何故か異世界で狙われながら大冒険!?~転生先が絶滅寸前の愛玩モンスターだった件~

蒼霧雪枷

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第一章『転生したらしい』生命の森編

仲間になりたそうに((ry

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 ドガーン!!バゴーン!!という爆発音のあとに、ギャァァァァ!!グァァァァァ!!という悲鳴があちこちから聞こえる只今、お昼ちょっと過ぎの今日この頃。
 流石に目の前でワイバーン爆発は意味がわからない。

「わわわわわわ、ワイバーンが爆発したぁ!?え、自爆魔法!?」

 前方で、空を飛んでいるワイバーンが爆発し、地に落ちていく。
 リピがオレにしか聞こえない声で、『ワイバーンが自力で爆発することはあり得ません。他者からの攻撃と思われます』と言った。だよね!!
 次々と倒されていくワイバーン。しかし、その数は数百とも思える大群で、一匹倒されれば二匹三匹と襲ってくる。
 そして増えた敵に、さらに何匹かを巻き込んで倒していく【生命の森】防衛軍の皆さん。
 両者共に引けを取らない攻防です。しかし、倒されていくワイバーンに対し、防衛軍の皆さんは負傷者は少ない様子。ワイバーン軍、少々劣勢か??
 ……って、一体何の実況をしてるんだオレは。

「カナ、しょうがないから俺らも手伝ってくる。お前は家の中にいた方がいい」
「そうだね。キミ、軽いから吹き飛ばされるだろうし、留守番お願いね」

 二人がそう言えば、すごくホッとした様子の知り合いさん。二人とも、頼られているようだ。

「分かった!留守はまかs…いくの早っ!?」

 オレが返事をしてる途中で、さっさと終わらせたいと言わんばかりに、風のように猛スピード走り去った二人。わぁお、はやぁい。
 さて、じゃあオレは言われた通りに家に入るか…と、くるりと玄関へ舞われ右し、ドアノブへ手を伸ばし──

 ─横からの爆風で見事に空へと吹き飛ばされた。

 あまりの衝撃に、息ができなくなり意識が飛びそうになる。しかし、リピが珍しく声を張り上げてくれたおかげで、どうにか持ちこたえる。

『マスター!【飛行魔法】か【風魔法】を使ってください!!』
「急に言われてもぉぉぉぉ!!!風!?風でどうしろとっ!?」

 空高く吹き飛ばされたと思ったら、ふわっとした感覚のすぐあとにすぐ来る落ちる感覚。あまりの恐怖にヒュッと息が詰まる。思わず身を守ろうと丸まってしまった。

『丸まってはいけません!余計に落下速度が上がります!体を広げて!!』

 リピにそう言われ、どうにか体を動かして広げる。必然的に下を見てしまい、つい目を瞑ってしまった。頻りにリピの魔法を使えという声が聞こえるが、恐怖で焦った頭では上手く魔法を練れなかった。

「む、むりぃぃぃぃぃぃぃ!!!!しぬぅぅぅぅぅぅ!!!!」

 少しでも恐怖を緩和しようとしたのか、口から漏れる悲鳴。あぁ…たった二週間でオレのこの世界での生は終わるのか…
 そう思った時だった。
 ゴウッと、丁度オレの真下から風が吹いた。下から上へと向かう風のお陰で落下速度は下がり、オレを優しく無事に怪我もなく地面へ下ろしてくれた。

「…………え?たす、かった…?」

 その場にへたりこみ、自分と周りを見る。何度か瞬きをし、手のひらを握ったり閉じたりして感覚を戻し、ようやく自分が生きていることを自覚した。

「…よ、よかったぁ~~~~!!」

 安心したせいか、ポロリと涙が出てきた。体の力が抜けまくってまったく立ち上がれないが、生きているので全然いい。
 随分と家から遠いところに飛ばされたようで、人もワイバーンもいない。建物はほとんどが半壊しており、どうやらこっち側からワイバーンの群れが来たのだと推測する。
 しかし、先程の風はなんだったのだろうか。自然の風としてはかなり不自然だった。気象についてあまり知らないオレでも、この場所で上昇気流が起こるわけがないことはわかる。
 明らかに誰かの魔法だった。しかし、周りには誰もいないし、何の気配もない。住民は全てワイバーンの方に向かっているのだろう。何せ戦闘集団の街だ。
 果たして、オレが助かった要因はなんなのか。とりあえず流れる涙を止めるため、ひたすらに深呼吸をして落ち着くことにした。

 よくやく涙も止まり、立ち上がれるようになったところで、家の方に向かうことにした。オレが帰るのが先か、ジャンとルイスのワイバーン殲滅が先か。オレが先じゃないと、怒られるか二人の過保護が発動する気がする。
 その場から離れようと、大雑把に方向を決めて歩き出そうとしたオレの耳に、脳に直接聞こえるような響く感じの声が聞こえた。
 リピの声が聞こえるときと似ているが、鈴のようなリピの声とは違い、地を這うような低い声だ。

『……あ、あの…大丈夫、ですか…?』

 火山のように低く震える声なのに、しかしそれは非常に弱々しく、恐怖は感じない。おまけに、どうやらこちらを心配し、気遣っているようで、悪意も感じられなかった。
 まぁしかし、突然知らない声が聞こえれば流石のオレもビビってしまう訳でして。

「ミ"ッ!?え、え、なに?え?誰!?」

 何の気配もしないのに、声だけが聞こえる。なにこのオバケ感、やだー。なんかJKみたいになったんだけどー(棒)
 …はい。ふざけるのやめよう。見事に滑った気がするから。

『ひっ…す、すみません!すみませんっ!何もしませんから、許してくださいぃ…』

 オレが驚いて声を出せば、何故か話しかけてきた方がオレより怯えた。別に何も言ってないのに許してって…気弱すぎない?

