなかった大きなけもみみと両頬、あと胴にもあったけどこれは服で隠れるから問題ない。
まだうまく消せないので、とりあえず鱗について聞かれたら「親が猫と蛇の獣人なんです」っていう言い訳しろってジャンに言われた。ナイスアイディアっすね、流石ジャンさん。
ちなみに、服も込みで変化できるとのことなので、今は何か和服にインド風を掛け合わせたような服を着ている。色は薄い紫だ。
と、まぁ、こんな感じで、まるで遠足気分で脱出を試みていたのが数十分前。今、呆然と立ち尽くしているジャンと、気まずそうにしているオレがいるのは森の出口である。まさかこんなに早く出れるとは思ってなかった。
十日も一人で住んでいたのである程度分かる!と言ったオレを信じてなにも言わずについてきていたジャンも、少なくとも三日はかかると思っていたのだろう。そのために弁当作ってたぐらいだし。
しかし、実際はものの数十分で出てしまった。ごめん、オレもこんなに早いとは思わなかった。しまったな~!リピに「最短ルートで案内してくれ!」なんて言うんじゃなかったな~!!
リピが飛んでいく方に大人しくついていったらこれだよ。割とキャンプと言うか野宿を楽しみにしてたから、ちょっとガッカリしてたりもする。
と言うか、ジャンさんの方を見るのが怖い。何を言われるのかと怖い。意気込んで出てきといて、数十分って!
しかし、話しかけないことにはこの固まってしまった人を復活させられん。自然回復は時間がかかるだろう。
「…あ、あの、ジャン…さん…?」
チラッと横を見る。いまだに呆然としているジャンの表情には、「何が起こった?」とかかれている。ごめん、本当ごめん。
「あの…や、やり直しをさせてください!!!」
「いや、なんでそうなった!?!?」
ツッコミ魂ってすげぇ。一瞬で我に返ってツッコんだ。ジャンさん、キミの周りには今までボケしか居なかったのかい?一人で問題児達をまとめなければならない委員長のような立ち位置だったのかな?
「ちょっとまて……いや、もうこれは稼げるだろ…【命の泉】の案内人でもやれば金持ち共が食いついて…ダメだ、それはダメだ。うん、やめよう」
何かぶつぶつと呟いているけど、ジャンの癖なのかな?考え事してるときって大体ぶつぶつ呟いているよ?危なくない?それ。
「安心しろ!!お前は俺が守るからな!!」
「えっあ、うん!よろしくお願いします!!」
どうやら自己完結したようです。お疲れ様です。守ってもらえるってやったね!安全に旅ができるよ!!結局ジャンのレベル聞けてないし調べてもないけど!!
「ところで、森は脱出できたけど、これからどうするの?」
「ん?あぁ、そういや言ってなかったな。この近くに俺の住んでる村があんだよ。とりあえず一旦家に帰って、色々準備しよう。このままいけるか?」
恐らく休んでからいくか、このまま村までいくか、と言うことだろう。そんなの聞かなくても分かるだろうに。
「大丈夫!今休むより、早くついて家で休む方がいい!」
「だよな。よし、今度は俺が案内する番だ。行こう!」
「おー!!」
テンションが戻ってきたところで、意気揚々と歩き出す。どんな村なんだろうなー♪
──────────
歩いて数時間。リピのおかげで大分時間が余ったので、ゆっくりと歩いての数時間だ。ちょこちょこ休憩もいれて、ようやくついたジャンが住んでいる村。そう、村…………
「…村、なんだよね?ジャン、ここ、村なんだよね?」
「ん?おう、村だぞ?【生命の森】防衛隊が作った、【コーステル村】だ」
「……これは、村とは呼ばないと思うんだけど…」
今オレの目の前に広がるのは、村と呼ぶにはあまりに機能的な人里である。これはもう街と呼んでもいいのでは?
外灯がある、道はきちんと舗装されている、建物は大体木造、これだけ聞けばまだ村だ。
外灯は魔法なのか光の玉が浮いている、舗装されてる道は石畳だし、唯一普通に感じるのは木造建築物だけだ。しかし、所々に石造りの建物も見える。村ではない。これは、村ではなく立派な街だ。規模的にも。
しかし、それよりも気になることがひとつ。
「ジャン、防衛隊ってなに?」
先程ジャンは【生命の森】防衛隊と言っていたが、何の防衛隊だろうか?生命の森を守ってるの?
