気づいたら異世界で、第二の人生始まりそうです

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私、橋本凛花は、享年20年でこの世を去ったと思ったのですが、目を覚ますと見知らぬ部屋にいました。

えーと、待って、さっき事故に遭って、私死んだんだよね？ってことはここは、あの世ってこと？
それにしても、あの世っていうのはこんなに立派なのか。目を覚ましたここはまるで中世の貴族が住む屋敷の一室のようであり、天蓋付きのピンクの大きなベッドには、ウサギのぬいぐるみが置いてあった。だが、そのぬいぐるみにふと既視感を覚え、ベッドへ近づく。

「お母さんのぬいぐるみそっくり､､､！」

うさぎのぬいぐるみはまるで、母が昔作ってくれたぬいぐるみにそっくりだった。
確か、母のぬいぐるみにはうさぎの片耳にハートマークが縫われていたはず。

そう思い、ぬいぐるみを手にしようとした瞬間、バンッ‼︎っと勢いよくドアが開いた。

「リリー､､､？」

勢いよく開いたドアの前には、私の大好きな甘いキャラメルのような髪色を後ろで緩く纏め、まるでエメラルド色の宝石のように輝く緑の瞳を持つ、精悍な顔立ちをした男性が驚きの表情をして立っていた。

もしかして、この男性がこの屋敷の持ち主だろうか。見るからに高そうな服装を着ていて、まるで絵本の中で見た貴族のような風貌だ。
驚きの表情から見るに、私のことをこの部屋に不法侵入した者だと思ってるのかな？
それならば即座に訂正しなければ。

「本当にすみません！あの、なぜかは分からないんですが、目を覚ましたらこの部屋
にいて、決して不法侵入したと言うわけではなく！」

「君は、リリーじゃないのかい､､､？」

リリーという名は私が店で働くときの源氏名だ。なぜその名前を？

「はい、えーと、一応、リリーと呼ばれることもありますが、私の名前は橋本凛花と言います！」

「､､､､､､､､､､､､ジョン！今すぐロバートを呼んできてくれ！！」

「はい、すぐに連れて参ります。」

目の前の男性は後ろに控えていた執事らしき服装をした男性にそう告げると、ベッド横にいた私に近づいた。

「リリー､､､リリー､､､！」

男性は悲痛そうな声で叫び、私を抱きしめ、言った。

「僕は君の父親だ。覚えてない､､､？」

え？？？？父親？？？？
そんなまさか。え、これは夢？？

父は私が生まれる前に亡くなったと、母に聞いた。それに、こんなイケメンが私の父な訳がない。そもそも、この屋敷？すら知らない場所だ。どう考えても日本ではない。

段々と頭が混乱してきて、先ほどの事故での頭の痛みを再度感じ、男性に抱きしめられながら、意識が遠のいていった。

意識が遠のき、視界が暗くなる中、私の名前を呼び顔を真っ青にしながら、心配そうに私の顔を覗き込む、私の父だという男性が見えた。