「え、えーと…君、誰?どこにいるの?」
『あ、あの、えと、その…す、姿見せたら、殺したり…しませんか…?』

 オレはそんなに野蛮に見えるのか、コラ。可愛い可愛い猫ちゃんだぞ、コラ。

「そんなことしないよ!というか、むしろ声的にオレの方が殺されそうだよ!!」

 そう言えば、またもやすみません!と謝られ、声の主が居るらしい場所に案内された

『…はい、あの、そこから真っ直ぐ右で…その街灯の左側にある建物の、もう少し奥の瓦礫の山、です……』

 言われた通りに進み、なんだかゲームでよくある西へ十歩南へ七歩進むと宝がある、とかに似てるなーなどと呑気なことを考え、全く危険を考えずに瓦礫の山へ近づく。
 まぁ、リピが何も言わないんで大丈夫なんだろうという、楽天的な考えであったのは否定できない。

 謎の声が言った通り、瓦礫の山はあった。しかし、そこには誰もいないし、声も聞こえなくなった。もしや騙されたのか?と思い、少しだけ瓦礫の山から離れた瞬間、その瓦礫の山が動いた。
 ガラガラと瓦礫が地面に落ちるのを見て、どうやらこの瓦礫に何かが埋もれていたらしいことを察する。まさか、声の主が埋もれていたなんてことは…
 しかし、それ以上に予想外な事が起き、オレの思考は停止する。瓦礫に埋もれていたもの、それは…
 一匹のワイバーンだった。

『…あのぅ…大丈夫ですか?』

 ………ハァッ!?あまりの出来事に、思わずフリーズしてしまった!!
 まぁ待て、まぁ待て…まず状況を整理しよう。
 謎の声が聞こえてきたので、案内にそってやって来てみれば、どうやらその声の主はこのワイバーンだったらしいと、そう言うことなのかな?

「えっと、まさか君がオレに話しかけてきた人?」

 ワイバーンは人じゃないだろう、なんてツッコミは今はいい。確認すれば、コクリと頷くワイバーン。あれ?なかなか可愛いのでは??
 よくよく見れば、他のワイバーンとは体の大きさや色が違う事がわかった。色は何種類かあるのだろうが、先程上空に見えたワイバーンたちは、大体黄色に近い色合いだったのに対し、目の前のワイバーンは深い藍色だ。正反対だ。
 おまけに、遠目からだったので正確にはわからないが、他のワイバーンより一回り程小さい気がする。比較対象がないのでよくわからないけれど。
 目の前のワイバーン…とりあえず気弱藍色さんと呼ぼう。気弱藍色さんは、ジャン一人ぐらいなら乗れそうな大きさだ。
 でも、他のワイバーンは、戦闘中の人間と比べても二人ぐらいなら余裕で乗せられそうな大きさだと思う。やっぱりちょっと小さい種類なのかもしれない。

『…あの、どうかしましたか…?』

 おっと。どうやらじろじろ見すぎたらしい。とても不安そうな表情(ワイバーンの表情変化とかわからんが)になった。
「いやー、なんか他とは違うなぁって思って。ところで、君はなんでここで瓦礫に埋まってたの?」
 オレがそう聞けば、ビクッとして土下座?をし始めた。勢いよく地面に伏せるものだから砂ぼこりが…ゲホッ。
 しかも、その砂ぼこりでオレが咳き込んだことにより、さらに深々と地面に伏せる気弱藍色さん。
『ひぃぃぃすみませんすみません仮にも竜族なのにこんなところで隠れててすみません戦いに参加しなくてすみませんすみません弱くてごめんなさぃぃぃぃぃぃぃ』
 こ、これは…どうすれば…宥めろと?オレに宥めろと??

「別に隠れてたのは構わないよ!!戦いには、オレも参加してないし!というか、謝るの止めろ!!!」

 あまりにも謝りまくるので、いい加減ウザくなったオレは、スキル【猫パンチ】で気弱藍色さんを思いっきり殴った。
 まぁ、相手は鱗があるので、どちらかといえばオレの手へのダメージがでかい気がするが、謝罪は止まったので効果はあったらしい。
 と、思って気弱藍色さんを見れば、なにやら恍惚とした瞳でオレを見ているではないか。あれっ?何だか背筋がゾクッとしたぞ…?
 そして、気弱藍色さんが次に発した言葉は…

『……あ、姐さん!!』
「姐さん!?!?」

 まさかの発言に驚いていれば、脳内で聞こえるピロンという音。続いて聞こえるリピの声に、オレはポカンと呆けることしかできなかった。

『ワイバーン(亜種)が仲間になりたそうにあなたを見ています。仲間にしますか?』

 いや、某クエストじゃないんだから、他に言い方なかったの?



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