「あー、それも知らねぇよな。防衛隊っつーのは、ダンジョンからたまに出てくるモンスターを食い止めるために作られた軍隊…とまではいかねぇか。ま、雇われ傭兵の集まりってところかな。で、ここは生命の森の防衛隊が作った村」
「作った、とは?」
「えーと、確か、最初はただの野営地だったんだけど、住みやすくしていったらいつの間にか村になってて、何か色々商人とか来るし、貴族も来たりで、そう思うと何か最初より大分でかくなったな、この村」
なるほど…あれか、現地の人には変化があんまり分かんないけど、外から見ると大分変わってる、とかそんな感じか。そんで、今のジャンはちょっと離れてたから規模のおかしさが分かり始めてる感じだ。分かってくれ、頼む。
「ジャンってさ、王都とか行ったことある?と言うか、王都とかある?」
王都がなければ、此処がそうなるかも知れないし、でもそんなわけないよね。
「王都はあるぞ。行ったこともあるけど、大分昔だからなぁ。ほぼ覚えてねぇや」
「なら、多分また王都とか行ったときに気づくよ、此処村じゃない、って…」
「そ、そうか?」
ちょっと困惑しているジャンだが、オレも困惑してるよ。ジャンの民族っぽい格好から、村っていうし規模は小さいのかなって思ってたのに、大分でかいじゃないっすか。街じゃないっすか。それともなに、この世界の村の規模は一般的にこれなの??オレがおかしいの??
「とりあえず、まずは俺の家にでも行くか。物を整理して、売り払わなきゃなんねぇし」
うん、そうしようk……ん?売り払うとは??
「え、なんで売り払うの?」
「何でって、お前連れて旅に出るから。ここじゃあ拠点に向かないしなぁ」
えええええ?てっきりオレは此処を拠点にするんだとばかり…でもいいのかな?売り払って…
「気にすんなよ。どうせ貰い物の家だし。それに、売り払った方がいい。此処に家があったままじゃあヤバい」
サッと顔色が悪くなるジャン。え、なに?何があったの?呪われた家にでも住んでるの?
狩った魔物の素材等を売りつつ向かうとのことなので、ついでに買い物もしようと少々村を彷徨くことにした。
美味しそうなお菓子売りの屋台に近づけば、笑いながらジャンが飴を買ってくれた。嬉しい。
「おー!ジャン!!ジャンじゃねぇか!!お前、よく生きて帰って来たなぁ!!」
買ってもらった飴を食べていると、突然後ろから声をかけられた。どうや相手はジャンの知り合いらしい。
知り合いさんの服装は、鎖帷子と鉄の膝当てがついたズボン。ジャンの格好とは大分違う。そう言えば、街の人たちの格好もジャンとは全然違かった。作った村っていってたし、ジャンの格好は生まれ故郷とかの格好なのかな?
近づいてきたと思ったら、バシバシとジャンの背中を叩いてる知り合いさん。ジャンの顔が少し歪んだので、多分痛い。音からして痛い。
「…ねぇ、痛そうだから、やめて。叩くのやめて」
知り合いさんの服の裾を引っ張って止める。というか、背が高い!!ジャンもだけど背が高い!!何か悔しい!!
「おう?………え、誰?え?まさかお前……隠しごべっ!?」
「なにくだんねぇこと言おうとしてんだテメェ」
殴った。ジャンが知り合いさんを殴った。大分痛そうな音がしたよ?ゴッとかじゃなくて、ドゴッて感じの音したよ?大丈夫?頭蓋骨割れてない?
「いってー!!なんだよ、こんな小さい子ども連れてりゃあ、誰だってお前の隠し子かと思うじゃん!?似てねぇけど!!」
「うるさい。黙れ騒音機。お前に構ってる暇ねぇんだよ」
無事だったようだけど、なんだろう。ジャンさん、彼に当たり強いね?嫌いなの?大分苦労させられた感じ?うん、見た感じそうなんだろうな、きっと。
「えー??じゃあなに!?結構その子可愛い顔してるし、自分好みに育てようって算段か!?誘拐でもしたのがはっ!?」
「死ね」
直球!?ジャンさん直球に死ねって言ったよ!?大丈夫だよジャンさん!オレ、拐われたとか思ってないから!!だから、ダウンしてる相手をこれでもかと蹴り続けるのやめたげてぇ!?
「ジャンっ、ジャンっ!ストップ!息の根止まる!ジャンが殺人犯になっちゃうから!!ジャンには殺人犯になんてなって欲しくない!!」
「よし、家にいくか!」
わぁお。すごい早さでこっち振り向いた。殺人犯になって欲しくないって言った瞬間に、すごいいい笑顔でこっち振り向いた。ちょっと怖いよ。
「え、ねぇ、あの人大丈夫?生きてる?殺人犯になってない?」
「ほっとけほっとけ。関わると頭が腐る。大丈夫、彼奴は殺しても死なないから。なってないよ、大丈夫。心配してくれてありがとな」
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